吉岡里帆:「特別な瞬間に立ち会っている」生徒たちの成長に目を細め 「御上先生」で副担任・是枝役 7話で「またヘマをやります」と予告も

「御上先生」の一場面(C)TBS
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「御上先生」の一場面(C)TBS

 俳優の松坂桃李さん主演のTBS系日曜劇場「御上先生」(日曜午後9時)で御上(松坂さん)が担任を務める隣徳学院3年2組の副担任、是枝文香を演じている吉岡里帆さん。吉岡さんは演じる是枝について、御上の影響でどんどん成長していく生徒たちに目を細める一方、「成長が一番遅いんじゃないかな」と感じているという。吉岡さんに、松坂さんや生徒役のキャストについて、また撮影の雰囲気や3月2日に放送される第7話の見どころを聞いた。

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 ◇「対話が多い」風通しの良い現場

 ドラマは、日本の教育を変えようという思いを持つ文科省官僚の御上孝(松坂さん)が、自ら私立高校の教壇に立ち、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく、オリジナルの“大逆転教育再生ストーリー”。松坂さんの主演映画「新聞記者」以来のタッグとなる詩森ろばさんが脚本を担当。「アンチヒーロー」(2024年)、「VIVANT」(2023年)など話題になった日曜劇場を担当してきた飯田和孝さんがプロデューサーを務めている。

 吉岡さんは詩森さんが手がける脚本を読んで、「映画『新聞記者』を公開当時映画館に2回行ったほど、心を動かされました。そのときに、どんな脚本家さんが書かれているんだろうと調べたのが、初めて詩森ろばさんを知ったきっかけでした。かなり早い段階で1話から最終話まで脚本が全部そろっていて、その完成度の高さにすごく感動して。ろばさんの中で何がやりたいかというのがすごく明確でしたね」と感じたという。

 現場は「対話が多い」風通しの良い雰囲気だという。

 「プロデューサーの飯田さんがすごく現場を見てくださる方なので、対話の多い現場というのが特徴かなって思います。生徒役はオーディションで選ばれた人たちで、大人チームはこの脚本に共感をしたり、『届けたい』という強い思いを持って参加してる方ばかりで。皆さんと意見交換もしますし、どうしたらこの(脚)本の良さがより伝わるんだろうというのを、自分の役柄を通して緊張感と工夫を持って撮影に挑んでいます」

 「すでに撮り終わっている」という教室のシーンだが、センシティブ内容の問題提起を教室全体で話し合うなど、本番は“ヒリヒリ感”がある一方、カメラが回っていない前室では生徒たちがわちゃわちゃとリラックスしているようで、「両方のリアルさ、違う側面での学生らしさがあって、(生徒役の)年齢は高校生より上の方たちが多いですけど、教室でも前室でも18歳にしか見えなくて、温かく見守っています」と目を細める。

 ◇松坂桃李のチャーミングな一面

 担任と副担任として同じシーンも多い松坂さんとは、2016年のドラマ「ゆとりですがなにか」でも共演していた。

 「『ゆとり』のときも松坂さんが担任で、私は教育実習生でと横を並走していくようなキャラクターを演じているので、間近で学ぶことが多くて。松坂さんって懐が深いといいますか、人の話をちゃんと聞いてくださる方なので、お芝居のことで悩んだり、そのシーンのことをどう考えるかみたいなことも相談がしやすくて。やっぱり『ゆとり』で過ごした時間があるからこそ、この世界でちゃんと生きられるなっていう実感がありますね」

 現場では「御上先生は無表情ですが、松坂さんご自身は笑ったとき破顔になるのがギャップ。素の松坂さんって面白いことあったときに、子どもみたいにケラッと笑う方なので、チャーミングですてきだなと思います」と笑顔に癒やされているようだ。

 ◇第7話のメイン“椎葉”吉柳咲良は「社会問題を凝縮したようなキャラクター」

 生徒役のキャストについては、「みんなが主体性を持って仕事に挑んでる姿と、作品の中の生徒たちの成長がリンクしていて、作り物じゃないリアルな感覚、自分事として社会問題に取り組んでいく姿勢が撮影中に育まれていったと感じます」と話す。

 「生徒たちのお芝居を間近で見ていて、なんて瑞々しいんだろうと。今の多感な時期にしかできないお芝居を皆さんされているので、大人になったときに、あの時間ってすごく貴重だったと、きっと思うだろうなと。特別な瞬間に立ち会っているという感情になりますね」と目を輝かせる。

 第7話(3月2日放送)では、生徒の一人、椎葉春乃(吉柳咲良さん)がメインに話が展開する。

 「椎葉さんは社会問題を凝縮したようなキャラクターなんです。生理の話もそうですし、格差、貧困など山積みで、それを小さな体で一人で抱えている。一人で背負うにはあまりにも問題が大きいなと思ったので、彼女が独りぼっちにならないように、そして希望を見いだせるように。見てくださっている人たちの中にも椎葉さんが抱えている問題のどれかに共感できたり、今、実際に戦っている人もたくさんいるはずだから、そういう人たちにとって救いになる回になるようにしないといけないなと思いました」

 椎葉を演じる吉柳さんについては、「本当に圧巻のお芝居で」と舌を巻く。

 「一番そばで見ていたんですけど、本当に椎葉がそこにいるという感覚になりましたし、そのパワーと繊細な心に、私は刺激をたくさんもらえました。普段、彼女はすごく礼儀正しいのですが、面白さも持ち合わせていて。みんなに気遣いして、明るく話しかけて、面白い話をたくさんして、ちゃんと礼儀正しく、筋が通っているっていう。こんな子、いるんだというぐらい。歌も上手ですしね。普段の人柄も素晴らしいなと思いましたし、パワーを感じました」

 最後に第7話の見どころを聞いた。

 「御上先生によって成長していった生徒たちが、社会問題がてんこ盛りの椎葉さんの家庭環境とどう対峙(たいじ)して、どう解決していくのか。吉柳さん自身が顔合わせのときから取り組んできた、本当に心の奥に刺さるような、素晴らしいお芝居をされてるので、吉柳さん演じる椎葉さんに注目していただきたいですし、是枝はまたヘマをします。本当に成長が一番遅いんじゃないかなと思ってるんですけど、是枝が椎葉さんの抱えているものをフォローするシーンがあって、心配をしてしまい、考えさせられるシーンが出てきます。それを皆さんも一緒に考えていただけたらうれしいです」とメッセージを送った。

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