奥平大兼:「以前から親交がある」蒔田彩珠との共演「ちょっと違和感というか不思議な感覚」 松坂桃李主演「御上先生」

TBS系日曜劇場「御上先生」に出演する奥平大兼さん(C)TBS
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TBS系日曜劇場「御上先生」に出演する奥平大兼さん(C)TBS

 俳優の奥平大兼さんが、松坂桃李さん主演で1月19日にスタートするTBS系日曜劇場御上先生」(日曜午後9時)に出演。主人公の御上孝(松坂さん)が官僚派遣制度によって赴任した私立高校「隣徳学院」で担任を受け持つ3年2組の生徒、神崎拓斗を演じる。神崎はジャーナリスト志望のカリスマ性のある生徒という設定だ。奥平さんに、「1年ぶりの学園もの」という今作の撮影中の雰囲気や2025年の抱負などを聞いた。

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 ◇顔に超接近するカメラで日曜劇場を実感

 「御上先生」は、日本の教育を変えようという思いを持つ文科省官僚の御上孝(松坂さん)が私立高校「隣徳学院」への出向を命じられる。実質、左遷人事だったが、御上は自ら教壇に立ち、令和の時代を生きる18歳の高校生を導きながら、権力に立ち向かっていく……という“大逆転教育再生ストーリー”。

 完全オリジナルの学園ドラマで、松坂さんの主演映画「新聞記者」以来のタッグとなる詩森ろばさんが、ゴールデン帯の連続ドラマで初めて脚本を担当。「アンチヒーロー」(2024年)、「VIVANT」(2023年)など話題になった日曜劇場を担当してきた飯田和孝さんがプロデューサーを務める。

 生徒役29人は昨年、全員オーディションで選ばれた。「オーディションがすごく好き」という奥平さんは純粋に「楽しみ」という気持ちで受けたという。その結果、「日曜劇場」に初めて出演が決まり、奥平さんは「今までたくさんの名作がある枠に出させていただくのはとても光栄だなと思います」と語る。

 決まったときは日曜劇場について、「そこまで意識してなかった」というが、撮影が始まり、「特有の(顔に超接近する)ここまで来るカメラのシーンを撮影して、『ああ日曜劇場だ』って初めて感じました。自分が超接写をやられてから、今までの日曜劇場でのそういうシーンが頭の中に浮かんで、すごいチームでやらせていただいてるんだなって実感し始めましたね。」と話す。

 ◇29人の同世代の生徒役「シンプルにうるさいですね(笑)」

 奥平さんは2003年9月20日生まれ、東京都出身の21歳。学園ドラマは、「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系、2023年)に続いて2度目の出演となる。

 「やっぱり大人数でお芝居するってすごく大変ですし、時間もかかる。そういう気持ちもあったんですけど、楽しみの方がとても大きくて。何人かもう共演したことある人がいるんですけど、初めましての方もたくさんいますし、役柄も違いますし。あとどれぐらい学園ドラマができるんだろうというちょっとした寂しさもあり、いろんな気持ちを抱きながらクランクインしました」

 撮影が始まると、「みんな同世代なんで、シンプルにうるさいですね」と笑う。

 「本当に学校にいるような感覚になれるというか。ある程度年齢差はあるとはいえど、みんなタメ口になってきていて、本当に自分が高校生に戻ったかのような。くだらない話もしますし、そこが学園ドラマやっているなと感じるところで、すごいいいなと思うところなんですけれど、一方で、クラスのシーンだと、1人がしゃべってるときにその他の生徒もその教室にいなきゃいけないので、自分にせりふがないシーンだと集中力がどうしても続かないのが悩み」と語る。

 カメラが回っていないところでは、「お菓子の減る量が半端ないです(笑)。みんなでお菓子を食べまくって、本当に異常なスピードで無くなるんですよ。それが面白いですし、みんな楽しそうだなって思いますね。あと、みんなめちゃくちゃ写真を撮ってます。自前のカメラを持参している子もいますし、スマホで撮ってる子も。その写真を共有してくれるんですけど、ものすごい量で。映画の現場の1カ月分の量が1日で届きます。自分が写っている写真を探すのが大変ですけど、ありがたいですし、個人のSNSとかにいずれ上がると思うので、そういうのをどんどん見せていけたらなって思いますね」と語る。

 ◇松坂桃李の現場での雰囲気は「ものすごくラフな方」

 奥平さん演じる神崎拓斗は報道部の部長で、ジャーナリスト志望。新聞記者の父親に対しては尊敬と反発の入り混じった複雑な感情を抱いている。正義感があり成績優秀だが、喜怒哀楽を表に出さないタイプ。クラスの空気を支配してしまうようなカリスマ性がある生徒だ。

 「クラスのカリスマみたいに紹介されていますけど、あんまり自覚はなくて。背伸びして大人ぶっていて、いい家で育って、やりたいことをやっている子。それが御上先生に出会って、多分それまで打ち負かされたことがなかったような子が、初めて家族以外に打ち負かされて。3話あたりを今撮ってるんですけど、完璧な人間だって思ってたやつが打ち負かされると、自分でどうしたらいいのか分からなくなり、どうしようもない気持ちになるというか。神崎は悩むことが多すぎるというのもありますし、簡単な役ではないので、毎シーンどうすればいいのか、僕的には難しくて、監督と結構話し合ったりしていますね」と明かす。

 御上先生役の松坂さんは、カメラが回っていないところでは「ものすごくラフな方」と表現する。

 「神崎と1話からバチバチなので、ある程度、距離とか置くのかなと思ってたんですけど、全然そんなことなくて、すごく気さくに話しかけてくれました。お芝居する上で、ガチガチに緊張しないで済むのは松坂さんの人柄なのかなって思います。すごいなって思うのは、せりふを噛(か)まないこと。難しいことを言ってるし、長いせりふも淡々としゃべって、全然噛まない。僕はめちゃくちゃ噛むので、すごいなと思いますし、1対1でお芝居してるときは本当に楽しいですね。クラスにいるときは本当の先生みたいな目線でニコニコしながら生徒を見ていて。たまに生徒たちの会話に混ざるときもありますし、結構達観して見ているときも多いですね」

 クラスメイトでは、「最高の教師」で共演した窪塚愛流さんの「お芝居がすごい好き」だという。「本当に彼にしかできないようなお芝居をするんですけど、そのときとまた違った感覚を覚える」と話す。

 幼なじみのクラスメートの富永蒼を演じる蒔田彩珠さんとは、「共演を楽しみにしていた」と語る。

 「蒔田さんと共演するのは初めてなんですけど、以前からちょっと親交があって。僕が多分デビューして1年目のときに、結構いろんな映画賞にお邪魔させていただいたんですけど、そのときにちょうど蒔田さんも新人賞とか『朝が来る』(2020年)という映画で助演女優賞などを受賞して授賞式で会っていて。そのときはまだ話もしたことがなかったんですが、同世代で、すごくいいお芝居する子がいるなというのが頭の中にはあって。いつか共演してみたいなって思っていたら今回ドラマも一緒になって。でも親交があってからの共演なので一緒にお芝居するのがちょっと違和感というか、なんか慣れないなみたいな。楽しいことは楽しいですけど、不思議な感覚がありましたね」

 ドラマの見どころとして、「多分普段生きていたら触れないような話だったり、ちょっと政治的なお話も出てくるので、そんなことを初めて知るきっかけになる作品だと思うんです。いろんな制度とか、現実世界でちょっと問題になってるようなことで知られにくいこともたくさんあると思うので、それらを知っていただくきっかけになるだけでも、とても良いと思いますし、それで本当に良い方向に変わったりしたら、なお良いと思いますね」とメッセージを送る。

 ◇共演の北村一輝から贈られた言葉を胸に「自由なお芝居を」

 神崎はジャーナリスト志望だが、奥平さん自身が気になるニュースは?

 「幸せなニュースですかね(笑)。世界で何が起こってるとか、例えば日本で何が起きているのか知るのも大事だと思うんですけど、僕自身は、動物のニュースとかそういうの見ている方が……。というか、そういうのばっかり見ていたいです」と笑う。

 最後に2025年の抱負を聞いた。

 「今回、北村一輝さんと2度目の共演なんですけど、北村さんが以前、僕に『自由にお芝居をする感じをなくさないでほしい』と言ってくださって。技術的なことだったり、考えながらお芝居するってすごく大事だと思うんですけど、とらわれすぎるのも良くないなと思ったので、2025年はそういうのを1回忘れてみようかなと思います。一度、本当にピュアに、自由にやってみてもいいのかなと思うので、1回くらい試してみたいなと思っています」と語った。

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