小田凱人選手:「ウィンブルドンテニス」への意気込み語る 上地結衣選手、けが乗り越え初優勝へ

「ウィンブルドンテニス」に出場する小田凱人選手(C)Getty Images
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「ウィンブルドンテニス」に出場する小田凱人選手(C)Getty Images

 グランドスラム第3戦「ウィンブルドンテニス」の車いす部門が7月12日に開幕した。日本勢は男子シングルスに小田凱人(おだ・ときと)選手、女子シングルスに上地結衣選手が出場する。6月の全仏オープンで初優勝を達成した小田選手は、男子シングルス第1シードで出場し、四大大会の連覇を狙う。女子シングルス第2シードの上地選手は悲願の初優勝を目指す。開幕前に両選手が意気込みを語った。

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 ◇小田凱人選手

 ーー全仏オープン優勝おめでとうございます。史上最年少の17歳で世界のナンバーワンになりました。

 ありがとうございます。あの試合からはガラッと変わりました。これまでとは違った多くの方からメッセージをいただいたり、今までにはないいろいろなところからの反響を大きく感じています。

 ーー注目されていることが大きなモチベーションになっていると思いますが、いかがですか。

 僕自身、そういう風になりたいと思っていたので、それに一歩でも近づけたというのを感じていますし、今回もまた(優勝を)達成したいと思っていますので、今からすごい楽しみですね。

 ーー昨年の全仏オープンが初出場、そのちょうど1年後にグランドスラム初優勝。こうなることを想像されていましたか。

 去年のグランドスラム初出場から優勝するつもりでやっていました。どの大会でももちろん勝つという気持ちでやっているので、1年間で優勝までいけたっていうのはすごい評価できると思っています。

 ーー全仏オープンでは英語でスピーチされましたね。練習されていたのですか。

 そうですね、自分は勉強の英語は苦手ですけどYouTubeやTikTokなどを見て勉強しました。現地では英語で話す人と関わることがほとんどなので、それで練習しています。

 ーー全仏オープン優勝からの3週間はどのように過ごされていましたか。

 1週間ぐらいオフをとって、そのあと練習を再開しました。練習をしていても決勝の感覚が残ったままというか、あの調子のまま練習を開始して、また今もフォアハンドがすごい良くなってきているので、今すぐにでも試合ができるぐらい、すごく好調です。あの時の勢いというかスピード感というものは全く消えてはいないと思っているので、今回もちゃんと練習して勝ちたいと思っています。準備を着実にできていると思います。

 ーー芝への対策は何かしましたか。

 芝でボールが弾まないので打点が低くなることがあります。特にスライスは本当に止まってしまうボールもあるので、クレーは割と跳ねてきたりとかイレギュラーしたりすることがありましたけども、特に芝は低くイレギュラーしたりもあるので、クレーとは違う感覚ではやっていました。自分の武器は早く攻めて、先手必勝のテニスだと思うので、芝は特にクレーよりも動きにくいし、パワーがいるので、その辺でやっぱり自分のショットというのはより効果的になるのではないかなと思っています。

 ーー世界ナンバーワンとなったことで、周りの選手からはどう見られていると思いますか。

 いろいろな方から「追われる立場になったね」と言われることが多くなったのですが、そんな感情はなくて、若手の部類だと思いますし、自分が追い求めるテニスの完成度もまだまだです。もちろん対策はされると思いますけど、1位になったからといって特に変えることなく、今までやってきたことをさらに追求していければなと思っています。プレッシャーもあまり感じてないですし、気負いもしていないので、その分成長できるかなと思っています。

 ーー緊張している時や、パフォーマンスが出ないときには、試合中にどのようなことを思っているのですか。

 特に全仏での決勝戦は他の試合と比べてかなり緊張していました。ウォーミングアップの時もフワフワしている感じがあり、逆に試合が始まってからは、思っていた以上にエースが決まったりだとか、良い所にボールが入ったりしたので、少しホッとしたというか、意外と緊張しない、と感じました。ただ緊張する試合ももちろんあるので、そういう時は「緊張をしている自分」「その場にいる自分」を楽しむようにしています。

 ーー最後にウィンブルドンに向けて意気込みをお願いします。

 負けられない立場になったと思うので、そういった意味ではプレッシャーももちろん少しはありますけど、それを楽しんでパワーに変えたいです。また優勝を狙って準備していますし、試合に入れば必ず良いプレーができると思うので、ぜひ日本からWOWOWを見て試合を楽しんでいただければなと思います。

 ◇上地結衣選手

 ーーいよいよ車いす部門が開幕しますが、今の率直な心境をお聞かせください。

 イギリスには1週間ほど早めに入って練習してきました。今年は雨の日も多かったんですけど、晴れる日はすごく暑く感じて、昨日の夕方会場に入ってお客さんもたくさんいるように感じるのですごく楽しみですね。

 ーー全仏が終わって3週間ですが、具体的にどのような調整されてきたのでしょうか。

 昨年は芝のコートで前哨を戦ったんですけど、今回そこはパスして、兵庫県にある芝のコートでお世話になって、トレーニングを行なって、ローランギャロス(全仏オープンの開催地)の次のクレーの大会で少し利き手の左手を痛めてしまったのもあって、リカバリーしながらトレーニングを積んできたっていうような3週間でした。

 ーー手のほうの調子はいかがですか。

 バッチリとトレーナーさんにも見ていただいて、しっかり治してきました。

 ーー上地選手にとって、ウィンブルドンとは。

 自分にとっては鬼門というか、昨年初めてシングルスで決勝まで残ることができました。半面、優勝者のリストを見ると、ダブルスでは7回優勝することができていて、ダブルスだったらうまくいくのになって正直思ってしまうところですけど、今回しっかりと日本でも準備することができました。昨年、国枝さんが初めてウィンブルドンでタイトルを取るところを実際に見させていただいたので、自分も続きたいと思いますね。

 ーー最後に意気込みをお聞かせください。

 シングルスダブルスともに日本人対決となるんですけど、しっかりと自分の準備してきたことをパフォーマンスとして出せたらいいなと思います。がんばります。

 WOWOWでは7月17日まで「ウィンブルドンテニス」をWOWOWオンデマンドで連日生中継、ライブ配信する。車いすテニスは、7月12日の第4試合に車いす男子シングルス1回戦「小田凱人選手VS三木拓也選手」を、第2試合に車いす女子シングルス1回戦「上地結衣選手VS大谷桃子選手」の試合の模様を配信する。

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