福原遥さん主演のNHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「舞いあがれ！」（総合、月～土曜午前8時ほか）。2月20日放送の第97回で、舞（福原さん）と貴司（赤楚衛二さん）が結婚した。舞が幼少期に一時期過ごした長崎・五島列島の知り合いや「なにわバードマン」の由良先輩（吉谷彩子さん）、航空学校時代の同期・矢野倫子（山崎紘菜さん）らもパーティーに駆けつけ、現場は祝福ムードに包まれたという。同作の制作統括・熊野律時（くまの・のりとき）さんは「2人が本当に輝いて見えた」と語る。パーティー後も含めて、結婚を巡る場面の舞台裏を熊野さんのコメントとともに振り返る。

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　◇告白から即結婚　テンポのいい展開

　結婚式の舞の姿について、熊野さんは「神々しいくらいのすてきなウエディングドレス姿」だったと表現する。

　福原さん自身も「めちゃくちゃうれしそうでした」といい、パーティーのシーンは「たくさんの人が集まって撮影しているので、どうしても時間がかかってしまうんですが、スタッフも含めてキャストや周りの皆さんが『本当に良かったね』と、撮影現場が幸福感に包まれた」と撮影の雰囲気を語る。

　「みんな心の底から祝福しているという感じが、撮っている間も流れていて」幸せなムードが画面を通しても伝わるシーンになった。

　2月17日放送の第96回で互いに思いを伝え合い、次の第97回で結婚、しかも翌日からは仕事に向き合う新婚の2人。テンポのよい展開だが、熊野さんは「お互いの気持ちが通い合ったということであれば、新しいステージの2人を華やかにしっかり見せたい。大きな節目を迎えた2人を月曜にしっかり描いて、みんなでお祝いするところに集約させた。ここからまた舞の物語の新しいステージ始まっていくんだというふうに見ていただければ」と語る。

　◇周囲の人々の近況も明らかに　今後の進展は？

　パーティーに出席した由良先輩は米アリゾナでパイロットをしているといい、「セスナ機でグランドキャニオン飛んでます」と笑顔で明かした。

　倫子は薬指に指輪をしており、「フィアンセがフランス人なんです。同僚のパイロットで」と答えた。

　そのほか、両思いになった五島の一太（若林元太さん）と百貨店で働く百花（尾本祐菜さん）はもちろん、IWAKURAの“嫌みな社員”だった山田（大浦千佳さん）と営業の藤沢（榎田貴斗さん）、久留美の父、佳晴（松尾諭さん）とラグビーカフェ「ノーサイド」の津田（たくませいこさん）もいい雰囲気になっていた。パーティーを抜け出した悠人（横山裕さん）と久留美（山下美月さん）も公園で2人きりで語り合う場面があった。

　由良先輩だけ“おひとりさま”のようだが……。熊野さんは「必ずしもみんなが結婚しなくてはいけないということもないでしょうし、パートナーとしてもいろいろな在り方があるでしょう。（脚本の）桑原（亮子）さんともやりとりしながら、どれが正しい、どれが幸せとは決めつけないようにしたいと思っています」とキャラクターに合わせた自然な流れを心がけたという。

　今後の進展については、「いろんな人が仲良くなって、新しい感じのつながりができたり、関係性が深まったりすることは、それぞれのキャラクターに応じた展開がありますので、楽しみにしていただければと思います」と含みを持たせた。

　◇パーティー後のめぐみとばんば「これまで頑張ってやってきた」と感慨

　パーティーの後、自宅に戻っためぐみ（永作博美さん）と祥子（高畑淳子さん）は、ほっとした様子で杯を酌み交わした。そのとき、めぐみは込み上げてくるものがあったのか、目に涙を浮かべながら、言葉少なに「うん、あっがとう」とかみ締めるように言い、天を仰いだり、顔を覆ったりして、感情の高ぶりをやり過ごそうとした。それを見ていた祥子も感極まった様子でめぐみを見つめた。

　このシーンについて、SNSでは「めぐみさんとばんば、言葉がなくても伝わる演技力。涙ボロボロでしたよ」「めぐみさんの涙、もらい泣きしました」と視聴者の感動を呼んだ。

　撮影の様子について、熊野さんは「ちょっとした仕草だったり、お酒をついだりする間合いなどは（現場での）お芝居の中で出てきたところだと思います。祥子とめぐみという母と娘も節目を迎えたという感慨を、しみじみと味わいながらお二人とも演じていただいていたようです」と明かす。

　そして「短いシーンですけれど、気持ちが温かくなる。祥子もめぐみも旦那さんが亡くなるということも含めて、さまざまな経験をして、舞の結婚という節目を迎えて、これまで頑張ってやってきたなとお互いに感じ合った。とても温かい母と娘のシーンだな、素晴らしいお芝居だなと思いました」と感じ入っていた。

　27日から始まる第22週では、オープンファクトリーを成功させた舞が、東大阪の町工場をつなげる新たなステップを踏み出す様子が描かれる。結婚してさらに舞い上がる舞の物語をこれからも見つめていきたい。