ブギウギ:メガネ会計ババア→青森出身の家政婦 「あまちゃん」以来の朝ドラ、木野花の存在感 ヒロイン趣里と「お芝居の相性が良い」

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で大野晶子を演じる木野花さん(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」で大野晶子を演じる木野花さん(C)NHK

 趣里さんがヒロインを務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第21週(2月19~23日放送)では、青森出身の家政婦、大野晶子役で木野花さんが登場した。木野さんは2013年前期の「あまちゃん」以来、11年ぶりの朝ドラ出演。第100回(2月22日放送)で初登場すると、木野さんが「あまちゃん」で演じた長内かつ枝のあだ名「メガネ会計ババア」がトレンド入りするなど、大きな話題になった。木野さん演じる家政婦・大野の存在意義や、現場での様子について、制作統括の福岡利武さんが語った。

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 ◇“ワンオペ育児”のスズ子が大野に“陥落”した理由

 木野さん演じる大野は、子育てで大変なスズ子(趣里さん)を助けるベテラン家政婦。茨田りつ子(菊地凛子さん)と同郷の青森出身で、りつ子の紹介状を携えてスズ子の家にやってきた。

 「生活とステージ」を描く「ブギウギ」において、大野は「生活」面を支えるキャラクターだ。福岡さんは「生活とステージは表裏一体。うまく混ぜ合わせてやりたいなと思っていた」という。

 「『ブギウギ』はステージシーンが面白いと同時に、生活感があるドラマだと思っていまして、大野との出会いによって、愛子(小野美音ちゃん)の子育てもあり、スズ子たちは家族になっていく。そこは今後の見どころになっていきます」とアピールする。

 愛子が生まれてから、スズ子のワンオペ育児の大変さ、破綻しかかっている生活面が描かれてきた。大野の登場によって、見事にそれが解決し、スズ子は泣き崩れた。福岡さんは「これは必要なストロークだった」と思いをはせる。

 「現場は男性スタッフが多いですけれど、私自身も4歳の子供がいて、育児の大変さは身にしみて分かっているところがあります。今も大変な中で子育てしてらっしゃる方がたくさんいますので、いとも簡単にヘルプが入るのも……。そのためにも必要なストロークだったと思いますし、スズ子ならできる限り一人で頑張るのではないかという気もしました。木野さんに大野を熱演していただいて、とても前向きな気持ちで生活することの大切さを感じられ、良いなと思いました」

 かたくなに他人に愛子の面倒を見てもらうことを拒否していたスズ子が、大野には“陥落”。これは、りつ子の紹介だったことも大きいという。

 スズ子が「歌を捨てた」と聞いて、りつ子が「あの子はもうおしまいね」と言い放ったことに端を発した2人の確執。りつ子は真実を知って家に謝罪しに行った際、スズ子の大変さを目の当たりにし、大野を派遣する。これは、りつ子からの「和解と最大限のエール」だった。

 「りつ子の思いをしっかり描かないと、ただの言い合いになってしまいますし、スズ子の思いもある。するっと流すとよく分からないうちに解決してしまうことになるので、テンポ良く流れる中で、しっかりと2人の思いを描いた」と語る。

 ◇33歳の趣里と76歳の木野花 年齢差はあれど「本当に気が合う」

 木野さん自身も演じる大野と同じ青森県出身。福岡さんは木野さんに対して、「深く台本を読まれていて、エネルギッシュな感じでしっかり演じていただいた」と感謝する。

 青森ことばについては、ネーティブのため「当たり前ですけれど、とても上手でした」というが、「(せりふを吹き込んだ)音声データをお渡ししました。青森を出られて長いですし、生真面目な方なので、ちょっとしたニュアンスの確認という感じではあったんですけれど」と真摯(しんし)に向き合っていたという。

 現在33歳の趣里さんと76歳の木野さんでは年齢差はあるが、演技に対する姿勢が似ていて「本当に気が合っていた」という。

 「木野さんは『現場の空気をとらえてお芝居をします』と撮影前におっしゃっていたんですけれど、趣里さんも同じようなことをおっしゃっていて。お二人とも同じ空気を感じつつお芝居をしていたと思います。すごく相性が良くて、本当に気が合うといいますか、お二人のお芝居のスタイルが近しいものがあり、すごく良かったと思います。お芝居を合わせていくのをお二人とも楽しんでらっしゃいました。木野さんは現場でよくアイデアを出される方で、それもまたよかったと思います」

 第101回(2月23日放送)で愛子に手伝いをさせながら、破れた障子を花模様に切り抜いた紙で修繕するシーンは、この週の脚本を担当した櫻井剛さんのアイデアだった。

 「『女の子だもの。お花の障子は破きませんよ』……いいせりふでした。大野の説得力をどうやって出そうかと脚本のところで考えて、具体例がないと説得力が生まれないと、スタッフでアイデアを出しました。木野さんにとてもしっかり演じていただいたので、説得力がものすごい。木野さんは撮影も楽しんでやってらっしゃいましたし、本当に素晴らしいなと思いました」と称賛する。

 2月26日から始まる第22週では、木野さん演じる大野がこれまでどんな人生を送ってきたのか、そのバックグラウンドが語られる。福岡さんは「第22週を見れば、大野さんのことがすごくよく分かります。ご期待ください」とメッセージを送った。

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