井上尚弥選手:世界戦で24戦全勝は「すごいことなんだと思う」 1月の防衛戦を振り返る特別番組がWOWOWで放送・配信

3月24日放送・配信の『井上尚弥出演!エキサイトマッチSP「井上尚弥vsイェジュン」』にスペシャルゲストとして出演する井上尚弥選手=WOWOW提供
1 / 7
3月24日放送・配信の『井上尚弥出演!エキサイトマッチSP「井上尚弥vsイェジュン」』にスペシャルゲストとして出演する井上尚弥選手=WOWOW提供

 4団体統一世界スーパーバンタム級王者の井上尚弥選手が1月24日に4回KO勝ちしたキム・イェジュン選手(韓国)との防衛戦を、本人の解説で振り返る特別番組が、3月24日午後9時からWOWOWで放送・配信される。世界戦で日本人最多の24戦全勝(22KO)に記録を伸ばした井上選手は、番組の収録を終えて代表取材に応じ、WOWOWが4日、その内容を公表した。

あなたにオススメ

 ーー延期や相手変更など紆余曲折がありましたが、動揺はなかったですか。

 そのときは何も思わなかったです。試合ができるのであればコンディションを整えるだけなので。だから「やるしかない」という気持ちしかなかったし動揺はなかったです。

 ーー本格的な減量に入ってからの延期だったのでは?

 10日前だったので、ある程度の減量も終盤でした。ここから1カ月と10日、どう過ごそうかと思いました。長いとは感じなかったが、終わってみたら長かった。10日間だけ食事も自由にして開放しました。

 ーー1月に今度は対戦相手が変更になりました。さすがに困惑したのではないですか。

 キムはスイッチヒッターだけれど直近の2試合はサウスポーで戦っていると聞いたので、サウスポー対策をしました。でも映像を見る時間と対策の時間はいつもよりも短かったです。

 ーー今回のキム戦、どんなスタートをイメージしていましたか。

 1、2ラウンドは相手の出方をうかがいました。右構えで来るのか左構えで来るのかも分からなかったので慎重にいきました。

 ーー2ラウンドぐらいから圧力をかけて出ましたね。

 どのパンチも当たるように考えて戦った。1ラウンドが終わって相手の力量などは分かったが、見切れないものもありましたが、それほど読みづらいサウスポーというわけではなかったです。

 ーー4回はどう考えて戦っていましたか。

 こちらが打ちながら相手を前に出させて、来たら打つということを考えていました。

 ーー右ストレートでフィニッシュでした。

 いつも一つひとつのパンチを的確に入れるということを心掛けている。パワー、スピードよりも的確性、どう急所にパンチを当てるかを考えています。

 ーー紆余曲折はあったものの、全体的に動きは良かったように見えました。

 8週間で仕上げるスパンは参考になりました。今後のビッグマッチのときに生かせそう。ただ、良かったところもあるし、そうではないところもありました。

 ーーこれで世界戦24連勝22KO。歴代9位タイの世界戦勝利数。これらの数字は意識していますか。

 意識はしています。すごい記録なんだなと思っています。

 ーー次は5月ですね。

 はい、次が5月にラスベガス、9月に日本、その次が12月にサウジアラビア。今年はキム戦を含めて4試合やる計画。そして来年の春ぐらいに皆さんが期待している試合をやれればいい。路線としてはそんな感じです。

 ーー5月の試合について。アラン・ピカソ(メキシコ)戦が消滅し、ラモン・カルデナス(アメリカ)の名前が挙がっています。映像はチェックしました?

 チェックはしました。映像は見ている。以上! あとは察してほしい(笑)。

 ーーとなると9月は日本でムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との対戦?

 そういうことになるのかな。で、12月がフェザー級に上げてニック・ボール(イギリス)。でも自分の希望としては4団体王座を保持したままボールとやりたいが、各団体がどう判断するのか。

 ーー4本のベルトにこだわりがあるということですか?

 来年の春の試合を見据えた場合、4本のベルトは持っていた方がいいと思う。そのために防衛戦をクリアしていかなければいけないと思います。

 ーーその中谷中谷潤人選手との対戦を期待する声が高まってきています。

 日本のファンが楽しみにしている試合。(中谷は)実力もついているし、強いと思います。ダビド・クエジャル(メキシコ)戦などを見ると力強さがあるし、倒すべき時に倒している。倒す能力が非常に高い選手だと思います。来年の春に実現できればいいし、もしもその試合が実現しなければ別の道もある。今年は(キム戦を含め)4試合になると思います。

 ーー中谷選手にも「もっとベルトを集めておいてね」という希望はありますか。

 実力は認めますけど、では、どれだけの激戦を越えてきたのかというとどうなのか。周りが納得する相手と戦って結果を出していってほしい。お互いが勝ち進めば盛り上がると思うので。

 ーー次戦がラスベガス。コロナ禍のときは無観客試合、2試合目はそれほど大会場ではありませんでした。

 ラスベガスで試合をするのは楽しみですが……。はたして会場が埋まるのかなと。今度は大きな会場だと聞いているので。

 ーーコンディション調整には気を遣いますか?

 そこは日本と違う。乾いているので、そこは気をつかいますね。

 ーースーパーバンタム級でも減量がキツくなってきた?

 全然問題ないです。いまはスーパーバンタム級がベスト体重。だからボールと戦ったあとスーパーバンタム級に戻るつもり。

 ーーラスベガスでどんな戦いをしてアピールしたいですか?

 そこにこだわってしまうと自分のボクシングが崩れてしまう可能性があるので、ラスベガスだからというのはないです。アピールというのであれば日本での試合と同じ。そういう試合ができれば自ずとラスベガスでもアピールできると思います。

 ※……特別番組『井上尚弥出演!エキサイトマッチSP「井上尚弥vsイェジュン」』は3月24日午後9時からWOWOWライブ、WOWOWオンデマンドで放送・配信。井上選手がスペシャルゲストとして出演し、ジョー小泉さん、西岡利晃さんが解説を担当する。同番組では、井上選手とキム選手のタイトルマッチのほか、OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィックウエルター級王者、佐々木尽選手が坂井祥紀選手と対戦した試合の模様も放送・配信する。

写真を見る全 7 枚

テレビ 最新記事