青山吉能×瀬戸麻沙美:劇場版「オーバーロード」インタビュー 収録はエンジン全開! 譲らないネイアと揺るがないシズ

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 丸山くがねさんのライトノベルが原作のアニメ「オーバーロード」の最新作「劇場版『オーバーロード』聖王国編」が、9月20日に公開される。テレビアニメが第4期まで放送された人気作で、シリーズ初の完全新作劇場版となる。聖王女カルカを元首とするローブル聖王国に、魔皇ヤルダバオトと亜人連合軍が侵攻し、崩壊の危機を迎える中、アインズ・ウール・ゴウン魔導国に助けを請う……というストーリー。ローブル聖王国の聖騎士団の従者のネイア・バラハら新キャラクターも登場する。劇場版の鍵を握るネイア役の青山吉能さんは「オーバーロード」に初めて出演する。青山さん、ネイアと共に劇場版で活躍するシズ・デルタ役の瀬戸麻沙美さんに「オーバーロード」への思い、収録の裏側を聞いた。

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 ◇ネイアの劣等感と憧れを表現

 --「オーバーロード」の魅力は?

 青山さん とにかく壮大! 最初は小さかった思惑が、多くの物事を巻き込んで壮大になっていくという印象があります。丸山先生は何でこんなことを思い付くの!?とびっくりします。「聖王国編」は劇場版ならではの残虐なシーンもあり、やっぱりすごい……と思ったりしました。国を超えて愛されている作品ですし、私が参加させていただけるなんて!とうれしい気持ちがありました。

 瀬戸さん 「聖王国編」は、一国の歴史を切り取ったような壮大な物語で、「オーバーロード」らしさを感じます。鈴木さん(アインズの現実世界での名前)の心の声が漏れることによって、冷静になって作品を俯瞰(ふかん)できるのも「オーバーロード」の魅力ですし、個性的なキャラクターもこの作品らしさなので、そんな魅力が詰まった劇場版になっていると感じました。

 --青山さんが演じるネイアの印象は?

 青山さん 負けたくない!という気持ちがすごく強い子だと思います。生い立ちを考えると、母が聖騎士で、父はすご腕の弓使いだけど、自分は見習いのような立場なので、劣等感もあるはずです。劣等感があるということは、プラスの意味で捉えると、憧れが強いということなので、そこを失うことがないように演じようとしました。叱責されるシーンもありますが、本心から謝っているわけではなくて、自分の信念は絶対に譲らない。譲ってしまうと、負けてしまう!という意識があるんだと思います。そこも意識しながら演じていました。

 瀬戸さん シズは表情が乏しく、言葉も少ないけど、自分の考えたことを曲げないところもありますし、ネイアと似ているところもあるのかもしれません。だからお互い惹かれ合うところがあるんでしょうね。

 青山さん そうですね!

 --シズは感情表現に乏しく、口数も少ないキャラクターです。演じる際に意識していることは?

 瀬戸さん シズは、ミニアニメやゲームで演じる機会が多いのですが、実はテレビシリーズでは1回しか出ていないんです。間隔が空くと、少し迷うこともあったのですが、これまで「可愛くなりすぎないように」というディレクションがありました。シズは見た目が可愛いけど、可愛いすぎるキャラではないので、落ち着いたトーンで、感情の起伏をなるべくなくすようにしています。「聖王国編」ではこれまでよりもせりふ量が多く、改めてシズに向き合いました。ネイアとの掛け合いが多く、切迫している状況では焦りたくなりますし、ネイアに引っ張られそうにもなるのですが、自分の中でその気持ちを抑えようとしました。

 ◇青山吉能は負けず嫌い?

 --2人で一緒に収録できた?

 瀬戸さん そうですね。2日間掛けて収録しました。

 --青山さんはせりふ量が多いようですが、ハードな収録だったのでは?

 瀬戸さん (青山さんの)集中力がすごかったです!

 青山さん ずっとエンジン全開でした。一度、エンジンを止めると、また全開にしないといけませんし、ずっとエンジンを吹かすことができて、ありがたかったです。生天目さん(レメディオス・カストディオ役の生天目仁美さん)と一緒にずーっとエンジンを吹かしていました。生天目さんから、こっそりのどあめをいただいたり、温かい現場でした。

 瀬戸さん 瀬戸としては一緒に頑張ろうね!という気持ちですが、シズは無感情なキャラクターなので、心苦しいところもありました。

 青山さん 瀬戸さんが収録を終えられてから、お水をくださってすごくうれしかったです!

 瀬戸さん 私の収録は終わりましたが、(青山さんは)ここからもう一踏ん張りなんだな……と思うと、何かしたかったんです。

 --2人はこれまで共演経験があった?

 青山さん ここまでがっつりご一緒させていただくのは初めてです。

 瀬戸さん 青山さんはやっぱり集中力がすごいです。偉そうな言い方になってしまいますが、ネイアと心が通じていて、ぴったりだと思っていました。負けず嫌いだったりするんですか?

 青山さん 負けず嫌いです!

 瀬戸さん ご本人とキャラを一緒にするのは失礼なのですが、パワーがあって、リンクしているようにも感じていました。

 青山さん 瀬戸さんとは、やっとご一緒できる!とうれしかったです。シズは抑えるお芝居ですが、温かみと柔らかさみたいなものを感じていました。戦闘シーンになると、私だったら力みが出てしまって、シズにならなくなりそうですが、瀬戸さんのお芝居は熱があるのに、シズであることが揺らがなくて、どういう技術なの?と思っていました。

 瀬戸さん 私は長い間、シズを演じていた“シズ歴”があるからできたのかもしれません。ゲームの収録で最初の頃、どれくらい力を入れますか? 可愛さはどれくらい出すのですか?と相談しながら演じていたこともあり、引き出しができていて、演じられたところもあります。

 ◇“役満”日野聡のすごさ!

 --アインズ役の日野聡さんと共演する中で感じたことは?

 青山さん テレビシリーズを見ていましたが、生でアインズ様の声を聞いた時、包容力にうわーっ!となりました。何てぜいたくな経験をさせていただいたんだ!とネイアが心酔する気持ちが分かりました。温かく、優しく、そして強く……と日野さんのお声は役満です。あの包容力は一体どうやって!?と役者として気になって仕方がありません。

 瀬戸さん 重く、響き渡る低音、圧も感じて言葉に説得力があるんです。ネイアに対して懐柔するつもりがなくても、なぜか信じてしまうようで、本当にすごいんです。シズとの会話は、ちょっと鈴木さんがにじみ出ていて、人格者であることを感じます。シズに対しては、お父さんみたいなところも感じられますし、やっぱり包容力があるんですよね。

 --最後に公開を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 青山さん 「聖王国編」はネイアの目線で描かれているところもあって、これまで「オーバーロード」を見てこなかった方も、ネイアの目線で作品の世界を楽しむことができると思います。もちろんこれまでのファンの方も楽しめるところが満載で、ネイア以外にもさまざまな目線で楽しめる劇場版になっています。何度見てもさまざまな気付きがあるので、ぜひ何度でも劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。

 瀬戸さん アインズ様が格好よく、ネイアが変化し、最後は……と「オーバーロード」ならではの世界観を楽しめる劇場版になっています。劇場版ならではの迫力のある映像、重厚なストーリーなどをじっくり楽しんでいただけると思います。

 「オーバーロード」は、シリーズ累計1400万部突破したダークファンタジー。テレビアニメ第1期が2015年7~9月、第2期が2018年1~4月、第3期が2018年7~10月、第4期が2022年7~9月に放送された。「劇場版『オーバーロード』聖王国編」は、IMAX版が9月13日から先行上映されている。

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