海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の亀梨和也さんが主演する、6月9日から放送・配信されるWOWOWの「連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』」の昨年10月の撮影初日のリポートが公開された。
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ドラマは東野さんの同名小説(光文社文庫、2002年)が原作。主人公である広告代理店の敏腕プランナー、佐久間駿介が、手掛けていた大型プロジェクトから突然降板させられる。佐久間は、自分を引きずり下ろした大企業の副社長・葛城勝俊(渡部篤郎さん)に一矢報いるため、その娘・樹理(見上愛さん)と共謀して狂言誘拐を企てることから始まるミステリー。順調に滑り出したかに思われた佐久間の“誘拐ゲーム”は、やがて予想外の展開を見せていく。全4話。
亀梨さんと見上さんは昨年10月初旬に同時にクランクイン。2人が、昔ながらの喫茶店で話している第1話のシーンが、2人の初顔合わせの場となった。葛城によってプロジェクトを白紙にされ、プライドをズタズタにされた佐久間が葛城邸にやってくると、娘の樹理が家を抜け出す場面に遭遇。気になった佐久間は樹理に声をかけ、喫茶店へ。そこで樹理から葛城の人物を探るという重要な場面となる。
見上さんが先に店に入って奥の席へ。その少し後に亀梨さんが現れると、2人はお互いに簡単なあいさつを交わし、スタッフの「クランクインです!」という宣言で撮影が始まった。全話の演出を手掛ける鈴木浩介監督から、喫茶店で向かい合って話す2人をどの角度から撮っていくかの説明があり、すぐにテスト撮影へ。樹理はなぜ家を出たのか、その経緯を説明する長めの会話もミスもなくサクサクと進む。前夜遅くまで別作品の撮影に追われていたという亀梨さんだったが、そんなことはみじんも感じさせなかったという。
監督に「この段階では、佐久間はまだ(葛城を陥れるために樹理をどう利用するか)ノープランで話してますよね」と確認する亀梨さんに対し、「そう、だから準備している感じは出さないほうがいい」と鈴木監督。「明確な準備はしていないけど、佐久間の中ではすでにいろんな計算が始まっている感じかな」というアドバイスに、亀梨さんも同意し、撮影が再開。
セットチェンジになるとクールだった亀梨さんの雰囲気は一転。唐突に「あかりをつけましょぼんぼりに~」と童謡「うれしいひなまつり」を口ずさみながら、外の空気を吸いに出て行く。初日の緊張感が漂う現場で、絶妙に肩の力が抜けた座長の姿に引っ張られ、見上さんも自然と笑みがもれた。
とあるホテルに移動し、佐久間と樹理の“誘拐ゲーム”が動き出す序盤の重要シーンの撮影へ。家に帰りたくないという樹理を宿泊させるため、ホテルにチェックインをして部屋まで連れて行く一連のシーンを、亀梨さんシャープにこなしていく。「スン! といかないといけないからね。こうスッと流れるようにやらないと(笑い)」と、亀梨さんはことあるごとに場を和ませていたという。
続いて部屋の中でのシーンでは、樹理に「冷たいシャワーでも浴びてこい」と言い放つせりふを「浴びろ」と修正するなど、言葉尻まで探っていく姿に、亀梨さんの役作りへのこだわりが感じられる。ひねくれた面もありながらも、お嬢様らしい天真爛漫(てんしんらんまん)さを醸し出す樹理と、冷静で頭の回転が早く、スキがない佐久間の対比が表現されたシーンに仕上がった。
現場入りの時には、初日ならではの緊張感があるかのように見えた亀梨さんだったが、いくつもの大事なシーンを撮り終えた頃には「ゲーム、始まっちゃったね(笑い)」と自然な笑みを見せるようになっていたという。
亀梨さんのWOWOW連続ドラマへの出演は2022年の「連続ドラマW 正体」以来約2年ぶり2度目、東野圭吾さん原作の作品への出演は2018年のドラマスペシャル「東野圭吾 手紙」(テレビ東京)以来約5年半ぶり2度目となる。「連続ドラマW 正体」はNetflixで「TV番組TOP10(国内)」初登場1位を記録、また出演中の連続ドラマ「Destiny」(テレビ朝日系)も話題の亀梨さんが“誘拐犯”として新たな面を見せる。
「連続ドラマW 東野圭吾『ゲームの名は誘拐』」は、6月9日午後10時からWOWOWプライム、WOWOW4K、WOWOWオンデマンドで放送・配信される。第1話は無料放送。全4話。
とにかく慌ただしい感じで入りました。昨日も夜中の1時まで別の作品を撮っていて、朝6時起きで現場に来たんです。(別作品の)クランクアップから本作のクランクインまで数時間という感じで、その間に髪を切って整えて準備をしてね。ひと息つく暇もなく、ずーっと全力で走り続けて、ここまで来たという印象です。
初めてお会いするので、写真やプロフィルを拝見して予習をしてきたんです。実際にお会いしたら、とても物腰が柔らかく、独特の空気をまとっている方でした。年齢はかなり離れていますが(亀梨さんは38歳、見上さんは23歳)気さくで話しやすく、誘拐ゲームを巡るバディーという関係性として、初日から生きた芝居ができたと思う。お芝居をする上での駆け引きも楽しくやっていけそうだと感じました。佐久間のキャラクターには固い部分があるので、その固さの中に生っぽさというか、あえて“へぇ~”とか“フッ”という余白のようなものを入れているんです。せりふも全体的に固い感じのものが多いので。見上さんは僕のそういったお芝居もちゃんと表情で受け取ってリアクションをくれるのでやりやすいですね。
基本的にすごく真面目でプライドが高い。合理的な人物だけど、それは世の中に対してというより、自分の生き方として合理的であろうとしているなと思います。とにかくプライドが高いゆえに、人とのコミュニケーション、要するに“人当たり”的なところでうまくいかないところがある。彼のそういった、一般的にはあまり共感されないような部分も、大事に演じていきたいと思っています。
このレポートが世に出ている頃には撮影は終わっていますが、現時点の僕は撮影に入ったばかり。手探りな部分もあるだけに、これからどんな芝居ができるのか楽しみにしています。毎話、新しい衝撃があると思うので、作品の画(え)から出てくる情報を存分に受け取ってもらえたら、きっと最終回の楽しさがより一層増すと思います。ぜひ、最後まで楽しんでください。
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