解説:2024年は“刑事モノ”の当たり年! 30年ぶり復活の「ビバリーヒルズ・コップ」など、懐かしの名作が続々封切り 注目の4作をピックアップ

Netflix映画「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」の米国版キービジュアル=Netflix提供
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Netflix映画「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」の米国版キービジュアル=Netflix提供

 米俳優のエディ・マーフィさんが主演を務める映画ビバリーヒルズ・コップ」シリーズの30年ぶりの新作「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」(マーク・モロイ監督)が、7月3日からNetflixで配信されている。2024年は、同作のほかにも、懐かしの刑事映画・ドラマの続編が続々と封切りとなり、まさに刑事モノの“当たり年”と言えるだろう。ここでは、特に注目の4作品を紹介する。

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 ◇30年ぶり! エディ・マーフィが“スーパー刑事”に

 「ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー」は、エディ・マーフィさん演じる腕は確かだが型破りなデトロイト市警察の“スーパー刑事”アクセル・フォーリーが、ビバリーヒルズで難事件に挑む人気アクションシリーズの第4作。

 今作では、久々にカムバックしたアクセルの娘の命が危険にさらされ、ジョセフ・ゴードン=レヴィットさん演じる新たな相棒と組んで事件を追うことに。これまでアクセルの相棒を務めてきたビリー(ジャッジ・ラインホルドさん)、タガート(ジョン・アシュトンさん)らおなじみの仲間の力も借りながら、悪の陰謀に挑んでいく。

 日本語版の吹き替え声優として、アクセル役を山寺宏一さん、アクセルの相棒・ビリー役を井上和彦さん、ジョン・タガート役を池田勝さん、“サージ”ことセルジュ役を堀内賢雄さんが担当するなど、懐かしいメンバーが集結したことも話題になっている。

 ◇タカ&ユージが8年ぶりにスクリーンに帰ってきた!

 公開中の映画「帰ってきたあぶない刑事」(原廣利監督)は、舘ひろしさんと柴田恭兵さん演じる破天荒な刑事コンビの活躍を描いて人気を博した「あぶない刑事(デカ)」の最新作。「さらば あぶない刑事」(2016年)以来、8年ぶり8作目の劇場版で、おなじみのメンバーも続投している。

 今作では、定年退職して刑事を引退したタカ(舘さん)とユージ(柴田さん)が再び横浜に戻り、「T&Y探偵事務所」を開業。依頼人第1号として、どちらかの娘かもしれない彩夏(土屋太鳳さん)が現れ、母を探してほしいという。捜索を始めると、チャイニーズマフィア、謎の美女、元銀星会組長の息子が企む横浜新カジノ構想などが絡んできて……と展開。6月25日現在で興行収入約14億円、観客動員数は100万人に達している。

 ◇マイク&マーカスの“悪童”コンビ再び! ウィル・スミスのスクリーン復帰作に

 公開中の映画「バッドボーイズ RIDE OR DIE」(アディル・エル・アルビ監督、ビラル・ファラー監督)は、米俳優のウィル・スミスさんとマーティン・ローレンスさん主演のバディーアクションの第4弾。1995年公開の第1作から、足かけ29年にわたる人気シリーズで、ウィル・スミスさんのスクリーン復帰作でもある。

 マイアミ市警の敏腕ベテラン刑事コンビ「バッドボーイズ」ことマイク(ウィル・スミスさん)とマーカス(マーティン・ローレンスさん)。ある日、彼らの亡き上司ハワード警部(ジョー・パントリアーノさん)に、麻薬カルテルと関係があったという汚職疑惑がかけられる。無実の罪を着せられた上司のため、独自に捜査を始めた2人は、容疑者として警察からも敵組織からも追われる身に。上司が残した最後のメッセージ「内部に黒幕がいる。誰も信じるな!」という言葉を胸に、汚名返上のため、命がけの戦いを繰り広げ……と展開する。

 ◇「踊る」プロジェクト新作は室井慎次が主人公に

 1997年に連続ドラマとしてスタートし、社会現象となった「踊る大捜査線」シリーズ。織田裕二さん演じる主人公で、脱サラをして湾岸署刑事課に配属された異色の警察官・青島俊作や、本庁のキャリア組の室井慎次(柳葉敏郎さん)をはじめとした個性的なキャラクターたちが、刑事の理想と現実とのギャップに困惑しつつも、真摯(しんし)に事件に向かっていく姿を、時に熱く、時にユーモアを交えながらリアルな描写で描き、人気を博した。

 そんな人気シリーズの約12年ぶりの新作は、室井が主人公の2部作「室井慎次 敗れざる者」(10月11日公開、本広克行監督)、「室井慎次 生き続ける者」(11月15日公開、同)。公開されたティザー映像では、デッキでくつろぎ、秋田犬と散歩する室井の故郷での穏やかな生活から一転、地元住民たちが「あんたがいると迷惑だ、出ていってくれ」などと室井たちを拒否、次第に軋轢(あつれき)が生まれていく様子や、「花が枯れていた……」と室井が通報したことにより、のどかな風景の中ににおびただしい数の警察官、ヘリや警察車両が続々とやってきて、室井の周りに事件の影が忍び寄る様子が収められている。

 かつて夢中で楽しんだ刑事ドラマが、再び新たな物語としてスクリーンに帰ってくる。当時のファンはもちろん、新作で初めて知ることになる若い世代も、期待しながら公開を待ちたい。

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