海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
吉高由里子さん主演の大河ドラマ「光る君へ」(NHK総合、日曜午後8時ほか)に出演する毎熊克哉さん。ドラマのオリジナルキャラクターで、町辻で風刺劇を披露する散楽の一員・直秀を演じている。義賊としての顔を持ち、2月25日放送の第8回「招かれざる者」のラストでは、盗みに入った東三条殿でついに捕まってしまった直秀。その行く末が気になるところだが、役を好演中の毎熊さんに「直秀とは何者なのか」語ってもらった。
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散楽の一員として、当時の政治や社会の矛盾を面白おかしく批判しつつ、その一方で、まひろ(吉高さん)や道長(柄本佑さん)のことを気にかけるなど、視聴者にとっても不思議な存在でもある直秀。毎熊さんは「生い立ちとかは描かれていないのですが、明らかなのは、ちゃんとした家では育っていなくて、結構、早い段階から散楽のメンバーとは一緒にいたと思っています」と私見を口にする。
「他のメンバーもバックボーンは描かれていないのですが、帰る場所がないような人たちで。あくまで勝手な想像ではあるのですが、直秀という名も自分が考えたのかもしれないし、芸名なのかもしれない。それくらいの、自分の親の顔も分からないような生い立ちで、だからこそ散楽のメンバーは、血はつながっていないけど、本当の家族というふうに感じていると思います」
その反面、直秀は「愛情ってものに対してうらやましさがあるんじゃないのかなって気がする」とも推測する毎熊さん。
「権力や政治に対して批判的だったりもするけど、批判している自分に対して、どこか悲しみを抱いているイメージがありました。だから見ず知らずの身分違いの男女(まひろと道長)が互いに思い合っているのを目の前にして、これを『ネタにしてやろう』とはならない。その裏には、純粋に思い合っている2人に対して、どこかうらやましさがあるような気がしてならないんです」
ニヒルだったり、ちょっとひねくれていたり、それでいてさりげない優しさを見せたり、女性ファンが惹(ひ)かれるような“陰の部分”も持ち合わせている直秀。毎熊さん自身が“そういう人間に見えてくる”ほどの好演ぶりだが、実際に似ている部分はあるのだろうか。その一つの答えとして、毎熊さんは「栄養分」を挙げる。
「自分にとって、うまくいったりとか、幸せだったりするよりも、欠けている部分や悲しさが、『何かを演じる』という活動(俳優業)において『栄養分』になっている気がします。直秀も決して恵まれているわけではないじゃないですか? 反骨精神なのかなんなのか、何かしらの負のエネルギーを持って生きている気がして。そこは近いところかもしれないですね」
そんな毎熊さん演じる直秀は、登場回数を重ねるたびに視聴者の間で人気が上昇。「決して優しくしているつもりはないけど、はたから見ると優しくしているふうに見えるのは、直秀のいいなって思う部分でもあります」と毎熊さんも認めている。
特に、まひろと道長を再会へと導いた2月4日放送の第5回「告白」では、まひろが語ったこと(道長の兄がまひろの母を殺めた云々)を確かめるため、去っていく道長に対して、直秀が放った一言「帰るのかよ」が話題に。その後、毎熊さんは、2月13日放送の朝の情報番組「あさイチ」でせりふを“生披露”してみせた。
「(反響は)想像がつかない」「そんな大ごとになるとは思っていなかった」と率直な感想をもらす毎熊さんは、直秀の言動に視聴者が“キュン”となることについて、どう感じているのだろうか……。
「朝の番組に出て、せりふを言うくらい反響があるとは思いもせず。自分的に、そんな多く登場するキャラクターではないですし、まひろと道長を再会させるとか、物語の中での役割はありますけど、直秀で“キュン”となるのは計算外。狙っていないので、この先もどういうところに反響が出るかは、逆に楽しみです」
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