ホラー映画「あのコはだぁれ?」(清水崇監督、7月19日公開)で主演を務める、アイドルグループ「NMB48」の元メンバーでタレントの渋谷凪咲さん。映画初主演にして、本格的な演技初挑戦となる渋谷さんに、主演として心掛けたことや、俳優業への展望を聞いた。
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映画は、「呪怨」シリーズなどで知られる清水監督の最新作。夏休み、臨時教師として補習クラスを担当することになった君島ほのか(渋谷さん)の目の前で、ある女子生徒が屋上から飛び降り、不可解な死を遂げる。実は数十年前にも同じ場所で同じ事故が起きていた。ほのかと生徒らは、“いないはずの生徒=あのコ”の謎に踏み込んでいく。
バラエティー番組で活躍する印象の強い渋谷さん。主演を務めた心境について「芝居の経験が浅くて主演も初めてですが、新しいことに挑戦して、成長し、自分も知らなかった自分に出会いたいと思いました。今作の撮影はすべて初めてのことだらけで分からないことばかりだったけど、だからこそ新鮮で楽しかったです!」と声に充実感を漂わせる。
クランクイン前、「分からないことは分からない、と言おうと。素直でいることと、とにかく頑張ることだけは決めていました」と自身で決めた。
「目の前のことに対して、全力でぶつかり頑張る姿で、支えてくださるスタッフの皆さんに認めていただければと考えました。主演として皆さんに信じていただくには、一生懸命やるしかないと思いました」
芝居では“ホラーならでは”の難しさを感じた。
「怖がったり驚いたりする表現は、やりすぎると“やっている感”が出てしまい、(観客が)離れてしまう。清水監督からは『やりすぎないけどやらなきゃいけない。絶妙な押し引きがある』と教えていただいて。最初は苦戦しましたが、普段の自分なら恐怖を感じた時にどうするか?と考えたら、意外と自分でリアルな演技ができました(笑い)」
常にニコニコ笑顔の印象が強い渋谷さんだが、今作ではそんな笑顔を“封印”して臨んだ。「普段のイメージとは違うと思いますが、そう感じていただければ、うれしいなって。『こんな顔もするんだ!』と楽しんでいただけたら」と照れ笑いを浮かべる。
注目ポイントの一つとして「クライマックス近くで叫ぶシーン」を挙げる。「リハーサルでは『声が枯(か)れちゃうから出さずに、本番だけで爆発してください』と言われて。その場で感じた空気感を大事にしたかったのもあって、本番まで自分からどんな声が出るのか分からなかったのですが、本番では『私ってこんな声出るんだ!』と(自分でも)驚いた」と手応えを感じたシーンになった。
今後の俳優活動の展望を聞くと「もっともっとお芝居を頑張りたい」と意欲を見せる。
「演者、カメラマンさん、照明部さん、録音部さんなど皆さんで一つのシーンを撮影して、数十秒かもしれない一瞬に全員が全身全霊をかけている思いや一体感に感動しました。機会をいただけたら、ぜひ今後も挑戦していきたいです!」
どんな俳優を目指していくのだろう。
「素直に、全力で、思いを込めて取り組む。人生も芸能人生もそう生きてきたので、そこはブレずに大切にしつつ、誰かの心を動かせるようになれたら。今作のオファーも自信がなかったのですが、お声掛けしてくださった方を信じて挑戦しました。これからもお声掛けいただいたタイミングが挑戦するきっかけだと思います。私を信じてくれた方を私も信じて、楽しみながらやっていきたいです」(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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