海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
伊藤沙莉さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」。日本初の女性弁護士で、後に裁判官となる三淵嘉子さんの人生をモデルに描く、主人公・佐田寅子(伊藤さん)の物語も、残すところあと4週となった。同作に代わって9月30日からスタートするのが、111作目の朝ドラ「おむすび」だ。どのようなドラマになるのか、主演の橋本環奈さん扮(ふん)するヒロイン・米田結(よねだ・ゆい)が歩む道と共に紹介したい。
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「おむすび」は、平成元年生まれのヒロイン・米田結(よねだ・ゆい、橋本さん)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく、“平成青春グラフィティー”だ。NHKのドラマ「正直不動産」などで知られる脚本家・根本ノンジさんのオリジナル作品となる。
朝ドラで、平成が主な舞台となるのは、2022年度後期の「舞いあがれ!」以来、4作ぶり。また「食」がテーマとなるのは、近いところで2022年度前期の「ちむどんどん」があったが、「味」よりも「栄養」の方に軸足を置くのが、今作のポイントだという。
ドラマタイトルの「おむすび」は、脚本の根本さんが自ら提案。ヒロインが、幼いころにつけられ、あまり気に入っていないあだ名にもなっている。
昨年8月の会見で、根本さんは「昭和の朝ドラのパロディーのようなタイトルじゃないですか。コントでやるような」と説明し、制作統括の宇佐川隆史さんは「大満足のタイトル」と太鼓判を押していた。
ヒロイン役の橋本さんは、「虎に翼」の伊藤さんと同じくキャスティングによる出演。起用理由については、同じ会見の中で宇佐川さんが、演技力や気負わない雰囲気に加えて「食べている姿が素晴らしい」ことが決め手になったと明かしている。
さらに「朝ご飯を食べた後でも、ご飯を食べたくなるぐらい(笑い)、おいしそうに食べるんです。大阪局は食べ物を作るスタッフが非常に熱くて、おいしいものを作って役者さんの演技を引き出すので、そこを半分ドキュメントで撮ろうという話になっています」と語るなど、橋本さんの食べっぷりも見どころになるようだ。
そんな橋本さん演じるヒロイン・米田結は、どんな道を歩むのか。
物語の始まりは、平成“ど真ん中”の、2004(平成16年)年。平成に元号が変わった最初の日に生まれ、どんなものでもおいしそうに食べる結は、福岡県・糸島で両親や祖父母と共に暮らしていた。
「何事もない平和な日々こそ一番」と思って生きてきた結。しかし、地元で伝説と化した姉の存在や、謎のギャル軍団、甲子園を目指す野球青年など、個性的な面々に翻弄(ほんろう)されていく。そんな仲間との濃密な時間の中、次第に結は気づいていく。「人生を思いきり楽しんでいいんだ」ということを──。
青春時代を謳歌(おうか)した自然豊かな糸島、そして阪神・淡路大震災で被災するまでの幼少期を過ごした神戸。二つの土地での経験を通じて、食と栄養に関心を持った結は、あることをきっかけに“人のために役立つ喜び”に目覚める。そして目指したのは“栄養士”だった。
「人は食で作られる。食で未来を変えてゆく」。はじめは、愛する家族や仲間という身近な存在のために。そして、仕事でめぐり合った人たちのために。さらには全国へと、その活動の範囲を広げていく。
ドラマには、ヒロイン・結の「家族キャスト」として仲里依紗さん、麻生久美子さん、宮崎美子さん、北村有起哉さん、松平健さんが出演。さらに、共に青春を謳歌する「高校生の仲間とギャル軍団」として佐野勇斗さん、菅生新樹さん、松本怜生さん、中村守里さん、みりちゃむさん、谷藤海咲さん、岡本夏美さん、田村芽実さんが登場する。
中でも、結の姉で、“伝説のギャル”を演じる仲さん、大規模なオーディションによって選出され、「博多ギャル連合」メンバーに扮するみりちゃむさん、谷藤さん、岡本さん、田村さんの演技には注目だ。9月30日からNHK総合、月~土曜午前8時ほかで放送される。
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