薬屋のひとりごと
第36話 華瑞月
3月28日(金)放送分
日本テレビ、BS日テレほかで放送中のテレビアニメ「花は咲く、修羅の如く」。原作は、小説「響け!ユーフォニアム」シリーズで知られる武田綾乃さん、漫画をむっしゅさんが担当している。人口600人の小さな島・十鳴島(となきじま)に住む春山花奈がすももが丘高校放送部に入部し、放送部のメンバーと共に大好きな朗読を深めていく姿を描いている。放送部の2年生を演じる薄頼瑞希役の島袋美由利さん、整井良子役の安野希世乃さん、箱山瀬太郎役の坂泰斗さんに、作品への思い、収録の裏側を聞いた。声を題材とした作品ということもあり、役者として特別な思いがあるようで……。
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ーー声が題材の一つになった作品です。作品の印象は?
安野さん この作品の根源的なものは何だろう?と考えたのですが、一言で表すとしたら「みんな違っていい」なんだと思います。「みんな違って、みんないい」とは言ってないんです。花奈ちゃんたちが目指すNコンには、合否やジャッジがあり、全員一等賞、全員100点とはならないけど、一人一人の好きなものや嫌いなもの、伝えたいこと、抱えている思いはそれぞれ違って、それぞれの表現の形になっていきます。高校生活の中で、先輩後輩の関係が温かく描かれていますが、シビアな面もきちんと描かれている…表現について描いている作品だと思っています。
ーー役者として共感するところもある?
安野さん 日々、オーディションを受けるのですが、合否が絶対にあります。100人いても選ばれるのはたった一人。選び手側が想像する声質や演技とピッタリ一致するほかにも、役者本人の人間性が役柄のコアの部分と根が似ているなど、取っ掛かりにはいろいろな形があると思うのですが、オーディションを受ける一人一人の役者にもそれぞれの切り口や、伝えたい想いがあります。それを形にして表現することを日々考えているので、すごく共感する部分が多い作品です。
坂さん この作品のキャラクターは、勝ちたい。負けたくない、いい読みがしたい、うまくなりたい、居場所がほしいと見事に全員が違うものを求めています。残酷なところも描いています。選ばれる、評価されると必ず優劣がつく世界で、我々もそれは同じです。生まれ持ったものは変えられないし、何か寄せたところで、それはものまねになってしまいます。元々、持っている才能には勝てないんですよ。残酷さを感じるけど、そこに惹かれます。
島袋さん そうですね! ただ、センスだけでも駄目で、そこも描いているんですよね。
坂さん そうそう。
島袋さん 瑞希は多分、良子の目線で見ても、プチ嫉妬みたいな気持ちも抱えちゃうくらいすごい読みができる子なんですよ。圧倒させるような何かを持っています。それまでの人生が反映されているのかもしれないし、感情の大きさなのかもしれません。それこそ天性によるものかもしれないし、理由は分からないのですが、すごい要素を持っています。
ーー共感するキャラクターは?
坂さん 杏ちゃんです。杏ちゃんは自分自身がすごくないと分かって、別の道に舵を切った。僕もすごい人ではないので、すごい人を見ると、まぶしく感じます。杏ちゃんは等身大に近いので、共感します。
島袋さん 序盤の花奈ちゃんです。自分はこれだけをやってきて、これだけが好き。それを否定されると、何にもできなくなる。だからこそ、上を目指していくことが怖いという考えがすごく分かります。そこを経て、良子みたいに、自分の読みを愛してあげられる人になれたらなと思います。良子にも共感します。良子はすごい!
安野さん 私は良子に共感します。良子は「柔らかいマシュマロみたいな声」と評されていますが、きっと柔らかいけど、どちらかといえば平凡寄りの声なんだろうなと。私も、自分の声は普通だなって思うんです。マイク乗りの良い、きらびやかな声ではないですし、これまでずっと私の声は普通なんだからと、役への解像度で挑もうとしてきました。そんな自分と重なるんです。彼女の心情を痛いほど理解できます。地味だけど、愛で勝負する良子にはすごく共感します。
ーー“天性の声”はあるものなのでしょうか?
坂さん あります。それこそ藤寺さん(花奈役の藤寺美徳さん)はすごいです。我々も引っ張られています。
安野さん 美徳ちゃんは空気を変えるものを持っていますよね。本当に花奈ちゃんみたいです。花奈ちゃんの個性と近しくて、我々も圧倒されます。
島袋さん 花奈ちゃんの朗読にハッとさせられるシーンがありますが、美徳ちゃんだからそう感じますし、引き出されるところもあります。柔らかいのに芯があるし、今後、どうなるんだろう……と思いますよね。
坂さん 自然と引き出されるんです。
ーー良子が「マシュマロみたいな声」と言われるように、原作では文字で声が表現されています。それをアニメで表現する難しさもある?
坂さん すごく難しいです。
安野さん 一つの指針にはなりますよね。
坂さん 箱山は「船のエンジン音みたいな声」と表現されています。ただ、高校2年生ですし、そこも考慮して自分なりに噛み砕いています。
島袋さん 瑞希は「こういう声」とは書かれていません。ヒントがあるとしたら、良子ちゃんが言っていた「天才」であること。瑞希はブルドーザーみたいな子で、口調も荒い。私服も基本的にパンツスタイルです。オーディションではボーイッシュなアプローチをする方が多かったのですが、私はそうはしなかったんです。実際の収録では元気なところを強調しました。ナチュラルにやろうとすると、どうしてもほかのキャラクターに負けてしまうので、私のめいっぱいの元気、これ以上出せないくらい出しました。
ーーちなみに島袋さんは放送部出身と聞いたのですが。
坂さん 全国経験者なんですよね。
島袋さん 当時は結構ぼんやりしていたところがあって、好きなところを読んでいただけなんです。
ーー経験者から見て放送部がリアルに描かれている?
島袋さん すごくリアルです。練習もそうですし、いろいろなことを思い出しました。この作品における朗読は、アニメとして調整しているところもあります。リアルすぎると描写が少し地味になってしまうかもしれません。部活のリアルさを表現しつつ、アニメとしての表現を細かく調整していると感じています。
安野さん 瑞希の朗読シーンで、美由利ちゃんは全国経験者としてのリアルな読みをテストでやっていたけれど、「もう少し表現を大きく」というディレクションがきたこともありましたよね。
インタビュー(2)に続く。
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