ウエンツ瑛士:「日本沈没-希望のひと-」出演は「最初はドッキリかと」 ロンドン留学中に感じた思い 小栗旬とのエピソードも

連続ドラマ「日本沈没-希望のひと-」に出演する俳優のウエンツ瑛士さん(C)TBS
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連続ドラマ「日本沈没-希望のひと-」に出演する俳優のウエンツ瑛士さん(C)TBS

 俳優の小栗旬さんが主演を務める、TBS系「日曜劇場」(日曜午後9時)枠の連続ドラマ「日本沈没-希望のひと-」に出演するウエンツ瑛士さん(36)。日本の未曽有の危機へと立ち向かう「日本未来推進会議」の最年少メンバーで、明るいムードメーカーの石塚平良を演じている。2018年10月から約1年半、ロンドンに留学して以来、初の連ドラ出演となるウエンツさんは、「いろいろな番組でドッキリを食らいすぎているので、最初はドッキリかなと思った」と振り返る。そんなウエンツさんに、留学中に感じた思いや、英国まで会いに来てくれたという小栗さんのエピソードを聞いた。

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 ◇15年ぶりの日曜劇場 「気負わず、がむしゃらに」

 ドラマは、1973年に刊行された小松左京さんのSF小説「日本沈没」をアレンジし、主人公・天海(小栗さん)らが2023年、一国の海中沈没という未曽有の危機に立ち向かう姿を描く。

 日曜劇場への出演は、2006年放送の「輪舞曲-ロンド-」以来、約15年ぶりとなるウエンツさん。演技を学びに行ったロンドン留学後、初の連ドラ出演ということで、「本当にびっくりしました。想像もしていなかったので、うれしさと同時に怖さというか、『大丈夫かな?』という気持ちにもなりました」と告白。

 「(留学で)学んだことを何が出せるかわからないですけど、気負わず、がむしゃらに。たくさん失敗もするから、うまくいくことだけを目指さず、わからないことはみんなに聞いていく、という感じでやらせてもらいました」と振り返る。

 ウエンツさん演じる石塚は、厚生労働省代表で、各省庁間で対立し合う会議メンバーの中で、潤滑油となる存在。「日本未来推進会議」のメンバーとは積極的に仲良くしたいと思っており、特に副議長である相原(中村アンさん)には、好意を持っているが、全く相手にされていない……というところも。

 今後は、有事を通して、人として職業人として大きく成長していき、日本未来推進会議においてなくてはならない存在となっていく。ウエンツさんは、「前半の方の石塚は、20代中盤くらいの僕に近い。後半にかけて、今の僕の近い石塚になっていくなと、ふと思うことはありました」と明かしながら、「(撮影は)思っている以上に楽しめました」と話す。

 ◇31歳で芽生えた留学への思い 「人生全体で手詰まり感」

 NHKの子供向け教育番組「天才てれびくん」に出演するなど、子役として活躍してきたウエンツさんは、31歳の頃、英国に留学したいと思い始めた。「演劇だけの話ではなく、人生全体でなんかこう手詰まり感だったり、行き詰まった感じがしていて。英国の音楽も演劇も街もすごく好きだったので行きたいなと」と振り返る。

 さまざまなバラエティー番組に出演するなど、“売れっ子タレント”だったこともあり、すぐには行けなかったが、33歳で留学をすることに。「僕のワガママで行くことになり、話をする中で、『誰が、どういうふうに、僕のことを思ってくれていたんだ』とわかったこともあって。まずそれが大収穫だった」と明かしたウエンツさん。「1年半の留学って、期間的には“お試し”という感じなんですけど、そのお試しをやるかやらないかって、結構重要だと思うんですよね。挑戦して良かったです」と話す。

 しかし、小さい頃から仕事をしていたウエンツさんにとって、“仕事がない”というのはとても怖いことだった。留学中には、「仕事(予定)がない=怖い」という呪縛を解き放ちたいという気持ちがどこかにあった。しかし、いざ日本を離れ、ロンドンにいても、次の日の予定がないということが怖かった。

 「語学学校が終わってから、演劇のレッスンに行って、ボイトレ(ボイストレーニング)に行って、そこから宿題やって……。日本にいるより忙しい。そうじゃないと怖い、というのは変えられなくて。『(予定がなくても)しょうがないや』とちょっとずつ思えたのは、2019年1~2月くらいでした」

 ◇小栗旬は「抜群のタイミングで来てくれた」

 留学をして半年くらいはなるべく日本人に会わないようにしていたというウエンツさん。そんな中、仕事中の小栗さんとタイミングが合って、ウエンツさんに会いに来てくれたという。

 「『(日本人の友人に)会いたいんだけど会っちゃいけない、しゃべっちゃいけない』というふうにしていたんです。じゃないと乗り越えられない壁があって。でも、それを経たタイミングで小栗さんが来てくれた。一回でも会っちゃうとどんどん(日本が)恋しくもなっちゃうし、気持ちが揺らいでしまう。たぶんそれを小栗さんも考えてくれて、抜群のタイミングで来てくれました」と話す。

 小栗さんには、ロンドンでの過ごし方や、劇場「ドレイトンアームズ」で英語二人芝居をやる予定であることを報告。「小栗さんもそのとき米国にいて、たくさんもがいていて。『お前がやるなら、俺もやるわ』と急に計画を立て出して。お互いに切磋琢磨という瞬間がありました」と小栗さんとのやりとりを明かす。

 小栗さんとは、2002年放送の連続ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)での共演経験があるほか、バラエティー番組で共演した際には、一緒にご飯を食べることもあったというが、「留学が今までにないつながりを生んでくれて。とても助かりました」と感謝の思いを口にする。

 今回の「日本沈没-希望のひと-」の撮影現場では、座長としての小栗さんを初めて見たといい、「ドラマを率いていく現場での立ち居振る舞いは、本当に頼もしくて。やっぱりすごい人なんだなと改めて感じさせられました」と話す。

 11月14日放送の第5話では、恐れていた関東沈没が突然始まったことで、首都圏を中心に深刻な打撃を受ける。沿岸部にいた天海と椎名(杏さん)も関東沈没に巻き込まれ、その被害を受ける。常盤(松山ケンイチさん)、石塚ら日本未来推進会議のメンバーは、不安を感じながらも東山総理(仲村トオルさん)の指示の下、被害状況の把握や被災者の救助などの対応にあたっていて……と展開する。物語の行方を見守りつつ、ウエンツさん演じる石塚の成長ぶりも楽しみにしたい。

 *2021年3月に取材したものです

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