海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
趣里さん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)の第10週「大空の弟」(第46~50回)が12月4~8日に放送された。同週の放送をSNSで盛り上がったコメントなどで振り返る。
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「ブギウギ」は、「東京ブギウギ」や「買物ブギー」などの名曲を歌った戦後の大スター、笠置シヅ子(1914~85年)が主人公のモデルとなる。激動の時代、ひたむきに歌と踊りに向き合い続けた歌手の波瀾(はらん)万丈の物語。原作はなく、登場人物名や団体名などは一部改称し、フィクションとして描く。
第46回は、梅丸楽劇団が解散し、スズ子(趣里さん)は自らの楽団である「福来スズ子とその楽団」を旗揚げ。トランペットの一井(陰山泰さん)、ピアノの二村(えなりかずきさん)ら4人の楽団メンバーに、マネジャーの五木ひろき(村上新悟さん)を加え、新たなスタートを切った。そこに、以前にスズ子の弟子にしてほしいと訪ねてきた小林小夜(富田望生さん)も付き人として加わる。だが、スズ子の歌うジャズは敵性音楽だといわれ、公演の依頼は全く来ず……と展開した。
同回のラストで梅吉(柳葉敏郎さん)の元に役場から人が訪ねてきて、一通の手紙を手渡した。その手紙を読んだ梅吉は、「六郎(黒崎煌代さん)が……死んだ?」とつぶやいた。
六郎の訃報に、SNSでは「月曜からこの展開はきついな」「六郎……帰ってきてほしかったよ」「覚悟してたけど。六郎にもう会えないなんて。黒崎煌代の演技をもう味わえないなんて。しんど過ぎる」といった声が上がった。
第47回は、六郎が戦死したことを知らされたスズ子と梅吉は現実を全く受け入れられずに一晩を過ごす。翌朝、スズ子はいつものように楽団の事務所へ向かうが、自分を気遣う楽団員たちの空気を察し、事務所を後にした。スズ子は小夜に「じっとしてたら気がおかしなりそうやねん」といい、「ラッパと娘」を歌い出すが、いつものように歌えない。ステップを踏んでも足が思うように動かず、「うまく動かへん。何やねんこれ。何でちゃんと動かへんねん! しっかりせえ! 何してんねん!」と声を荒らげ、自分の体をたたき、その場に崩れ落ちた。
スズ子は「気抜くとな、六郎のことが頭に浮かんでくんねん。どんな気持ちで死んでいったんやろ。怖かったやろなあ。寂しかったやろなあ。かわいそうやったなあ」と涙を流した。小夜はそんなスズ子に寄り添い、「今は無理しなくていいがら、オレがそばにいるから」と抱きしめた。
趣里さんの絶望を表現した演技に、SNSでは「壮絶な表現力にただただ引き込まれる。魂の演技」「怒りや悲しみやどうにかなってしまいそうなときの思わず笑ってしまう感じの表情がすごいわ」「頭と心と体のバラバラさの表現、鬼気迫る演技だった」などと、称賛の声が上がった。
第48回は、失意のどん底にいるスズ子を心配して会いに来た羽鳥善一(草なぎ剛さん)に、スズ子は六郎のことを語る。後日、羽鳥はスズ子と茨田りつ子(菊地凛子さん)を自宅に招き、2人の合同コンサートを開催しようと提案する。
しかし、スズ子は六郎が死んでから歌がまともに歌えない状態になっており、羽鳥に「ワテ……もうあきまへん」と苦しい胸の内を明かす。すると、羽鳥はスズ子に「大空の弟」と記された楽譜を差し出し、「君が話してくれた六郎くんへの思いを歌にしたんだ。六郎くんの歌だ。これなら歌えるんじゃないか?」と伝える。すると、スズ子は涙を流しながら、「ええ歌や」とつぶやいた。
「大空の弟」が曲名だったことが明らかになり、SNSでは「鮮やかなタイトル回収」「ピアノ演奏聴いただけで涙が止まらんかった」「愛弟子を気遣う羽鳥の優しさがあふれていた」「優しい六ちゃんそのもののようなメロディー」といった声が上がった。
第49回は、羽鳥が企画した合同コンサートは、ブルースの女王・茨田りつ子とスウィングの女王・福来スズ子の共演が評判を呼び、客席は満員。梅吉も六郎が可愛がっていたカメを連れて客席に座った。
スズ子は天国の六郎に届けとばかりに、涙を流しながら「大空の弟」を熱唱。歌い終わると、ステージ上で崩れ落ち、すすり泣いた。羽鳥の「しっかりしなさい」の一言で我に返ったスズ子は、客席に背広姿の六郎の幻を見ると、気力を振り絞って立ち上がり、「ラッパと娘」を力強く歌い踊った。
同回では約9分半にわたってスズ子のステージシーンが描かれた。SNSでは「圧巻のステージに見入ってしまった。何度も更新する神回」「今日の趣里さんはとんでもなく難度の高いことをやっている。1時間くらいあったかのような濃密な15分」「趣里さんの演技に何度も驚かされる」といった声が上がった。
第50回は、茨田りつ子と福来スズ子の合同コンサートは大盛況のうちに幕を閉じた。帰り道、スズ子は、梅吉が伝蔵(坂田聡さん)のおでん屋台で飲んでいるのを見かけ、隣に座って、親子水入らずで語り合う。梅吉は、スズ子が歌った「大空の弟」について、「六郎の歌、あれええな。涙止まらんやった。お前の歌聴いてたら正直なってまう。ごまかされへん。六郎は死んだんやな」と、六郎の死を受け入れた。
そして梅吉はスズ子に「ワシ、決めたで。やっぱり香川に行くわ。お前とおったら、いつまでも甘えてまう。情けないお父ちゃんのままや」と語る。スズ子は「それでええよ」と言うが、梅吉は「あかん」と返答。スズ子が「飲んべえで、働きもせんと、情けのうて、だらしのうて、何の役にも立たんお父ちゃんでも、おらんようになったら寂しい。何でやろ?」とつぶやくと、梅吉は「決まってるやろ。親子やからや」と笑顔を向ける。梅吉がスズ子の手を握り、「ワシはお前が娘でほんま良かった」と言うと、スズ子も「ワテもや。お父ちゃんがお父ちゃんでほんまに良かった」と返し、梅吉はスズ子の涙をぬぐい、肩を抱いた。
第48回で、香川で一からやり直したいと語る梅吉に、スズ子は思わず「ほんまの娘やないからか」とつぶやいたが、それに答えるかのような梅吉の「親子やからや」に、SNSでは「スズちゃんが投げつけた『ほんまの娘やないからか』へのアンサー」「血のつながりではなく心でつながる父娘」「スズ子が一番聞きたかった言葉」などと感動の声が上がった。
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