アンサンブル
#1 消えた恋人―ふたりの雨が雪に変わる
1月18日(土)放送分
俳優の松坂桃李さんが主演を務める1月期の日曜劇場「御上先生」(TBS系、日曜午後9時)の初回が1月19日に放送された。今作は、完全オリジナルの学園ドラマで、「アンチヒーロー」(2024年)や「VIVANT」(2023年)など話題になった日曜劇場を担当してきた飯田和孝さんがプロデューサーを務めている。飯田さんが、現場の雰囲気や御上(松坂さん)のライバル役の俳優について、また第2話以降の見どころについて語った(本文中に初回のネタバレがあります)。
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「御上先生」は、日本の教育を変えようという思いを持つ文科省官僚の御上孝(松坂さん)が、私立高校「隣徳学院」への出向を命じられる。実質、左遷人事だったが、御上は自ら教壇に立ち、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく……という“大逆転教育再生ストーリー”。完全オリジナルで、松坂さんの主演映画「新聞記者」(2019年)以来のタッグとなる詩森ろばさんが、ゴールデン帯の連続ドラマで初めて脚本を担当している。
主人公となる御上先生は「どこか得体の知れない人物」。演じる松坂さんとは「どのくらい愛情みたいなものを表に出すか」を現場でディスカッションしたという。現場での松坂さんは「割とニコニコして生徒を見ている感じが印象的でした」と飯田さんは語る。
「敵対している感じでいくのかなと思ったんですけど、早めに打ち解けていってました。松坂さんはあんまり控え室に戻らないんです。前室までしか戻らない。教室に生徒が残っていると、自分も残ってますね。だからすごく生徒たちは先生のことを頼っている。頼れる先生になってるかなと思います」
そんな姿は松坂さんのイメージを変えたという。
「松坂さんが座長的な役割で接するのが僕としては初めてで、『VIVANT』では、それこそ(映画の)『ラーゲリより愛を込めて』(2022年)の後で二宮和也さんと一緒だったり、堺雅人さんとのシーンだったり、役所広司さんと同じシーンがあったり、松坂さんのイメージは、『すごく好かれる弟分』みたいな感じだったので、今回はどういう感じになるのかなと思っていたんですけれど、“座長として”みたいな感じでもなく、空気感をすごく柔和にする人。引っ張っていくぞっていう感じの人とはまた違って、みんなが自然と前向きな感じになっていく空間を生み出せる人という印象がありますね」
生徒たち29人に対しては、「僕は心配してたんです。同世代で仲良くなって、だんだんと緩んでくるというか。学園ドラマは初めてですし、それを不安視してたんですけど、そういうことが全くなくて正直、驚いていて。松坂さんの言葉を借りると、この作品を“踏み台”にして……というか、結局終わったときに全部自分に返ってくることをそれぞれが分かっていて、このドラマで何か一つ階段を上りたいというか、少しでも進歩したいと思っているからこそ、すごく仲良くはなっているんですけど、ダレているという感じがあんまりしない。これは、うれしい誤算というか(笑)」と顔をほころばせる。
放送の2日前に解禁されたが、御上(松坂さん)の文科省同期のライバル、槙野恭介役を岡田将生さんが演じている。飯田さんは松坂さんをオファーする際にすでに岡田さんを槙野役に想定していたと振り返る。
「同期のキャラクターって非常に難しいなと思っていて。おそらく、世の中の皆さんの多くにこういう存在の方がいらっしゃると思うんです。親友と呼べる人だったり、ライバルと呼べる人だったり、仕事をする上で相棒と呼べる人だったり。そういう存在ってすごく大事だし、心がしっかり通っている人に見えなきゃいけない。もちろん年齢的なことで、松坂さんが現在36歳なので同世代の俳優さんとなったときに、これはもう岡田さんしか正直浮かばなかった」と飯田さんは力を込める。
飯田さんが関わった日曜劇場「小さな巨人」(2017年)に岡田さんが出演しており、「そのときの岡田さんの役への向き合い方や俳優の仕事に対する姿勢が僕はすごく好きだった。あと、岡田さんと松坂さん、仲良いらしいぞというのはちょっと思って(笑)。2人の空気感っていうのが、何か根っこの部分でのお互いの信頼感みたいなものがある。それが敵対だったり、嫉妬だったり、いろんな表現をする上で、多分岡田さん以上の人はいないんじゃないかと思ったんです」と岡田さんの起用理由を説明する。
御上と槙野の関係については、「ちょうど『半沢直樹』のパート1のときに携わっていて。あの半沢(堺雅人さん)と近藤(滝藤賢一さん)と渡真利(及川光博さん)の密に繋がっている同期3人の関係性が、すごくあのドラマを支えていたと思っていたから、槙野の役は本当に重要だなと感じていました」と語る。
初回が放送されると、御上先生がなぜ隣徳学院に来たのか、ラストの御上の「事件と君の書いた記事がつながっている」発言、冒頭の犯人は誰?などの考察が盛り上がることだろう。
飯田さんは「サスペンス要素もあるので、みんなが考察してくれるのかなとは思ってはいます。でも、それよりも、このドラマを通して伝えたいことの方が今回は大きいかな。考察はもうどんどんしてください。それでドラマを楽しんでもらえるのであれば、どんどんやってほしいと思います。盛り上がってくれるのは非常にありがたいですね」と笑顔で語る。
「よく見たらこうだった」という“小ネタ”も「美術さんがこだわって仕込んでいる」といい、「あと文科省の独自のキャラクター『モモンカ』を作っています。グッズ販売もするんじゃないですかね(笑)。そういった遊び心も入れています」と紹介する。ビデオに映る数秒のシーンだけにお笑いタレントの小島よしおさんや声優の浪川大輔さんが出演しているのも“豪華なネタ”だ。
飯田さんが考察よりも伝えたいことというのは、やはり29人の生徒たちだ。
「コロナ禍を経て、生徒たちの中には文化祭をやってないという子も多かったりするんです。ちょうど今、文化祭のシーンを撮影しているんですが、人と人とがつながって、物事を行うことのパワーの強さというか、そこにもう一度立ち返りたい、そんな気持ちを感じてもらえたらいいなと思っていて。このドラマには文化祭のシーンやクラスで議論したりするシーンが結構出てくるんですけど、うまくそういう場を利用すれば、前進ができるというか、コロナを経て、いかに自分たちが当事者意識を持って物事を進めるかっていうことが、これからの日本の教育に大事なんだっていうところまでを伝えたいなと思っていて」
初回は、事件が起こるなど“ヒリヒリした感じ”がずっと漂っていた。
飯田さんは「ヒリヒリ感は今後も続いていくと思いますが、生徒たちが御上先生から何を受け取って、自分たちで一歩踏み出していくかっていうふうに、だんだんと物語がシフトしていく感じになります。初回の最後に御上が生徒に対して問いを発したと思うんですけど、それに対して生徒みんなで考えていく第2話があって、徐々に自分たちが主体的にクラスを運営していくというふうに変わっていく。学校や教室を日本社会の象徴として描いていて、この描き方は最後まで続いていくと思います」と語った。
俳優の松坂桃李さん主演の日曜劇場「御上先生」(TBS系、日曜午後9時)の初回が1月19日に放送され、冒頭から事件が起こり、視聴者の間で話題になった。
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