ブギウギ:ラクチョウのおミネVSスズ子 対面シーンの裏側 田中麗奈の新境地! 生足あらわな“片膝立て座り”の理由も

NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK
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NHK連続テレビ小説「ブギウギ」の一場面(C)NHK

 俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第94回(2月14日放送)では、スズ子(趣里さん)と有楽町界隈を取り仕切る夜の女、ラクチョウのおミネ(田中麗奈さん)が対面し、本音で語り合った。このシーンの裏側や、おミネを演じる田中さんの魅力について、制作統括の福岡利武さんが語った。

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 ◇生足あらわも「気にならなかった」

 第93回(2月13日放送)で、スズ子が取材を受けた芸能雑誌の記事が気に入らないと楽屋に乗り込んできたおミネは「えらそうなこと言いやがって」「あんたらの人気取りに利用されるなんて真っ平ごめんなんだよ!」とスズ子に怒りをぶつけた。マネジャーの山下(近藤芳正さん)は、この件にはこれ以上深入りしないようにとスズ子に助言するが、どうしても誤解されたままでは嫌だと、スズ子はおミネに会うため、有楽町のガード下へ向かう。

 第94回では、おミネはスズ子に「あんた、好きでもない男に抱かれたことあるのかい?」「アタイらはそうまでしなきゃ生きられなかったんだ」と自分たちの境遇を語り、「汚い世間に持ち上げられてお気楽に歌ってるあんたとは立場が違うって言ってんだよ!」と声を荒らげる。

 スズ子は「ワテかて死に物狂いや」と反論し、母や弟、最愛の人までも亡くし、一人で娘を必死に育てていることを告白。おミネは「あんたを誤解してたみたいだね。甘く見てすまなかった」とスズ子に謝罪し、和解する。

 この場面について、福岡さんは「長いお芝居ですが、止めないで一連で撮影しています。ですので、スズ子とおミネのせりふのキャッチボールがうまくできて、実は似たもの同士というか、互いに分かり会えるところをうまく表現できたと思います」と振り返る。

 この場面で、田中さんは片膝を立てて座り、スカートから生足をあらわにしたポーズで演技をしているが、福岡さんは「僕はお芝居に見入っていたので、(足が出ていることは)あまり気にならなかったんです」と話す。

 「どういう姿で座るかは、田中さんとチーフ演出の福井充広で話し合って、あのスタイルに決めて撮影をしたんです。実際に『足が!』という人もいましたし、言われて見れば確かに『おお!』と驚きますが、僕はなぜかあまり気にならなくて。田中さんには、おミネのキャラクターがうまく出せれば、という思いで積極的に演じていただけたので、その気持ちのほうに引っ張られたんだと思います」

 ◇田中麗奈の起用はチーフ演出の強い推薦

 おミネは「東京ブギウギ」で大スターとなったスズ子に、直接文句を言いに来るような豪快で行動力のある女性。その一方で、過去に事情を抱えているような、謎めいた雰囲気も併せ持つ役どころだ。

 田中さんの起用理由について、福岡さんは「非常に難しい役ですし、懐の深さと情にほだされる優しさも持った役なので、『誰が適役だろうか?』と悩んでいました。そんな時、田中さんとお仕事でご一緒させていただいたことのある福井が、『この役は田中麗奈さん以外にいない!』と強く推薦してきたんです」と明かす。

 福岡さんも「僕はお仕事をご一緒したことはないですが、田中さんに芯の強い女性を演じていただけたら面白いんじゃないか」という期待があったという。

 おミネを演じるにあたり、田中さんはかなり研究していたという。福岡さんは「当時の映画や資料を見るなど、いろいろと勉強、研究されて、衣装合わせも長い時間をかけて、おミネというキャラクターを作り上げていきました」と明かす。

 「すごく難しい役なので、とても緊張されていましたが、おミネの情の深さを強く意識して演じていただけて素晴らしかったです」と田中さんの演技をたたえた。

 ◇スズ子とおミネのエピソード「丁寧に設定を考えた」

 スズ子のモデルとなった笠置シヅ子さんも、実際に“夜の女”と交流が深かったといい、ストーリーに史実を反映させている部分もあるという。

 福岡さんは「笠置さんと彼女たちの関係については、とてもすてきなエピソードなので、ぜひとも描きたいと思っていました」と説明し、「スズ子とおミネたちが良い関係を築くまでのエピソードは、丁寧に設定を考えました」と語る。

 「スズ子はおミネたちに誤解されて『生き方が違うから』と言われてしまいますが、話してみれば、戦争という時代を乗り越えて生きている者同士、分かり合えるという展開が、お互いに尊敬しながら良い関係に持っていけるんじゃないかなと。最初に誤解があって、争うようなところから仲良くなれたら、スズ子とおミネたちが仲良くなる自然な流れが作れるのでは、と考えました」

 そんな関係を演じた田中さんと趣里さんの現場での雰囲気はとても良かったといい、「田中さんは途中からの参加なのでチームになじむのは大変だったと思いますが、『体調大丈夫?』『しっかり休めてる?』『無理しちゃだめよ』とか、趣里さんをいつも気遣っていらっしゃったのが印象的でした。先輩として、趣里さんの体調面などを心配していらっしゃるようでした」と話した。

 「東京ブギウギ」の大ヒットで一躍スターとなったスズ子が、夜に生きる女性たちとの交流を通して、どのように成長していくのか。今後の展開から目が離せない。

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