新原泰佑:「御上先生」で兄・御上宏太役 「とんでもなく重要」も「すっと自分の中に入ってきた」ワケ

日曜劇場「御上先生」に出演している新原泰佑さん
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日曜劇場「御上先生」に出演している新原泰佑さん

 松坂桃李さん主演のTBS系日曜劇場御上先生」(日曜午後9時)に出演している新原泰佑さん。演じるのは、主人公の御上孝が、中学時代に亡くしてた兄の御上宏太で、これまで回想、または幻影という形で登場してきた。「どういう役どころなんだろうと正直、最初はつかめなかった」といいつつ、「台本を読み進めていくうちにとんでもなく重要な役だと分かって、この物語の根幹に関わる役ということで責任感をすごく感じました」と明かす新原さんが、ドラマについて語った。

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 ◇御上宏太は「視野が広すぎた」?

 ドラマは、日本の教育を変えようという思いを持つ文科省官僚の御上孝(松坂さん)が、自ら私立高校の教壇に立ち、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく、オリジナルの“大逆転教育再生ストーリー”。

 新原さんは2000年10月7日生まれ、埼玉県出身の24歳。舞台やミュージカルでも活躍し、ミュージカル版「梨泰院クラス」にも出演することが決まっている。

 「御上先生」が初の日曜劇場。放送を見て「画(え)ヂカラ」に驚かされたという。

 「自分も出演していて、現場の雰囲気は分かっていましたが、放送で見たときに画面に映る、画の力というか、ワンシーンワンシーンがパワフルでエネルギッシュで、そこに憧れの日曜劇場たらしめる何かを感じました。お話とししても昨今の事情を織り交ぜながら作られているので、一視聴者として、センセーショナルというか、尖り具合を感じました」

 演じる御上宏太は、初回から“登場”していたが、素性が明らかになったのは第3話でのこと。学校の放送室で声明文を放送したあと“自死した”と御上孝の口から語られた。

 自死した理由など、まだまだ不明な点は多いが、新原さんは「視野が広すぎたのかな」が第一印象で、「見ないでもいいところまで見えてしまったがゆえに“こういう結末”を迎えてしまったのが御上宏太という人間」と分析する。

 「自分も気になってしまうと止まらないというか、そこまで探求しなくてもいいんじゃないってところまで掘り下げてしまうタイプで、いろいろなことが気になってしまうんです。だからこそ、御上宏太という役がすっと自分の中に入ってきたんだと思います」

 だからこそ「せりふ一つ一つに疑問を抱くことがまったくなかった」と明かす新原さん。

 「普段、役を演じていてのどが詰まるとか、どうしてもいいづらいせりふってあることはあるんですね。マインド的なものなのか、脳が何かを察してブロックをかけるのか、覚えにくかったり、発しづらいせりふってあるのですが、今回は一個もなくて。まったくなかったからこそ、ただそのまま行けばいいなって思いました。ただ一つだけあるとすれば、“自死”を選ぶ人間でもあったので、逆に日常をすごく大事にしようと。第1話で、御上孝に対してキーとなる言葉『personal is political』を口にするのですが、そういうシーンからうまく役を膨らませようと意識はしました」

 ◇幻影として、まばたきをしないことを意識

 過去であったり、幻影であったりと、アプローチしづらい役にも思えるが、その点についても「役を演じる上での難しさはなかったです」ときっぱり。

 「強いていうならば『死』というものをどうとらえるか。死人の演技や亡霊のお芝居をしてしまうと、それは御上宏太という人間や存在に失礼になってしまう気がしたので、そういったところのニュアンス、塩梅に関しては監督とも話し合いました。第1話から(幻影として)御上孝と対面するシーンがありましたが、御上孝にだけが見ている存在と言ってしまえば簡単なのですが、御上孝の心に付随して、僕(御上宏太)の感情も成り立っていくから、いまはどういうシーンで、視聴者にこう感じほしい、だからこういう顔をするんだよねってところまで話し合った上での演技ではありました」

 幻影の御上宏太としてはまばたきをしないことを意識。

 「まばたきって反射的にするものじゃないですか。それって生きているからだと思って。御上宏太は反射で動いていないと思ったし、僕自身がまばたきしてないと目に光が入らなくなるので、それを役に生かそうとしたっていう」

 出番が決して多くはない分、しっかりと掘り下げないと演じることはできなかった御上宏太役を通して、得るものは多かったようで……。

 「台本の文字だけ追うと難解な、伏線ばかりなので、どうやって本を読み解いていくのかには時間を費やしましたし、読解力、解釈する頭の部分はスキルアップできたのかなと。今回、せりふがない中で感情を表現する芝居が多かったので、口角を1ミリ上げ下げするだけで、怒りから不安、怒りから心配と、人ってこんなにも相手の顔から感情を受け取っているんだなっていう技術面での気づきもありました」

 ここでの経験を糧にさらに前へと進もうとしている。

 「今年はより真摯にお芝居に向き合わなくてならない年になりそうだなと個人的に思っているので、本当に日々の研鑽、インプットし続けて、アウトプットするための内面が枯渇しないように、アウトプットしたものを、もう一度、自分の中にインプットしてかみ砕く作業もできたらいいなと思っています」

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