中村アン:演技が「難しいから楽しいに変わってきた」 香川照之主演作で監督集団・5月から刺激

「連続ドラマW 災」に出演する中村アンさん
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「連続ドラマW 災」に出演する中村アンさん

 俳優の香川照之さんが主演を務める「連続ドラマW 災(さい)」が、4月6日からWOWOWで放送・配信される。香川さん演じる人に“災い”をもたらす“ある男”を追う、神奈川県警捜査一課の刑事・堂本翠役を演じるのが、俳優の中村アンさん。共感できたという堂本の役作りのほか、俳優本格デビューから10年、活躍し続ける現在と未来について聞いた。

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 ◇監督2人体制で得た気づき

 完全オリジナルの本作は 、葛藤を抱えながら現代を生きる罪なき6人の登場人物のもとに、香川さん演じる“男”が姿や口調、顔つきに性格や所作まで変えて、別人となって現れ、ある“災い”が無慈悲に降りかかる様を描く。香川さんが6役を演じ分け、監督・脚本・編集を「5月」の関友太郎さんと平瀬謙太朗さんが務める。

 今作への出演について、中村さんは「5月のお二人とのものづくり」と「香川さんとの共演」が大きかったという。

 「監督が2人現場にいるということが初めての体験でしたし、脚本を書かれて現場でも演出をしてという取り組みがとても興味深かったです。私自身もものづくりに関わりたいという思いもありましたし、香川さんと再会できることもあって『ぜひ参加したい!』という感じでした」

 そんな5月の初タッグとなった現場を、中村さんは「実際お二人が(脚本を)書かれているので、現場でお互いに感じた思いなどを直接やりとりできて、疑問がなく進んでいくのが楽しかったです」と振り返る。

 演出面に関しても、違う方向からの意見が二つあったことに刺激を受けたと話す。

 「刑事とはこうだみたいな勝手な思い込みがあったのですが、迷ったときにヒントをくださる監督がお二人いることで自分の中に選択肢が増え、『これはこれでもいいのか』『ここでそんなに早く立ち上がって動かなくてもいいんだな』といった気づきが多くありました。あと自分の芝居の癖も自然に正してもらいつつ導いてくださいました」

 主演の香川さんとはドラマ「日本沈没-希望のひと-」(TBS系)以来の共演となるが、中村さんは「再会できたことがうれしい」と喜び、「香川さんのたたずまいが役にぴったりと合っていて、そのお芝居も本当にすごかったです」と敬意と親しみを込めた表現で演技を絶賛する。

 ◇共感できる部分が多く「愛することができた役」

 今作で演じている堂本翠役について、監督2人のイメージが中村さんに合致していたといい、中村さんは「監督のお二人が、私のモノクロで撮ったすっぴんの写真を見て、『堂本という役にぴったりだった。そういうテンションで、けだるく、性別を感じさせないくらい仕事に没頭する堂本を見たい』と言ってくださったんです」と明かす。

 監督2人と対面した際も「中村さんの今の感じのトーンでやっていただけたら」など具体的なイメージを伝えられたことで、中村さんは役作りがしやくなり、「入り口が入りやすくて、私自身もこれでいいんだ、この感じでいいんだと納得して合わせることができ、すごくナチュラルに取り組めました」と感謝する。

 堂本は「真相究明のためには些細な可能性まで調べずにはいられない仕事中毒者」というキャラクターだが、中村さんは「堂本は執着がすごくて理由探しばかりしている。周りには引かれていますが仕事が大好き。そこは私も共感できます」と印象を口にする。

 「私も理由は知りたい方で、いつも『なんで?』がすぐ頭に浮かんできちゃいます(笑)。だから共感しかなかった。私も仕事さえ充実していればいいなと思って駆け抜けてきた時期があったので、(堂本役は)あまり無理なくやらせていただけた感じがします。愛することができた役でした」

 ◇尽きない芝居への意欲と新たな挑戦への願望も

 仕事への没頭の仕方が役との共通点とした中村さんだが、現在の仕事の距離感を聞くと「30代後半になってきて、自分自身の人生も少しずつ考えながら前に進むことも大事だと思うようになりました」と変化を語る。

 「もちろん仕事は大好き。ただ仕事をしてないときの自分も大切だなと。適度なバランスというかメリハリがあった方が、より芝居が好きになれる気がしています」

 俳優として常にチャレンジを続けているが、自身の性格を「常に新しい刺激がほしいというのはあるかもしれないです(笑)作品によって役柄は何かしらは変わる。この職業は同じことを繰り返さないというところで、それが好きなようです」と分析する。

 2015年に放送されたドラマ「5→9~私に恋したお坊さん~」(フジテレビ系)で本格的に俳優業に進出後、数多くの作品に出演するなど活躍を続けている現状については、「想像してはいなかった」と口にする。

 「『5→9』当時はお芝居を始めたばかりだったので芝居どうこうではなかった。そんな『芝居って何だ』みたいなところから、少しずつやっと『芝居って楽しいものだな』と感じ始めたのが、ここ2~ 3年ぐらい。しがみつきながらも、楽しさを味わえてきたのはあるかもしれないです」

 そんな中村さんに次なる“一歩”はと質問すると、俳優業への熱い思いと新たなチャレンジ意欲を話してくれた。

 「役をいただけるタイミングは自分で選べるものではありませんが、『この役をやってみたい』『今後こういうことに挑戦したい』と、自分の意志を伝えることはできます。私は目の前にあるお仕事をひとつひとつ丁寧に積み重ねていくのが好きです。これからは芝居だけにこだわらず、自分を成長させるために、興味を持ったことにはどんどん挑戦していきたいと思ってます」

 「連続ドラマW 災」は4月6日スタート。日曜午後10時からWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで放送・配信。全6話で第1話は無料放送。また、第1話をWOWOWオンデマンドとYouTube・WOWOWオフィシャルチャンネルで先行無料配信中。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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