海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
松本潤さん主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合、日曜午後8時ほか)に井伊直政役で出演している俳優の板垣李光人さん。直政は、酒井忠次(大森南朋さん)、本多忠勝(山田裕貴さん)、榊原康政(杉野遥亮さん)と並ぶ「徳川四天王」の一人で、小牧・長久手の戦い以降、戦国最強の武田軍の赤備えの伝統を受け継ぎ、戦場で活躍した。板垣さんは、いかにして「赤鬼」の異名で恐れられた直政となったのか。撮影の日々を振り返ってもらった。
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板垣さん演じる直政は、“女城主直虎”によって大切に育てられた井伊家の御曹司。徳川家康(松本さん)に対して、当初、その命を狙っていたが、徐々に家康の人間性に惹(ひ)かれ、仕官するようになる。新戦力として家臣団に加わると、小牧・長久手の戦いで、武田軍の残党を任せられ、他の四天王のように家康にとって欠かせない戦力となる。
その勇猛果敢さも手伝って、家臣団の中で成り上がっていく直政。家康のそばには、同じく好戦的な忠勝(平八郎)が絶対的存在として君臨していて、板垣さんは「平八郎とはまた違った熱さをどう出せるか」を考えた。
一つのヒントとなったのが、画面に映ったときの板垣さんの「白さ」だ。虎松、万千代時代を経て、元服した後の家臣団とのシーンをモニター越しに見た際、自分の「白さ」に気づいたという。
「一人だけすごく白かったのですが、それが異様というか、異質なものに感じて、『これだな』と思ったんです。平八郎が炎とするなら、直政は氷のような。どちらも触れたときに“あっ!”て手を引っ込めると思うのですが、そこを意識することこそが、この『どうする家康』の中で自分が直政を演じる意味というか、面白さがあるような気がしたんです」
史実にもある、部下からも恐れられていた直政を、画面に映る自分の「白さ」から氷を連想して作り上げていったという板垣さん。その意識を強めたのは、8月6日放送の第30回あたりからで、物語は、織田信長(岡田准一さん)亡き後、秀吉(ムロツヨシさん)が織田家の実権を握ったころ。そして、8月20日放送の第32回で、家康と秀吉は「小牧・長久手の戦い」で直接対決するが、ここで直政は“赤備え”で出陣する。
立身出世を地で行く直政にとって「出世の第一歩」で、板垣さんも「高揚感がありました」と振り返る。
また今作の直政のキャッチコピーは「井伊谷からやってきた美少年」。美少年設定については「そう書かれちゃっているから、もうしょうがない。プレッシャーはありましたけど、そうですかって感じで、やるしかないなって(笑い)」と本音をのぞかせた。
そして迎えた天下分け目の「関ヶ原」。11月12日放送の第43回では、西軍に圧倒的に数で劣る家康だったが、決戦の地に関ヶ原を選び、直政は先陣を任される。小早川秀秋(嘉島陸さん)の寝返りもあり、家康率いる東軍が勝利を収めるが、直政自身は、銃創を負ってしまう……。
それでも、3回目の大河ドラマにして初の戦国ものとなった板垣さんは、戦シーンを大いに楽しんだようだ。
「いろいろと制約された中ではありましたけど、関ヶ原では突撃するシーンも出てきたりして。甲冑(かっちゅう)きて、馬に乗って、もちろん殺陣もありましたし、以前の2回の大河ドラマでは、そんな感じではなかったので、『やっと』っていうと変なのですが、ある種の醍醐味(だいごみ)をここで味わうことができたのかなって思っています」
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