赤楚衛二:「舞いあがれ!」で幼なじみの貴司役 現場の居心地が良すぎて「ずっと大阪にいたい!」

NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」に梅津貴司役で出演する赤楚衛二さん=NHK提供
1 / 1
NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」に梅津貴司役で出演する赤楚衛二さん=NHK提供

 俳優の赤楚衛二さんが、女優の福原遥さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「舞いあがれ!」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、ヒロイン岩倉舞(福原さん)と同い年の幼なじみ、梅津貴司役で出演している。朝ドラ初出演となる今作について、また、気が優しくて、繊細で、舞にとって“心のオアシス”のような癒やしの存在となる貴司について、赤楚さんに聞いた。

ウナギノボリ

 ◇朝ドラは「あまちゃん」が「どんぴしゃ」 学校や家で「じぇじぇじぇ」

 赤楚さん演じる貴司は、舞の東大阪の自宅の“お隣さん”で、お好み焼き屋「うめづ」の息子。幼いころに八木巌(又吉直樹さん)が営む古本屋「デラシネ」で詩と出合い、言葉を紡ぎ出すことに興味を持つ。

 赤楚さんは朝ドラ初出演。出演が決まったときは「めちゃくちゃうれしかったですね。朝ドラは僕も学生時代、通学前に必ず見ていたので。老若男女問わず見られる作品に携わることができるのは本当にうれしかったです」と改めて喜びを語る。現在28歳の赤楚さんにとって、朝ドラは「あまちゃん」(2013年前期)が「どんぴしゃだった」といい、「学校でも、家でも『じぇじぇじぇ』って言ってました。見ていた当時、(登場人物と)年齢も近かったので」と明かす。

 東大阪で生まれ育った貴司役と聞き、関西弁を話す役は初めてだったものの、「僕は生まれが大阪府で(育ちは愛知県)、両親も関西人なので、関西の血を引くからには、『関西弁へたやな』と言われたくないなと思いつつ、でも全然しゃべれなかったので、いっぱい関西弁を聞いて、ひたすら頑張りました。微妙なイントネーションの半音上がったり、下がったりは難しかしかったですね」と語る。

 朝ドラは毎週月曜にその週に撮影するシーンのリハーサルをするのが慣習だ。赤楚さんは、「月曜にリハーサルをやることで、せりふを前々から入れられたり、準備できる時間が長くなり、すごくありがたい環境だなと思います」といい、役作りをじっくりできて「リハーサルの段階で話し合ったりするため、事前に共演者や監督らと共通認識を構築していけるというのは本当に魅力的です」と話す。

 ◇今作の一番の目標は「関西弁でアドリブに参加すること」

 演じる貴司は幼いころに詩と出合い、言葉を紡ぎ出すことに興味を持つ繊細な性格だ。赤楚さんは「なんとなく生きづらさを感じてしまうところは理解できます。詩に出合って、自分の気持ちにしっくりくる言葉を探したりというのは、すごく分かるなと思いました」と理解を示す。貴司は高校卒業後、社会人になり、「ありきたりな普通というものに戸惑いを感じながらも、会社勤めをしているような感じですね。そこから自分が本当に何をしたいのかというところにつながっていく」という。

 そんな貴司に大きな影響を与える古本屋「デラシネ」の店主を演じる又吉さんに対しては、「言葉に説得力があるので、ずっと聞いていられるという印象を受けました。作家さんというのが大きいんじゃないですかね」といい、「古本屋のあの空間は貴司にとって、すごく大事なものなので、ワンシーン、ワンシーンをかみしめながらやらせていただきました」と語る。

 又吉さんとの最初の共演シーンは「2、3シーンぐらいで。1日で撮影が終わってしまったので、そんなに(カメラが回っていないところで)話す機会がなかった」といい、また共演する機会があれば、「又吉さんの昔話を聞いてみたいですね。あと本を書かれているので、どういう観点で物語が生まれるんだろうと聞いてみたいです」と目を輝かせる。

 お好み屋「うめづ」を営む父・勝(山口智充さん)と母・雪乃(くわばたりえさん)との場面では、「すきあらばアドリブだらけで。僕も乗っかりたいと思いながらも関西弁のイントネーションに悩んでしまったりして、入りたかったとけれど、入れないと後悔がありつつ……。『うめづ』のシーンは2人がムードメーカーとして面白い空気を作ってくれるので、あの2人ならではのシーンになっています。夫婦のシーンもすてきですが、(貴司も含めて)家族として見ると、いいファミリーだなと思います」と楽しそうに語る。

 そして、「このドラマでの一番の目標は、関西弁でアドリブに参加でき、バチバチに両親と話せるようになりたいということです」と力強く語った、

 ◇ヒロインの福原遥は「太陽みたいな存在」

 舞と貴司、望月久留美(山下美月さん)の幼なじみ3人は、今後「それぞれの悩みは3人で話したり、切磋琢磨(せっさたくま)というか、鼓舞しながら一緒に成長していくような形になるのかなと思います」という。

 ヒロインの福原さんに対しては「めちゃめちゃ柔らかい空気感で、現場がすごく居心地が良くて。ずっと大阪にいたいと思うくらいです。福原さんが持っている空気感や、周りへの配慮の仕方も含め、本当に太陽みたいな存在だなと思います」と絶賛する。

 貴司は舞の心のオアシス的な存在だが、「赤楚さん自身の心のオアシスは?」と聞かれると、「大阪の街もそうですし、この作品の現場もそうですし、キャスト、スタッフの皆さんも全員オアシス。だから僕、ずっと大阪にいたいです」と撮影を心の底から楽しんでいる様子が伝わってきた。

 赤楚さん演じる貴司が、今後どのように舞や久留美と関わり、成長していくのか、今後の「舞いあがれ!」からますます目が離せない。

 ドラマは“ものづくりの町”として知られる東大阪と、自然豊かな長崎・五島列島が舞台。さまざまな人との絆を育みながら、「空」に憧れるヒロインが「飛ぶ」夢に向かっていく、挫折と再生の物語だ。同局の土曜ドラマとして2020年1月に放送された「心の傷を癒すということ」などで知られる桑原亮子さんのオリジナルで、共同脚本として、嶋田うれ葉さん、佃良太さんもチームに加わる。

テレビ 最新記事

MAiDiGiTV 動画