波うららかに、めおと日和
第1話 昭和11年を舞台にピュアな二人の新婚ラブコメ
4月24日(木)放送分
今田美桜さん主演の連続テレビ小説(朝ドラ)「あんぱん」(NHK総合、月~土曜午前8時ほか)で脚本を担当している中園ミホさん。主人公・のぶ(今田美桜さん)の夫となる嵩(北村匠海さん)のモデルで、「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさんと文通していたことがあるという中園さんが、「あんぱん」を描こうと思ったきっかけや、やなせさんとの交流について語った。
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「あんぱん」は、やなせたかしさん(1919~2013年)と暢さん(1918~1993年)夫婦がモデル。2人が出会い、あらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどりつくまでを描く、生きる喜びが全身から湧いてくるような「愛と勇気の物語」となる。
2014年度前期の朝ドラ「花子とアン」の脚本も手掛けた中園さんは、「前回の朝ドラが本当に大変で、朝起きたら息つく暇もなく書かなきゃいけないので、途中で息切れしてしまったこともありました。体力的にももう厳しいかなと思っていたので、(制作統括の)倉崎憲さんにお声がけいただいたときは正直断ろうかなと思っていたんです(笑)」と吐露する。
しかし、倉崎さんとの打ち合わせの中で偶然、やなせさんを描きたいという意見が一致したという。
「これまでの脚本家人生の中でも、題材選びの段階でプロデューサーと意見が一致するのは初めての経験でした。やなせたかしさんの物語を書けるのであれば、絶対に私が書きたい、無理をしてでも頑張りたいと思い、お引き受けしました」
中園さんがやなせさんと文通を始めたきっかけは、小学4年のころにやなせさんの詩集「愛する歌」を読み、ファンレターを送ったことが始まりだという。
「私は10歳のときに父を亡くしているのですが、やなせさんが書かれた『たったひとりで生まれてきて たったひとりで死んでいく 人間なんてさみしいね 人間なんておかしいね』という詩を読んだときにすごく救われたんです」
文通を通して、やなせさんと親交を深めたが、当初の印象は「本当に失礼なんですけど、“へなちょこ”だなと感じました」と笑う。
「そのころのやなせさんはまだ代表作がないことを気にしていらして、お手紙でも結構愚痴っぽいんですよ。小学生の私に『またお金にならない仕事を引き受けてしまいました』とか(笑)。とても正直でまっすぐな方で、音楽会にも何度か呼んでくださったのですが、そこでお目にかかると『おなか空いてませんか?』とすごく優しく声をかけてくださったのが印象に残っています。だから、いろいろ報われてないけど優しいおじさんっていうイメージでした」
そんなやなせさんとは「不思議な縁という一言では説明がつかない深いつながりを感じる」と明かす。
「文通していた当時の手紙を読み返していたら、やなせさんと文通を始める前にデパートの似顔絵コーナーで描いてもらった色紙がでてきたんです。マンガ家さんが何人かいらして行列に並んでいたら『はい、次の方』と呼ばれて席についたのですが、たまたまそれがやなせさんだったんです。似顔絵が出てきたときに、日付とともに直筆のサインが入っているのを見て『えっ!』て驚いちゃって。私はこのときのことを全然覚えていなかったのですが、ここから縁があったんだなぁと感じました。当時、私は毎日詩を書いてたんですけど、物を書くことが好きになったのも、そこから脚本家になったのも、やなせさんのおかげです。そういう意味でも、本当に私を作ってくださった方だと改めて今思っています」
そんな深いつながりがあるやなせ夫妻をモデルにした「あんぱん」を書いていると、やなせさんに包まれているような不思議な感覚で満たされることがあるという。
「ほかの作品ではあまりない感覚ですが、怠け者の私にやなせさんが書かせてくださっている感じがしますね。執筆していると、たまにやなせさんを近くに感じることがあるんです。あるシーンを書き出して、書き終わったときに、あんまり記憶がないことがときどき起こるので、多分私じゃなくてやなせさんが書いていたんじゃないかなと思います」
初回(3月31日放送)では、やなせさんをモデルにした嵩を演じる北村匠海さんの“やなせさんそっくり”なたたずまいも話題になった。中園さんは「ファーストシーンを見たときに『これ、やなせさんそのままじゃない?』と思って鳥肌が立ちました」と驚く。
「本当にああいう感じの人だったんですよ。北村さんがどうやって役作りをなさっているのかわからないですけど、あんなに若い方が中年のやなせさんを演じている。きっと会ったこともないだろうし、どうしてあんなに乗り移ったような演技ができるんだろうと驚きました。ひょっとしたら、現場にもやなせさんが降りてきているのかもしれませんね」
嵩の妻・のぶを演じる今田さんの演技についても「期待以上」と太鼓判を押す。
「今田さんとは『ドクターX』からご一緒しているのですが、本当に性格がよくて、それが画面にも表れている方。のぶはちょっと気が強い役だし、演じる俳優さんによっては少しうっとうしい役になりそうなところもありますが、今田さんだから大丈夫と、そこは信頼して書いています」
最後に「あんぱん」を通して伝えたいメッセージを尋ねると、「『なんのために生まれて なにをして生きるのか』という『アンパンマンのマーチ』の歌詞に込められたメッセージもそうですが、やっぱり戦争によって大切な人との別れや飢えを経験して、その果てに『アンパンマン』が生まれたということがすごく尊いことだと感じています。今回ドラマとして構成していく中で、改めて強く感じたので、やなせさんの精神、全てを伝えたいですね」としみじみ語っていた。
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