故・田村正和さん演じる刑事・古畑任三郎が、完全犯罪をもくろむ犯人たちの難解なトリックを、卓越した推理力で解いていくフジテレビの人気ドラマシリーズ「古畑任三郎」。1994年の放送開始から30周年を迎えたことを記念して、フジテレビの平日午後1時50分~3時45分の再放送枠「ハッピーアワー」で各日2話ずつ放送されている(関東ローカル、TVerとFODで配信)。ここでは、6月11日放送の第2シリーズ最終第10話を紹介する。
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鈴木保奈美さんが、米国で出会った日本人女性役でゲスト出演した第2シリーズの第10話(初放送は1996年3月13日)。出演は、田村さん、鈴木さん、西村雅彦さんら。脚本は三谷幸喜さん。
物語は……福引きでニューヨーク旅行を引き当てた古畑(田村さん)は、今泉(西村さん)を伴い、米国でニューヨーク行きの深夜バスに揺られていた。
後部座席に日本人女性(鈴木さん)がいることに気づいた今泉は「ハックショイ」という日本語のくしゃみをきっかけに女性に話し掛けた。古畑も近づいてきて、今泉を追い払いながら自己紹介する。女性も「鵜飼です」とあいさつした。
鵜飼と名乗った女性はのり子・ケンドール。米国に来て12年になるという。古畑とのり子は、日本のテレビの話やクロスワードパズルを楽しみ、一方、今泉はコーヒーをこぼして黒人女性に殴られるなどさんざんな目に遭っていた。
「解けない謎はない」という古畑に、のり子は挑戦的に「友だちの話」と裁判で無罪とされた殺人事件を語り出す。6年前、米国のベストセラー作家が毒死した事件で、毒は日本人妻が夫にあげた和菓子に入っていたとみられた。それが死者が最後に食べた物だったことや夫の不倫で夫婦が不仲だったという動機も分かり、日本人妻は逮捕、起訴され裁判になったとのり子は淡々と語る。
しかし、夫が一つの和菓子を二つに割り、妻も一緒に食べたという目撃証言が裁判で明かされ、自分が食べるかもしれない和菓子に毒を入れる可能性は少ないと判断され、裁判で妻は無罪、夫の死は自殺と判断されたという。
「時間はたっぷりあります」と挑戦的なのり子。古畑は、何度ものり子の言葉を反芻(はんすう)し、推理を巡らす……。
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