解説:来年大河は乃木坂46井上和 戦国時代のキーパーソン茶々(淀殿)演じた俳優列伝 共通点は美貌と存在感?

2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で茶々を演じる乃木坂46の井上和さん
1 / 1
2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で茶々を演じる乃木坂46の井上和さん

 2026年のNHK大河ドラマ豊臣兄弟!」で、浅井三姉妹の長女・茶々を、アイドルグループ「乃木坂46」の井上和さんが演じることが発表され、話題になっている。茶々といえば、後に天下人・豊臣秀吉の側室となり「淀殿」と呼ばれる戦国時代のキーパーソンの一人で、これまでの大河ドラマでもあまたの俳優が演じてきた。井上さんが「淀殿」と呼ばれるまでの時代を演じるかは現時点では分からないが、ここでは豊臣家に焦点を当てたこれまでの大河ドラマを中心に、淀殿を演じた俳優を振り返ってみたい。

あなたにオススメ

 ◇大河ドラマ初代淀殿は三田佳子 「江」では芦田愛菜が幼少期を

 大河ドラマの歴史で、一番最初に淀殿が登場するのは1965年の第3作「太閤記」で、演じたのは三田佳子さん。後に、第24作「いのち」(1986年)と第33作「花の乱」(1994年)と2度主演を務める三田さんの“大河デビュー作”だった。同作は緒形拳さんが秀吉を演じた作品で、当時若手だった緒形さんや高橋幸治さん、石坂浩二さんが出演しているなど、今となっては“超豪華”な顔ぶれがそろった作品となっている。

 秀吉の正室・ねね(北政所)の視点で描かれた1981年の第19作「おんな太閤記」で、淀殿を演じたのは、池上季実子さんだった。同作は、主人公・ねねを佐久間良子さん、秀吉を西田敏行さんが演じた。ラストでは、ねねが豊臣家を生き残らせるため、淀殿に徳川家康(フランキー堺さん)の条件を受けるよう説得するが、淀殿は服従ではなく滅びの道を選び、ねねが秀吉と共に築いた豊臣家が滅びるシーンが印象的だった。

 竹中直人さんが秀吉を好演して話題となった1996年の第35作「秀吉」では、松たか子さんが淀殿を演じていた。松さんは「花の乱」(1994年)以来、2度目の大河ドラマ出演で、当時10代ながらも終盤のキーパーソンを演じきった。

 浅井三姉妹の末っ子・江(上野樹里さん)が主人公の2011年の第50作「江〜姫たちの戦国〜」では、当時子役の芦田愛菜さんが茶々の幼少期を、宮沢りえさんが成長した茶々と淀殿を演じた。妹思いで物静かだが、母・市(鈴木保奈美さん)に似た気性の激しさを内に秘め、終盤では徳川家に嫁いだ江と敵対する展開だった。

 ◇「どうする家康」でヒール的ポジション担った北川景子“茶々”

 直近では、2年前の第62作「どうする家康」(2023年)で、子役の白鳥玉季さんが茶々の少女時代を、そして北川景子さんが成長した茶々と淀殿を演じた。北川さんは今作にお市役でも出演しており、母と娘の一人二役が話題となった。母の仇(かたき)である秀吉(ムロツヨシさん)に嫁ぎ、秀吉死後は、自ら乱世を御する野心に目覚め、主人公の家康(松本潤さん)に立ちはだかるヒール的ポジションを担った。

 そのほか過去の大河ドラマを振り返ると、「春の坂道」(1971年)では岸田今日子さん、「黄金の日日」(1978年)では藤村志保さん、「徳川家康」(1983年)では夏目雅子さん、「独眼竜政宗」(1987年)では樋口可南子さん、「春日局」(1989年)では喜多嶋舞さんと大空真弓さん、「葵 徳川三代」(2000年)では小川真由美さん、「利家とまつ~加賀百万石物語~」(2003年)では瀬戸朝香さん、「功名が辻」(2007年)では永作博美さん、「天地人」(2009年)では深田恭子さん、「軍師官兵衛」(2014年)では二階堂ふみさん、「真田丸」(2016年)では竹内結子さんと、そうそうたる面々が演じてきた。

 戦国時代を代表する英傑・織田信長の姪(めい)であり、父は知勇に優れた名称といわれる浅井長政、そして母・お市ゆずりの美貌の持ち主だったといわれる茶々(淀殿)だが、演じてきた俳優の多くが、美貌と存在感を兼ね備えていたと言えるのではないだろうか。

 「豊臣兄弟!」で茶々を演じる井上さんは2022年、乃木坂46に競争倍率約7987倍という日本のグループアイドル史上最多倍率となったオーディションで選出され、加入。表題曲でもセンターも務めるグループの“次世代エース”だ。

 演技経験はまだ少ないが、「豊臣兄弟!」では1600人以上の応募者の中からオーディションで選ばれたという。高橋優香子プロデューサーは「年齢以上の落ち着きと妖艶さを見せてくれた」とキャスティングの理由を話していたが、どのような演技を見せてくれるのか、楽しみにしたい。

テレビ 最新記事