故・田村正和さん演じる刑事・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを、卓越した推理力で解いていくフジテレビの人気ドラマシリーズ「古畑任三郎」。1994年の放送開始から30周年を迎えたことを記念して、フジテレビの平日午後1時50分~3時45分の再放送枠「ハッピーアワー」で各日2話ずつ放送されている(関東ローカル、TVerとFODで配信)。ここでは、6月11日放送の第3シリーズ第1話を紹介する。
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歌舞伎俳優の当時の市川染五郎(現・松本幸四郎)さんが、若手落語家役でゲスト出演した第3シリーズの第1話(初放送は1999年4月13日)。出演は田村さん、染五郎さん、石井正則さんら。脚本は三谷幸喜さん。
物語は……独演会を控えた人気の若手落語家、気楽家雅楽(染五郎さん)は、兄弟子の二つ目・気楽家苦楽(モロ師岡さん)の作った新作落語「タイムマシンで行こう」を演じたいと強く思っていた。
真打ちの雅楽は人気はあったが、古典の素養も新作を作る力量もない。そこで、兄弟子の新作を自分のものにしたかった。だが、苦楽に知られると落語家人生は終わる。雅楽は苦楽を亡き者にする完全犯罪を企てる。
雅楽は、師匠の気楽家有楽(梅野泰靖さん)に稽古(けいこ)を付けてもらうのを自分の代わりに苦楽に頼む。目の悪い師匠には変装していけば分からないと苦楽を説得。その間、雅楽は一門の事務所に忍び込み、真打昇進のリストを盗み出す。そこに苦楽のライターを置いておいた。
苦楽がアパートに帰ったのを見計らい、雅楽は苦楽を訪ねる。新作を欲しいと最後の交渉をするが、苦楽は取り合わない。雅楽は悲し気に苦楽の喉をかき切った。雅楽はその足で苦楽が演じる予定だった老人ホームへと急ぐ。これで、苦楽は真打ちに昇進できないことを苦に自殺を図ったことになるはずだった。
だが、苦楽は「煮干し」を握り締めて息絶えていた。このダイイングメッセージを古畑は見逃さなかった……。
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