尾美としのり:「べらぼう」“尾美としのりを探せ”SNS反響は想定外 台本1行未満の出番も、扮装に2時間「大変です」

平沢常富(朋誠堂喜三二)を演じる尾美としのりさん (C)NHK
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平沢常富(朋誠堂喜三二)を演じる尾美としのりさん (C)NHK

 横浜流星さん主演のNHK大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(総合、日曜午後8時ほか)で、平沢常富(朋誠堂喜三二)を演じる俳優の尾美としのりさん。毎回オープニングのタイトルバックに名前はあるものの、目を凝らしていないと見逃してしまう登場の仕方が話題となり、SNS上では“尾美としのりを探せ”とばかりに、その姿を見つけて報告することがいつしか視聴者の習慣に。こんな反響があるとは「思っていなくて」と、“想定外”だったと明かす尾美さんに「べらぼう」出演について語ってもらった。

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 「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は64作目の大河ドラマで、日本のメディア産業やポップカルチャーの礎を築いたとされる蔦屋重三郎(略して“蔦重”)の生涯を描く。脚本は一昨年、NHKで放送され、大きな話題となった「ドラマ10『大奥』」などで知られる森下佳子さんが手掛けている。

 尾美さん演じる平沢常富(朋誠堂喜三二)は、秋田佐竹家・留守居役(いまでいう外交官)を務める。役職柄、情報交換の場として吉原に出入りすることが多く、「宝暦の色男」の異名をもつ。

 一方で、奇想天外な大人の童話、歌舞伎の筋書きをもじったパロディーなど洒落、滑稽、ナンセンスを盛り込んだ戯作を数多く発表し、また手柄岡持(てがらのおかもち)という名で狂歌も発表。流行作家として一時代を築く。のちに蔦重(横浜さん)にとって最高かつ最大の協力者となる戯作者。

 尾美さんにとって平沢は「演じていて、どんどんと楽しくなってしまう」役でもあるとか。

 「すごくインテリなんだと思うんですよね。仕事もできるし、洒落ていて、趣味も目いっぱい楽しんでいる。すごく充実した方、楽しんで生きている人、と思いながら演じさせていただいています」

 第12回で主人公の蔦重と本格的に知り合うまでは、物語の中では“通りすがり”となっていた平沢。尾美さんは「台本では1行にも満たない、『大門を通っていく平沢』と書いてあるのを見て、すごくうれしくなった」と話す。

 「脚本の森下(佳子)さん、制作統括の藤並(英樹)さんとチーフ演出の大原(拓)さんには『こんな出し方をしていただいて、ありがとうございます』と思うくらい。やっぱり大河ドラマに出ると親戚や近しい人は喜ぶんですね、『尾美さん出るの? 見る見る』と言ってくださいますし。オープニングで名前は出ているのに、親戚や近しい人間でも『探す』というのは面白いなって」

 現場では「吉原にいつも出入りをしている人」ということだけが伝わればいいと演じてきた平沢役。だからこそ、SNSでの反響は驚きを伴った。

 「こんなにSNSで騒がれるとは思っていなくて。毎回ちょっとした騒ぎになるのはプレッシャーですね。出番が増えて、『なんだよ、つまらないな。探すくらいがちょうどいいや』となったら悲しいので」

 どんなに出番は短くても、決まって「扮装には2時間かかるんで大変です」とも話す尾美さん。撮られているかどうかも分からない中でも、いわく「ちょこちょことした芝居」を繰り広げてきたという。

 「もう“探せ”は終わったとがっかりしないでほしい。本当に楽しくやっているので」

 この先もまだまだ視聴者を楽しませてくれそうだ。

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