工藤美桜&尾碕真花:スーパー戦隊ピンク2人が2度目の共演「私たち相性いいのかな」 ドラマ「コールミー・バイ・ノーネーム」インタビュー

1月9日深夜スタートの連続ドラマ「コールミー・バイ・ノーネーム」に出演する工藤美桜さん(右)と尾碕真花さん
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1月9日深夜スタートの連続ドラマ「コールミー・バイ・ノーネーム」に出演する工藤美桜さん(右)と尾碕真花さん

 MBSのドラマフィル枠(木曜深夜1時29分)で放送中の連続ドラマ「コールミー・バイ・ノーネーム」でダブル主演を務める、俳優の工藤美桜さんと尾碕真花さん。スーパー戦隊シリーズで“戦隊ピンク”を演じた経験のある2人が、人気ミステリー作家の斜線堂有紀さんの“ガールズラブミステリー”の実写化に挑んだ。共にドラマ初主演、そしてVシネクスト「魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー」(2021年)以来、2度目の共演となった2人に、作品の解釈や戦隊時代の思い出、同世代の俳優として意識していることなどを聞いた。

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 ◇「真花ちゃんとダブル主演は心強かった」

 ドラマは、大学生の愛(めぐみ、工藤さん)は、ゴミ捨て場に捨てられていた美しい女性・琴葉(尾碕さん)と友人になりたいと思うが、琴葉は「本当の名前を当てられたら“友人”になるが、名前を当てられるまでは“恋人”でいる」という奇妙な賭けを持ち掛ける。後に引けず、愛はその賭けに乗り“恋人”としてぎこちなくも関係を深めていくが、琴葉の名前に隠された過去が牙をむく……というストーリー。

 --お二人ともドラマ初主演ですが、決まった時の心境は。

 尾碕さん:初めて連ドラで主演を任せていただけるのは素直にうれしかったです。それと同時に真ん中に立たせていただいている私には何ができるのかなと考えるきっかけにもなり、そういうことを考えながら撮影に臨みました。任せていただくからには、最高のパフォーマンスをしたいと思いました。

 工藤さん:目標の一つであった主演を叶(かな)えさせてもらえてうれしかったですし、初めてなので「大丈夫かな」というドキドキした気持ちもありました。もちろんいつも考えることですが、主演として「どうやったら現場をよくできるかな」「いい作品ができるかな」と、いつも以上に考えました。緊張して不安でしたが、共演経験があって知っている真花ちゃんと一緒だったので安心感があり、真花ちゃんとダブル主演は心強かったです。

 --役作りで心がけた点を教えてください。

 尾碕さん:余裕を持つことです。琴葉は、内心自分に近づいてほしくないから、愛を遠ざけたりするのですが、余裕がないとできない行動ばかりするので、自分自身に余裕が生まれるようにというのは意識して役作りしていきました。

 工藤さん:撮影に入る前に「愛は、視聴者の方に対しても、琴葉に対しても救いの存在であってほしい」というお話を聞いていました。琴葉と出会って強くなっていく愛をきちんと表現するために、自分自身とも向き合わないといけないと考え、撮影期間中は自分と向き合いながら演じていました。

 --ご自身の役と自分自身が近いと思う部分はどこですか。

 尾碕さん:人見知りじゃないのですが、(琴葉の)自分の触れてほしくない部分には絶対に触れさせないというのは、私もそうです。自分の中に“絶対に他人には越えてほしくない
ライン”があるのは似ているなって。

 工藤さん:愛は好きな琴葉に対して“真っすぐ”なのですが、私も好きと思ったものに真っ直ぐな部分はあるので、そういうところは似ているかなと思います。

 --反対に自分と遠いと感じるところは。

 尾碕さん:私は人との距離が近いのがあまり得意な方ではなくて。来られるのは平気なのですが、自分から行くのが苦手です(笑)。琴葉はグイグイ距離を縮めて、ボディータッチも平気でできる子なので、そこは全然違うなと思いました。

 工藤さん:面と向かって向き合える強さがあるのは(自分と)違いますね。愛のそういう部分は尊敬できるし、私もそういう人になりたいと思わせてくれる女の子。演じることで、それができて新鮮で楽しかったです。

 ◇同世代としてお互いの良いところを伸ばし合っていけたら

 --2度目の共演で、恋人役を演じることになりました。

 尾碕さん:初めてお会いしたのが戦隊の時だったのですが、その時はちょっとだけ撮影が一緒になった程度でしたので、あまりお話できなかったんです。今回、久々の共演でしたが、フラットな感じで臨ませていただきました。

 工藤さん:私はちょっとドキドキしたよ(笑)。ただ、真花ちゃんなら大丈夫だろうと思って挑みました。

 --最初の共演はVシネクスト「魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー」(2021年)ですが、当時の思い出は。

 尾碕さん:あまり一緒のシーンはなかったのですが、美桜ちゃんがスケバンの格好をしていたことは覚えています(笑)。

 工藤さん:真花ちゃんは、まなざしがカッコ良かったというか、表情がカッコ良かった思い出があります。

 尾崎さん:恥ずかしい(笑)!

 --工藤さんが25歳、尾碕さんが24歳と、年齢は1歳違い。同世代の俳優として意識することはありますか。

 尾碕さん:メラメラした関係というより、切磋琢磨して、お互いの良いところを伸ばし合っていけたらいいなと勝手に思っています。

 工藤さん:同世代として、とっても尊敬しています。今回がっつり共演させてもらって、改めて真花ちゃんの芝居の素敵さを間近で感じることができて良かったです。

 --改めて撮影を通じて感じたことは。

 尾碕さん:勝手に私たち相性いいのかな?と思っていました。多分、性格は真逆だろうけど、その中でも似ているところはあるので、うまい具合に“デコとボコ”になっていて。私が考えた芝居プランを受け入れてくれたり、私が悩んでいる時は引き上げてくれました。連日撮影をしているとスイッチの切り替えの仕方が分からなくなる日もあったけど、美桜ちゃんがしっかり愛として撮影に臨んでいる姿や芝居を見て、自分も琴葉に帰って来られる瞬間がありました。一緒にできて楽しかったです。

 工藤さん:演じていて、すごく話し合わなくても、芝居を通して自然にコミュニケーションが取れている気がしました。たくさん芝居で助けてもらったし、リードしてもらった感覚が私はあるので、琴葉と同じように、真花ちゃんの魅力に“沼って”いきました(笑)。

 --ドキドキするシーンもドラマの見どころ。特にキュンとしたシーンがあれば教えてください。

 工藤さん:不意に顎(あご)をつかまれるシーンは結構、素でドキッとしました。琴葉に対してはドキドキするシーンが多くて翻弄(ほんろう)されているなって(笑)。

 尾碕さん:私はドキドキさせる側だったので、愛だけじゃなくて、見てくださる視聴者の方に「伝わっているのかな」と撮影中に何度か不安に思ったことがあります。ドンと構えて自信を持ってカメラの前でやりますが、終わった後に大丈夫だったかなっていう意識の方が強いですね。

 工藤さん:大丈夫! キュンキュンしたよ。

 ドラマ「コールミー・バイ・ノーネーム」は、MBSで木曜深夜1時29分に放送中。1話30分、全8話。テレビ神奈川、テレビ埼玉などでも放送される(MBSと放送時間は異なる)ほか、TVerなどで見逃し配信もある。(取材・文・撮影:遠藤政樹)

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