ネメシス:“俳優”櫻井翔との作品作り「心地よかった」 入江悠監督明かす魅力 “カザラップ”シーン裏側も

連続ドラマ「ネメシス」の新ビジュアル(C)日本テレビ
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連続ドラマ「ネメシス」の新ビジュアル(C)日本テレビ

 広瀬すずさんと櫻井翔さんがダブル主演を務める連続ドラマ「ネメシス」(日本テレビ系、日曜午後10時半)が、6月13日に最終回を迎える。本作は探偵事務所「ネメシス」の“天才すぎる助手”美神アンナ(広瀬さん)と、“ポンコツ探偵”風真尚希(櫻井さん)の凸凹バディーがコミカルに難事件を解決していく物語で、入江悠監督が自ら脚本を手がけたオリジナル作品だ。最終第10話の放送を前に、本作の誕生背景やSNSでも話題を呼んだラップシーンの裏側など、櫻井さんと入江監督にドラマを振り返ってもらうと共に、俳優と監督としての互いの魅力を聞いた。

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 ◇櫻井翔が驚いた脚本の振り幅 物語の誕生背景は…

 ドラマは、アンナと風真による凸凹バディーらしいポップなやり取りを中心に描かれてきたが、第7話(5月23日放送)で雰囲気が一変。アンナが遺伝子操作によって誕生した“ゲノム編集ベビー”であることが明らかになり、一気にシリアスな展開となっていった。

 脚本について、入江監督は「もともと探偵が好きだったので探偵ものをやりたかった。これまでにも天才と呼ばれる探偵はたくさんいましたが、天才たるゆえんを掘り下げられないかと思い、ゲノム編集と組み合わせてみようと考えました」と明かす。

 櫻井さんは「遺伝子に関するセンシティブな内容も、物語にうまく落とし込まれていてすごいなと思いました」と述懐。「よく取材でも『ポップからシリアスへの変化を演じるのは大変でしょう?』と言っていただくんですけど、それ以前に脚本の振り幅が驚異的というか。そこに一番驚かされましたね」と、入江監督のすごさを語った。

 ◇ゲスト続々「撮影は毎回新鮮」 話題の“カザラップ”シーン裏側も

 本作には、アンナと風真の助っ人役で大島優子さん、上田竜也さん、奥平大兼さん、加藤諒さん、南野陽子さんら、豪華キャストが集結。さらに、毎話ゲストも数人登場し、相関図のメンバーは総勢88人と、ドラマでは珍しいスケールの大きさにも注目が集まった。

 入江監督は「毎回新しい事件が起きるので、その分の依頼主や利害関係者がいますし、加えて助っ人メンバーもいるので、必然的に多くはなるんですが、まさか自分でもここまで多くなるとは……(笑い)」と予想外だったよう。多くのゲスト陣と共演した櫻井さんは「撮影は毎回新鮮だった」といい、「ゲストの方によって現場の空気も変わるので面白かったです」と振り返った。

 第2話(4月18日放送)では、風真がラップを披露する“カザラップ”シーンも登場した。これまで「嵐」のメンバーとしてラップを担当していた櫻井さんが、昨年末のグループ活動休止後、久しぶりにラップを披露したこともあり、SNSにはファンからの歓喜の声があふれていた。

 入江監督は「櫻井さんがラップをされているので、せっかくだったら脚本でも書いてみたいなと。今回はとにかく自分が見たいシーンを盛り込んでみました」と裏話を披露。櫻井さんは「僕のラップは“サクラップ”と呼ばれているんですが、風真のセリフにも『昔やってたからね~“カザラップ”』とあったのがすごく面白くて(笑い)。撮影も楽しかったですね」とにこやかに語った。

 撮影時、櫻井さんのラップに現場も盛り上がったといい、入江監督は「みんなのラップをどんどんつないでいって、風真がラストに締めるという流れだったので、キマったときは現場にも一体感が出ていました」と教えてくれた。

 ◇櫻井翔の“心地よさ” 入江監督の“柔軟さ” 互いが語る魅力

 櫻井さんと入江監督は今回が初タッグとなった。入江監督にとって櫻井さんは「最初は遠い存在でした。年齢は近いですが、僕が映画の世界に入る前から見ていた方だったので」と本音を吐露。「でも、櫻井さんは自分がどういう人かを何気ない会話の中で伝えてくれるんです。自分が感じたことや、今まで吸収してきたことを共有していただいて、かなり救われました」と感謝する。

 また、櫻井さんが複数の演技プランを提示してくれたことにも助けられたといい、「選択肢があることで、キャラクターの広がりが想像しやすく、そこから役が膨らんでいった部分も多かった」と振り返る。「しかも、ちょっとした待ち時間とか良いタイミングで聞いてくださるので、風真に関してはどう表現するか固まった状態で撮影を進められました。監督としてすごくありがたかったです」と思いを明かした。

 それに対し、櫻井さんは「なんかずるい気がしちゃうんですよね」と一言。「僕は何日も考える時間があるのに、監督は撮る直前で判断しないといけない。それがフェアじゃないと思うから……」と話すと、入江監督は「こんな体験初めてでしたね。あの感じがとても心地よかったです」と、感慨深げに語った。

 一方、櫻井さんも監督に感謝する。「監督は明確な自分のビジョンという“芯”がありつつ、現場で生まれたものにも柔軟に対応してくださるんです。実際にそれでカットを増やしたシーンもあって、そういう“セッション”がとても楽しかった。改めて表現することの面白さを実感できました」と充実感をのぞかせていた。 

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