薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
一迅社文庫アイリス(一迅社)のライトノベルが原作のテレビアニメ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…(はめふら)」の劇場版が12月8日に公開された。テレビシリーズ第1期が2020年4~6月、第2期が2021年7~9月に放送された人気作。劇場版は、原作者の山口悟さんが書き下ろした完全新作ストーリーで、動物と心を通わせる能力がある謎の少年・アーキルなど新キャラクターが登場する。主人公のカタリナ・クラエス役の内田真礼さん、アーキル役の小野賢章さんに劇場版の収録の裏側を聞いた。
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内田さん めちゃくちゃうれしいですね。第2期が終わって、すぐに劇場版が発表されましたが、第2期が終わってから約2年たっていますし、待ち焦がれていました。収録だ! 公開だ!と、久しぶりにカタリナが動いているのを見て、感極まりました。劇場版ならではの展開があって、映像チェックをして笑ったシーンがいくつもありました。音が入っていない状態でもすごく面白かったですし、アフレコも楽しかったです。
小野さん 「はめふら」という略称は知っていました。タイトルのインパクトがすごいですよね。「悪役令嬢」で、しかも「破滅フラグ」ですし、ドロドロしたお話なのかな?と勝手に想像していたら全然そんなことなくて(笑い)。すごく明るくて、ハッピーになれる。見た後、爽快感のある印象です。
内田さん 目標に向かって真っすぐで、思い立ったが吉日!と野菜を育ててみたり、できることから始めようとするんですよね。強い魔法が使えるわけでもなく、できないことも多いけど、パワフルに動くことができますし、ギミックのないところが魅力だと思います。強い主人公ではないのですが、だからこそ人とつながることができるし、みんなが求めても手に入らないところもあります。だから好かれるのかな?と思っています。
小野さん はっきりした目的があって、最終的に全体通して見ると、目的のために何でもやろうとするキャラクターなのかな?と思います。カタリナみたいに体当たりでぶつかって、壁を打ち破っていくタイプとは真逆ではあるけど、彼なりに周りの人を大事に思い、行動する優しい人間です。人に対しては、割とぶっきらぼうで、素直になれない部分があるんですけど、動物に対しては表情豊かに接することができる。ところどころに彼の優しさを垣間見るところが魅力です。
小野さん ゲストイケメンキャラ声優!? 初めて聞きました(笑い)。そこは意識していないですし、テレビシリーズにも出たかったんですけどね(笑い)。カタリナの仲間たちは、みんな個性的ですし、第2期までで出来上がった雰囲気もあるので、そこに異国の雰囲気を出していこうとしました。ただ、ぶっきらぼうな人ではなく、何かあるのかな?と気になってもらえるように、そこを分かりやすく表現しようとしました。
内田さん カタリナは、土ボコしか魔法ができませんし、できること、できないことを分けるところは共感できます。自分に近いですね。できないことに目を背けて、長所を伸ばすタイプなので(笑い)。もしかしたらカタリナから影響を受けているのかもしれません。
小野さん 動物に好かれるところかな(笑い)。仲間を大事にするところは共感できますし、似ている気がします。僕も最初からカタリナみたいな距離感ではいけないですし。
小野さん 楽しかったよね。人数がそろって、新キャラの村瀬(歩)君たちと一緒に収録できたのですが、初めての作品だけど、共演したことがある人ばかりということもあり、初めてという感じがしなくて、和やかでにぎやかでした。
内田さん 和やかでした。バラバラではなく。現場の全員でしゃべる感じの空気だったんです。何となくみんなでしゃべっているのは、いい現場の特徴なんですよね。
小野さん 遠足しているみたいでした。みんなでコーヒーを買いに行ったり。
内田さん 2期にわたって聞いてきたキャラクターたちの声とは別の声が聞こえてくると、目が覚めるような感覚もありました。第2期の時は、コロナ禍でほとんどみんなと収録できなかったので、みんながいる感じがとても新鮮で、楽しかったです。
小野さん (キャストが)キャラクターたちの関係性の通りなんですよね。真礼ちゃんが突き進んで、みんなで支えているようでした。個人的には、「ラーニャム」という大事なせりふがあるのですが、それを最後に「ニャーラム」と言ってしまったことが記憶に残っています。大事なシーンでやってしまいまして。
内田さん これってどういう発音なの?って話をしていたんですよね。すごく集中して、考えすぎて間違えちゃって、和みました。
内田さん 大変でした。カタリナはしゃべり出したら止まらないし、人の話を聞かないし、カタリナファイブ(5人の人格のカタリナが会議を繰り広げる脳内会議)もありましたから。台本をめくってもめくっても、私のせりふ!?となって(笑い)。カタリナが苦労すればするほど面白くなる作品ですしね。でも、彼女の芯は私の中に入っているので、そこをブレずに!という気持ちで演じていました。「はめふら」は、とにかくしゃべる作品です。頑張っているので、映画館に見に来てください! (収録の時)暑かったですよね。クーラーは効いていたはずなのですが。
小野さん 暑かったですよ。クーラーが効いてなかったかもしれない(笑い)。脳内会議、すごかったですよ。器用だな、すごいな……となりました。実際に出来上がったシーンを見ると、完璧に演じ分けられていて本当に素晴らしいんです。勉強になりました。
内田さん ありがとうございます。
内田さん 5人もいるのでバランスが大切になるんです。アドリブもあるので、5人分のちょっとした動きもしっかり見ないといけません。3人目が走っている間に食べている……とかメモを取るんですけど、訳がわからなくなったり(笑い)。
小野さん 僕も5人の経験はないですね。2人くらいはあったりするのですが、5人も引き出しがないですよ(笑い)。
内田さん 第1期の時、こんなに続くとは考えてもいなかったので、誇張して自由に演じてしまいまして……。でも、実はそんなに大変でもないんですよ。頑張ろう!とやっていますしね。
小野さん 初めて見た時、衝撃でした。切り替えがすごいんです。
内田さん 声優ならではですよね。
内田さん (小野さんは)すーっとマイクの前に立って、すーっと空気を作るところがすごいんです。そこに、アーキルがいるんですよ! すごくナチュラルで、こういうお芝居をしたい!となります。「はめふら」は濃いキャラクターが多いのですが、これまでも隣にいたような空気感だったんです。
小野さん ありがとうございます。恥ずかしいですね(笑い)。第1、2期からの流れもあるのでしょうけど、真礼ちゃんが先頭に立って、作品を引っ張っていると感じましたね。真礼ちゃん自身が作品に寄り添って、引っ張っていくので、全体がこの人に付いていこう!となる雰囲気だったので、道のりが分かりやすかったです。どういう雰囲気なんだろう?と現場に行ったのですが、初めてじゃないような居心地で、ありがたかったです。お芝居でも率先して引っ張っていただき、すごく頼りになりました。
小野さん 初参加でしたが、全力でやらせていただきました。新キャラクターが登場するなど、これまでとはまた違った「はめふら」を楽しんでいただけるはずです。最後まで見ると、本当にニコニコになれるので、思いっきり楽しんでください。
内田さん 「はめふら」のこれまでの楽しさをそのままに、劇場版としてパワーアップしています。これまで見てくださっていた方はもちろん、初めて見る方も楽しめる作品になっています。カタリナは、破滅フラグが立ち、たいへんな目に遭うのですが、「はめふら」らしく、解決していく姿がとても爽快で楽しいので、ぜひ見ていただけたらうれしいです。
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