ちいかわ
第253話 シーサーの資格(5)
3月18日(火)放送分
日本テレビ・BS日テレほかで放送中のテレビアニメ「花は咲く、修羅の如く」。原作は、小説「響け!ユーフォニアム」シリーズで知られる武田綾乃さんで、むっしゅさんがマンガを担当。人口600人の小さな島・十鳴島(となきじま)に住む春山花奈が、すももが丘高校放送部に入部し、放送部のメンバーと共に大好きな朗読を深めていく姿を描いており、2021年にアニメ「ワッチャプリマジ!」で声優デビューした18歳の藤寺美徳さんが演じる花奈の朗読シーンも話題になっている。放送部の1年生を演じる花奈役の藤寺さん、夏江杏役の和泉風花さん、冬賀萩大役の千葉翔也さん、秋山松雪役の山下誠一郎さんに、作品への思い、収録の裏側を聞いた。
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ーー作品や自身が演じるキャラクターの印象は?
藤寺さん 放送部の活動やNコンなど自分の知らなかった世界を教えてくれる作品です。私は朗読に関する知識があまりなかったのですが、声優として活動していく上で勉強になることばかりです。花奈ちゃんがいろいろな人と出会い、成長していく姿を見て、すごく応援したくなるとも感じています。箱山先輩が、花奈ちゃんのことを「真っ白」と言っていますが、本当にその通りです。真っ白だから、これから何色にでも染まる。すごく素直で、一見、内気でおとなしそうに見えるけど、ここだけは譲れないというものが見える瞬間もあります。読み進めるうちに、印象が変わり、前向きなキャラクターだと感じるようになりました。
和泉さん 花奈ちゃんは純粋で、キラキラしていますし、最初は輝かしい放送部生活が描かれていると思っていたのですが、何かを目指すということに対する現実的な部分もしっかり描かれています。私も声優を目標に頑張っていた時期があり、今でもオーディションで毎回勝負をしているので、すごく共感しました。読む人によって感じ方は違うのかもしれません。キラキラした部分を受け取って憧れるかもしれませんし、現実的な部分もある中で、でも頑張りたい!とも感じるでしょうし、いろいろな受け取り方ができる作品です。杏ちゃんは、自分というものを強く持っていて、自分のことを分析できるので、弱い部分を自覚しています。だからこそ、持っている強い気持ちもあります。女子高生ならではの危うさもあったりして、可愛いんですね。
千葉さん 才能の描き方がすごくいいんですよね。朗読には、正しい読みが間違いなく存在する。正解があるのに、それ以上の感動があったり、世界をより広げる表現もあります。ロマンと現実が共存していて、そこを描いている作品です。才能に打ちひしがれる人など残酷な描写もあるけど、ロマンがあるというバランスがしっかりあるんですよね。お芝居には「正解はない」と言われることもあるけど、僕は「正解はある」とも思っています。自分の感性で感動できないものは、その人にとっては「正解とは言いきれない」と思うんです。自分のやっているものに責任を持たなければならない。正解がないことを甘えにしてはいけない。冬賀は、朗読を「やらない」「興味ない」と言っているけど、花奈ちゃんの朗読に感動できる感性を持っています。全ての言葉にちゃんと意味があって発言しているから、無駄を削ぎ落としているところがあって、無駄のない到達点だなと感じています。
山下さん どう読んでも熱くなれる作品です。プロの世界は、ある程度の高水準のベースがあった上で、それぞれの価値観やこだわりがあり、どう味付けや色付けをしていくかが大切になってきます。そこに触れる面白さがあります。学生でも声とは関係ない仕事をしている人にも刺さるところが絶対にあると思っています。我々のような声を使う仕事をしていると「お前はどうなんだ?」と問われているようにも感じました。先ほど「正解がある」という話もありましたが、そこは自分も迷うところがあるんですよね。聞いた人に楽しんでもらえることが大切だと思っています。朗読劇に出演させていただいた時、どう感じられているかは100%分かるわけではないのですが、こういうふうに届くのか……と答えをもらったようにも感じたこともありました。
ーー藤寺さんは新人として花奈と共感するところもある?
藤寺さん あります。共感することばかりです。私はずっとお芝居が好き、何かを表現するのが好きで、この業界に入ったので、そういうところは花奈ちゃんと似ているところがあります。花奈ちゃんがいろいろなものを身につけていこうとする姿勢にも共感します。私と同じ高校生ですし、ぶつかっていく壁の一つ一つが分かる……と感じることが多いんです。
和泉さん 収録で(藤寺さんを)見て、「ああ、花奈だ!」とすぐになりました。真っさらなところも共通していますし、お芝居に取り組む姿勢も花奈ちゃんみたいに真っすぐなんです。すごいんです! 花奈ちゃんなんです。
千葉さん 原作を読んで、花奈ちゃんを放っておけない人たちが、花奈ちゃんに連れられて、みんなで頑張る話だと思っていたけど、収録で藤寺さんのお芝居を聞いてから、花奈ちゃんが引っ張る話なんだと感じるようになりました。花奈ちゃんは、もっと暗さもある芝居を想像していたけど、実際は全然そんなことないんです。藤寺さんのパッション、前向きな気持ちが乗っていて、自分の想像で花奈ちゃんを狭めていたと思わされました。収録で正解を見せられているんです。朗読のシーンがやっぱり印象的です。「すごい!」と言われている朗読を表現している。それっぽいとかじゃないんです。何かのまねごとでもない。聞いていて楽しいんです。技術は身につけることができるけど、センスは、ある人にはあるし、ない人にはない。そのセンスを感じます。
山下さん この言葉を使うのはデリケートなところもあるのですが、大前提としてうまいんですよ。教科書通りじゃないうまさなんです。さらに、花奈ちゃんと重なる部分がある。正直、この若さでここに達しているのは、怪物的です。僕自身、藤寺さんの年齢の頃は、スタートもできていないですしね。礼儀正しくて、現場でもいつも丁寧。世界で一番、花奈ちゃんを理解できる人なんじゃないかな。末恐ろしいです。僕が同性だったら、嫉妬で感情がぐちゃぐちゃになるかもしれない。心が折れると思う。
千葉さん 無欲なんですよね。「こうやるぞ!」という謎の欲が生まれてくるものだけど、それがない。
山下さん 10年後、藤寺さんがこの作品を見返した時に、どう感じるかも気になります。
和泉さん 今の美徳ちゃんの魅力が詰まっていますしね。
ーー作中で「読みに力がある」と表現されています。
千葉さん 難しいよね。
山下さん そうそう。日笠さん(西園寺修羅役の日笠陽子さん)も言っていた。
千葉さん 子供への読み聞かせのシーンがすこぶるいいですね。清らかな気持ちで読み聞かせている。
和泉さん 「可愛い!」って言っていたよね。
千葉さん 真剣に子供に向き合っている優しさがあって、可愛らしいんです。
和泉さん 同じ声優として共演する中で、刺激を受けています。
藤寺さん 求められるハードルが高いんですよね……。まず、自分が朗読するならどうするのか?と考え、その後、花奈ちゃんが何を思って朗読するのか?と考えています。それがすごく楽しいんです。現場では、家で練習した時とは、違うものが出てきますし、もっと朗読してみたい!となります。
インタビュー(2)に続く。
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