小芝風花:すれ違う蔦重の目が「見られなかった」ワケ 吉原を去る瀬川の思いに共鳴? 「べらぼう」“最後の道中”語る

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第10回で瀬川を演じる小芝風花さん (C)NHK
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大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」第10回で瀬川を演じる小芝風花さん (C)NHK

 横浜流星さん主演の大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(NHK総合、日曜午後8時ほか)で、花の井(五代目瀬川)を演じ、話題の小芝風花さん。花の井は、主人公の蔦屋重三郎(横浜さん)の幼なじみで、伝説の花魁の名跡“瀬川”を継いだ。3月9日放送の第10回「『青楼美人』の見る夢は」では、瀬川として身請けが決まり、蔦重とは思い合いながらも、その気持ちを断ち切り、鳥山検校(市原隼人さん)の妻となるため、吉原を去る姿が描かれた。小芝さんが印象的だったという“最後の道中”を振り返った。

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 小芝さんは花の井として、第1回「ありがた山の寒がらす」(1月5日放送)から登場。花の井は、吉原の老舗女郎屋・松葉屋を代表する花魁で、幼いころに親に売られ、蔦屋重三郎と共に吉原で育った。

 蔦重との関係は何でも話せる良き相談相手。助け合いながら、吉原の再興に尽力すると、蔦重が作る吉原細見がより売れるようになるため、自ら希望し、長らく途絶えていた伝説の花魁の名跡を継ぎ、五代目瀬川となる。

 五代目瀬川は、史実に残る“名妓”として知られ、1400両で落籍された出来事やその後の悲運な人生が戯作などで語り継がれることとなる“伝説”の花魁だ。

 蔦重との関係は、幼なじみ、良き相談相手にはとどまらず、共に思い合っていたことが、第9回「玉菊燈籠(たまぎくどうろう)恋の地獄」(3月2日放送)で分かるも、瀬川としての務めと向き合い、同回の最後、鳥山検校(市原隼人さん)からの身請け話を受け入れることに。

 年季前に吉原から出られる身請けは、多くの花魁にとっての夢、希望。だからこそ、松葉屋の女将のいね(水野美紀さん)は、瀬川にその務めを果たすようにと諭した。だが、瀬川にとっては、蔦重との別れを意味する。小芝さんは瀬川“最後の道中”で、その思いに共鳴してしまったのか、大門をくぐる直前、すれ違う蔦重の目が「見られなかった」と明かす。

 「身請けされて、堂々と(吉原)大門を出ていくって、花魁にとって数少ない希望なのですが、瀬川の場合、もう“お勤め”をしなくてよくなる解放感もあることはあるのですが、ここを出たら、蔦重と二度と会えないっていう、すごく複雑なもの。本来はうれしいはずが、お別れの道中になる。すごく苦しかったです」

 「おさらばえ」と言って、吉原を去った瀬川。蔦重とすれ違うときに最初は目を合わせていたものの、目を合わせてしまうと「門を出ていけなくなりそうだった」とその場で決めて、目を見ることをやめた小芝さん。

 「大門を最後に見たときも、ここから出られる、という(うれしさ)より、ここを出たら、蔦重への思いにふたをして検校の妻として生きていくんだって(自分に言い聞かせるような)複雑な思いでいっぱいでした」

 蔦重とのことは思い出として胸に閉じ込める、その選択を通じて、改めて小芝さんは、瀬川という人間をどう感じたのか。

 「瀬川は自分の幸せよりも人の幸せを願える人。自分がどれだけしんどくてもつらくても、望みがかなわなくても、蔦重が思い描いた世界になるため、最後まで尽くせる人でもあるので、蔦重の無邪気さや真っすぐさを見ていたいし、守りたいと、“粋に生きた人”なんだなってすごく思います」

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