イグナイト -法の無法者-
Episode1着火させる奴ら
4月18日(金)放送分
俳優の横浜流星さん主演のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(総合、日曜午後8時ほか)に出演する小芝風花さんが話題だ。演じるのは吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する女郎・花の井だ。序盤においてすでに、主人公・蔦屋重三郎(横浜さん)の幼なじみで、“伝説”の花魁となる花の井の粋と艶を体現。以前から演技力に定評があった小芝さんが、本格派への完全脱皮を見せてくれているような気もするが、果たして……? ここでは小芝さんのキャリアを振り返りつつ、その魅力をひもといてみたい。
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2012年の俳優デビュー以来、持ち前の愛らしさで多くの視聴者を魅了してきた小芝さん。その存在が、最初にクローズアップされたのは、2014年3月に公開された映画「魔女の宅急便」だ。角野栄子さんの児童文学を基にした本作で、13歳の魔女見習いの少女・キキを演じ、翌年「第57回ブルーリボン賞」新人賞など受賞した。
このとき小芝さんは17歳。同じ年の10月に始まった波瑠さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「あさが来た」で、ヒロインの長女役に抜てきされると、ドラマには2016年の1月から登場し、“母に反抗的な態度を見せる娘”を熱演。お茶の間をにぎわせた。
そんな小芝さんが、次に大きなインパクトを残したのが、2019年1月期にNHKで放送された連続ドラマ「トクサツガガガ」。小芝さんにとって連ドラ初主演作で、隠れ特撮オタクの主人公の妄想から葛藤、興奮に奮闘ぶりまで体現。一歩間違えれば見ている側が“寒く”感じてしまうようなキャラクターを、愛らしく演じるだけでなく、コメディエンヌとしての才能を一気に開花させた。
同年の小芝さんの活躍は目覚ましく、出世作となった「トクサツガガガ」の後も、「恋と就活のダンパ」(NHK・BSプレミアム)、「ラッパーに噛(か)まれたらラッパーになるドラマ」(テレビ朝日系)、「べしゃり暮らし」(同)、「歪(ゆが)んだ波紋」(NHK・BSプレミアム)とドラマ出演が相次ぎ、12月にはNHKスペシャル「シリーズ 体感 首都直下地震」内ドラマ「パラレル東京」で、女性アナウンサー役にも挑戦。コメディータッチから、シリアスなテイストのものまで、俳優として“ふり幅”を見せた。
2020年以降に目を向ければ、続編や劇場版も制作された「妖怪シェアハウス」(テレビ朝日系、2020年)に始まり、「モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~」(同、2021年)、「彼女はキレイだった」(カンテレ・フジテレビ系、2021年)、「事件は、その周りで起きている」(NHK、2022年)、「波よ聞いてくれ」(テレビ朝日系、2023年)と主演連ドラがずらり(『彼女はキレイだった』は中島健人さんとのダブル主演)。
上記の作品以外にも、単発ドラマや映画で主演を務め、主演ではなかったとしてもヒロインか、それに続く主要な役どころを担うなど、いまの映像界を語る上で欠くことのできない俳優の一人になったことがうかがえる。
中でも「波よ聞いてくれ」では、金髪がトレードマークの“超絶やさぐれ女”に扮(ふん)し、キレのあるマシンガントークを繰り広げる姿が放送時、大きな話題に。当初、小芝さんのパブリックイメージとはかけ離れた役のため、原作ファンなどから「合わないのでは?」と心配する声が少なからず聞こえていたが、ドラマの初回から、そのよどみないせりふ回し、絶妙な「間」で視聴者の心をグッとつかみ、「2024年 エランドール賞」新人賞へとつながった。
「波よ聞いてくれ」以降も、木曜劇場「大奥」(フジテレビ系、2024年)まで、主演含むメインキャストとして4期連続でドラマにレギュラー出演を果たすと、その間に「べらぼう」での大河ドラマ初出演が発表。「GO HOME~警視庁身元不明人相談室~」(日本テレビ系、同)などを経て、現在に至る。
話題となっている「べらぼう」の花の井役だが、特に注目を集めたのが、第2回「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』」(1月12日放送)における平賀源内(安田顕さん)のやりとりだ。源内が口にした「瀬川」が、女形役者の「二代目 瀬川菊之丞」と察した花の井の“機転”が、蔦重(横浜さん)を救ったわけだが、小芝さん自身も、“男一筋”という源内扮(ふん)する、いわば“曲者”の安田さんに引けをとらない演技で、“今宵は源内の“思い人”になってもてなす花の井”としてシーンを盛り上げた。
艶めいた小芝さんの低音ボイスも話題。持ち前の愛らしさが時にぼやかしてしまっていた“演技派”“本格派”としての顔をのぞかせた瞬間だったのではないだろうか。
現在27歳。昨年のインタビューでは「どうしても年齢より下に見られることが多くて。役柄的にも、若く見える役が多いというのもあるのでしょうけど、だからもう少し、ズシッとした重い作品、役もやれるようにはしたいなっていうのは自分の中ではあります。いつまでも『元気いっぱいで、明るい!』というイメージがあるので、役を通してでも、年相応というか、落ち着きだったり、“重さ”だったりを出していけたら」と話していたが、本格派への完全脱皮の“決定打”が、今回の花の井役となる。そんな期待は高まるばかりだ。
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