酒向芳:「クジャクのダンス、誰が見た?」力郎の手紙で新事実が明らかに 「私の中にある力郎の部分を引き出せたと思っている」

連続ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」に出演する酒向芳さん (C)TBSスパークル/TBS
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連続ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」に出演する酒向芳さん (C)TBSスパークル/TBS

 広瀬すずさん主演の連続ドラマ「クジャクのダンス、誰が見た?」(TBS系、金曜午後10時)に出演する酒向芳さん。東賀山事件の裁判の被告として死刑判決を受け、現在も服役中の死刑囚、遠藤力郎を演じている。3月21日放送の第9話では、息子・遠藤友哉(成田凌さん)の幼なじみで、記者の神井孝(磯村勇斗さん)が受け取ったという力郎の手紙で新たな事実が明らかとなった。酒向さんに、撮影で印象に残っていることを聞いた。

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 --植木職人として真面目に働いていた力郎は、妻が出て行った後、ギャンブルや酒におぼれていきました。どのように演じようと思いましたか。

 私自身、ギャンブルはやりません。ですが、俳優という仕事はギャンブルのようなものかもしれません。いつ芽が出るか、いつ呼ばれなくなるか分からないですからね。その中で、さまざまな役と出会えることは「褒章」だと思っています。そう考えると、毎回同じ役ではなく、新たな役を演じられる私は幸せ者なのかもしれません。今回演じた力郎は監督たちの考えを聞いて、自分の中で落とし込みながら、毎シーン挑んでいます。

 --力郎にとって、息子の友哉はどんな存在ですか。

 「この子のためなら」と思ってしまうくらい、大事な存在だと思います。ありきたりな言葉にはなってしまいますが、目に入れても痛くないほどでしょうね。私自身も子どもを持つ親なので、少し重ねてしまい、切ない気持ちになったこともあります。

 第2話では、友哉がパチンコ店でパチンコ玉を拾うシーンや、奥さんと友哉と3人で並んで寝ているシーンがありました。そして、力郎が手錠をかけられ、連行されるときの友哉の顔が、とても印象に残っています。

 --屋台ラーメン店の店主・染田進を演じた酒井敏也さんと、この作品がきっかけで同郷であることが分かったそうですね。

 酒井さんとは今回が初共演でした。高校の教師をしている私の同級生から「お前と同じ作品に出ている酒井って、お前の後輩やぞ」と言われて驚きました。調べてみると、同じ岐阜県出身で、しかも私と同じ高校の窯業科に通っていた1学年下の後輩だと分かったんです。びっくりしましたね。そのご縁もあって、一緒に食事に行きました。

 --酒向さんは本作はもちろん、昨年の10月期に放送された日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」(TBS系)でも視聴者の印象に残る役柄を演じられていましたが、演じる際に意識していることはありますか。

 自分の爪痕を残そうと思って取り組んでいるわけではないので、特に意識していることはありません。台本に書かれていること、そのシーンでの自分の役割を全うすることを大切にしています。SNSは一切見ていないので、本作でも監督から「犯人考察が盛り上がっている」と聞いても、最初は何の話なのか分からなかったくらいです(笑)。

 --「信じること」が本作のテーマですが、酒向さんが何かを信じるときに大切にしていることは?

 自分を信じないことには、人を信じることはできないと思います。自分を信じた上で相手を選ばないと、どこかで裏切られるかもしれませんからね。

 人のことは簡単には分からないものですが、まずは相手の目を見ることが大事だと思います。目を見ると、その人がこれまでどんな生活をしてきたのか、なんとなく分かるんですよ。超能力があるわけではないですが、それまで生きてきた軌跡のようなものが見える気がします。これは、年齢を重ねる中で分かってきたことですね。

 --若い頃から自分を信じることができたのでしょうか。

 信じられなかったですね。自分が分からなければ、自分を信じることはできません。自分がどういう人間なのかを理解したときに、初めて自分を信じることができるのではないでしょうか。

 --最後に、本作の見どころを教えてください。

 演者側も犯人を知らずに撮影が進んでいったのは、珍しいのではないでしょうか。私の中にある力郎の部分を引き出せたと思っているので、見てくださる皆さんに「この人、気持ち悪いな」と思ってもらえたらいいのかなと思います(笑)。最後までお楽しみください。

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