今年4月に92歳で死去した孤高の天才ピアニスト、フジコ・ヘミングさんのドキュメンタリー映画「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」が10月18日に公開されるのを記念して、WOWOWはフジコ・ヘミングさんが出演するコンサート番組、対談番組、映画の計6作品を、映画公開日に一挙に放送・配信すると発表した。

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　映画「恋するピアニスト フジコ・ヘミング」は、2018 年に異例のロングランヒットを記録した映画「フジコ・ヘミングの時間」以降の4年間を追ったドキュメンタリー映画。世界中が止まったコロナ禍、そして少女時代に経験した戦時下においても、自分が愛すべき音楽に向き合ってきた姿を記録し、その力強い指先から生み出される癒やしの音色とともに、フジコ・ヘミングさんの人生に迫ったドキュメンタリー作品だ。

　「映画『恋するピアニスト フジコ・ヘミング』公開記念特集」と題してWOWOWが放送・配信するのは、コンサート番組3本、フリーアナウンサーの古舘伊知郎さんとの対談番組1本、映画作品2本の計6本。

　番組のラインアップは以下の通り。いずれもWOWOWライブ、WOWOWオンデマンドで放送・配信。

　◇10月17日午後5時半＝「フジコ・ヘミング ソロコンサート ～いと小さきいのちのために～ WOWOW Special Version」

　2017年12月1日に、動物愛護のための開催したチャリティーコンサート。映画『フジコ・ヘミングの時間』のクライマックスを飾るシーンとして登場した。フジコさんはショパンの「エオリアンハープ」やドビュッシーの「月の光」など名曲の数々を披露した。

　◇10月17日午後6時半＝「フジコ・ヘミング 教会ソロ演奏 2020 ～くすしき調べ、とこしえなる響き～」

　フジコ・ヘミングさんの音楽や世界観を届けるWOWOWオリジナル特別番組。2020年8月4日、阿佐ヶ谷教会（東京都杉並区）で無観客で行われた演奏を収録。教会という厳かな空間の中で、フジコさんは「亡き王女のためのパヴァーヌ」「ラ・カンパネラ」などのスタンダードなクラシックを中心に披露。ナビゲーターとして、シンガー・ソングライターで牧師でもある陣内大蔵さんを迎え、フジコさんとの対談も含まれている。

　◇10月17日午後8時＝「フジコ・ヘミング ソロコンサート “COLORS” ～色を付けるように弾く～ presented by WOWOW」

　2023年1月16日に神奈川県民ホール大ホール（横浜市中区）で開催されたソロコンサートを収録。ドイツで生まれたフジコさんは幼少だった1930年代初め、家族で日本に渡り、横浜の桟橋に降り立ち、そこから彼女のドラマティックな人生が始まった。フジコさんにとって思い出の地である横浜での一夜限りのスペシャルコンサートとなった。

　◇10月17日午後9時半＝「フジコ・ヘミング×古舘伊知郎 “COLORS” ～夢をつかんだ手～」

　フジコさんと古舘伊知郎さんとの対談と、コンサート“COLORS”を新たなテーマで再編集した映像で構成される特別版。トークセッションでは、古舘さんがフジコさんの内面に迫り彼女の知られざる思いを解き明かす。また、コンサートブロックでは、演奏時に鍵盤の上でダンスをするような優雅なフジコさんの指の動きにもフォーカスした番組。

　◇10月17日午後11時＝映画「ざわざわ下北沢」

　流行とノスタルジーが同居する東京・下北沢を舞台にした2000年公開の映画（市川準監督）。20歳の有希（北川智子さん）は小さなカフェでアルバイトをしており、同店は、ある劇団の座長兼看板俳優の九四郎（原田芳雄さん）や、有希の恋人の達也（小澤征悦さん）をはじめとする常連客でにぎわっていた。だがこの街に愛着を感じながらも有希は、それでいいのかと疑問を抱く。叔母のフジ子（フジコ・ヘミングさん）らとの交流を通じ、次第に自分を変えなければという思いを強めていく……。

　◇10月18日午前0時45分＝「フジコ・ヘミングの時間」

　60代後半になって遅咲きのデビューを果たし、一躍人気となった奇跡のピアニスト、フジコ・ヘミングさんの知られざる素顔と魅力に迫ったドキュメンタリー映画（2018年）。当時、80代のフジコさんはパリの自宅を拠点に、コンサートで世界各地を回る多忙な毎日を送っていた。ワールドツアーの様子やプライベートな日常を2年間にわたって密着取材し、生い立ちや、波瀾万丈（はらんばんじょう）の幼少期、青春時代、そして飾らない現在の素顔に迫る。