Dr.アシュラ
第1話 松本若菜主演スーパー救命医があらゆる命を救う
4月16日(水)放送分
俳優の松たか子さんが主演した新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」が1月2日午後9時からTBS系で放送された。演出を担当した土井裕泰さんの定年前の“卒業制作”となった今作。土井さんが「オリジナルを書いた方がいい」と見込んだ野木亜紀子さんが脚本を手がけた。“新時代のホームドラマ”と銘打たれた今作の成り立ちについて、またドラマの今後について、2人が語った。
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「スロウトレイン」は、松さん演じる鎌倉に住むフリー編集者の長女・葉子、多部未華子さん演じる30歳を過ぎてもフラフラしており、突然、韓国に行くと言い出す妹の都子、松坂桃李さん演じる江ノ島電鉄で保線員として働く弟、潮の3きょうだいと、その周囲の人々が織りなすホームドラマ。3きょうだいの人生に大きく関わる人気作家の百目鬼見(もめき・けん)を星野源さん、日本のドラマ初出演のチュ・ジョンヒョクさんも出演し、2024年1~3月に撮影し、韓国・釜山ロケも行った。
土井さんは、2024年春に60歳の還暦を迎えた。TBSのドラマディレクターとして「一つ区切りになるような作品を」と考え、野木さんに声をかけたという。野木さんは「土井さんに“卒業制作”を撮りたいって言われたら断れないですよね」と笑う。
2人は、TBS系の連続ドラマ「空飛ぶ広報室」(有川浩(当時)さん原作、2013年)、「逃げるは恥だが役に立つ」(海野つなみさん原作、2016年)、「重版出来!」(松田奈緒子さん原作、2016年)と映画「罪の声」(塩田武士さん原作、2020年)で4度タッグを組んだが、いずれも原作ものだった。
土井さんは、野木さんにはオリジナル脚本を書いた方がいいと以前から感じていたといい、今作も声を掛けたのは、「野木さんとオリジナルをやりたいというのも大きな理由だった」という。
それがホームドラマになったのは、「野木さんが忙しいことは分かっていたし、やるとなるとものすごく徹底的に取材とか下調べとか準備をする人だと知っていたので、そこまですごく負荷がかからないものを、と。あと、僕は野木さんの『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系、2020年)が大好きだったので、『コタキ兄弟~』みたいなテイストで、家族やきょうだいの話を描きながら、今の人たちの割とリアルな悩みとか多様性などが透けて見えるような話ができるんじゃないかと思って。そういう意味でのホームドラマができたらいいなと思いました」と語る。
土井さんは「空飛ぶ広報室」「重版出来!」での仕事ぶりを見て、野木さんの「オリジナルを書く力」を見抜いていた。
「『空飛ぶ広報室』で原作にないエピソードを盛り込んだんですよね。新垣結衣さんが演じたテレビ局サイドの話は結構オリジナルのエピソードがあって。野木さんは過酷なスケジュールの中でちゃんと自分の足で取材していた。そのオリジナルの部分が素晴らしいんです。原作のテーマをさらに深めるためのエピソードとしてちゃんと機能していた。『重版出来!』のときも、最終回はほぼオリジナルの話で。時間的にもギリギリだったので一度上がってきたもので進めようとしたんですけど、野木さんはそれを全部捨てて、一晩で全部書き直したんです。何かを生み出すという力があるというのは、その二つの作品を通じて感じていました」
土井さんがドラマの打ち上げの席で「もっと野木さんにオリジナル脚本を書かせた方がいい」と発言したことがきっかけで、「アンナチュラル」(2018年)が生まれたといわれている。
野木さんは「『アンナチュラル』をオリジナルで作って、それなりにヒットしたことで、業界的にもオリジナルを作る機運が戻ってきたんじゃないかな、と私は勝手に思ってるんです。原作ものが悪いわけではないですけれど、オリジナルを作るときはキャラクターも全部ゼロから作るじゃないですか。何もないところから作っていくことって、原作があるときとはだいぶ違う作業になるし、オリジナルをやらないと使えない“筋肉”みたいなものもありますしね」と話す。
お正月のスペシャルドラマとして、土井さんはTBSの「向田邦子新春ドラマスペシャル」を思い浮かべたという。
「僕がTBSに入る前から、TBSでは『向田邦子新春ドラマスペシャル』を放送していたんです、向田さんが亡くなった後も久世光彦さんらがホームドラマにしてそれを新年に放送していた。僕はそれを毎年見ていて。向田さんの作品は、いわゆる“家族万歳”的なドラマでは全然ないわけです。背景は作品によって違うんですけど、みんなさまざまな秘密や悩みを抱えて生きている。お正月にやるのであれば、家族みんなで気楽に見られるけれど、見た後に何か残るものがあるといいというか。だから僕の中では、お正月にホームドラマをやるというのは、向田さんのドラマシリーズのイメージを自分の中で持っていました」
それを聞いて野木さんは「恐ろしいことを言いますね(笑)。向田ドラマと比べられても……」と恐縮しつつ、「多分ホームドラマって今後、1年後、5年後、10年後も作られるものだと思います。形は変わっていくんだろうけれど。結局、ホームドラマは無くならないと思うし、変遷していく家族像のようなものはいくらでも書けるものではあるので」と語った。
撮影中、キャストのリリー・フランキーさんが「スロウトレイン」について、「この3きょうだいが毎年どうなってるのか見たいから、毎年やればいいのに」って言っていたという。
続編について、土井さんは「何年か先に『スロウトレイン、北へ』とか、そういうのができそう」、野木さんも「『スロウ、スロウトレイン』とか2回言ってみたり」と構想は膨らんでいるようだが……。土井さんは「この作品の反響次第ですね」と期待していた。
*「スロウトレイン」はTVerなどで配信中。
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