俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第31回「逃げよ信長」が11月8日に放送された。同回では、朝倉義景(ユースケ・サンタマリアさん)を討つため、金ケ崎まで攻め込むも、浅井長政(金井浩人さん)の裏切りにより撤退を余儀なくされた信長(染谷将太さん)が、怒りにもだえるシーンが視聴者の注目を集めた。
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第31回は、ついに越前へ向けて出兵を開始した信長。破竹の勢いで敦賀まで制圧をする。しかし、朝倉義景のいる一乗谷まであと一歩に迫った金ケ崎で、浅井長政(金井浩人さん)が信長を突然裏切り、背後から迫ってくる。朝倉・浅井に挟まれ絶体絶命の信長軍。このまま前進するという信長を、光秀(長谷川さん)は「織田信長はいま死んではならない、逃げるべし」と強く説得する。
はじめは光秀の説得を受け入れることのなかった信長だったが、やがて「一人で考えたい」と奥の間に籠もると、怒りにもだえ、悔し涙を流しながら、約40秒にわたって咆哮(ほうこう)を上げる。心配した光秀が様子を見に行こうとすると、冷静さを取り戻した信長が姿を現し、家臣の前で「わしは逃げる」と撤退を決める。有名な「金ケ崎の退き口」の始まりだった……。
SNSでは信長役の染谷さんの演技に対して「今日の染谷くん、すごいな」「信長の怒り、すさまじい」「めっちゃ悶えてる」「完全にサイコパス」「血管が切れそう」「染谷将太さんの演技に打ちのめされる」「信長の怒り、くやしさの表現が素晴らしい」「後に魔王の咆哮と呼ばれるエピソードである(嘘)」といった声が次々と上がっていた。
同回の演出担当・一色隆司さんは、「信長の泣き叫ぶシーン。こんな信長見たことない、そんなシーンが描かれています。しかし、信長が自分の思いをコントロールできず泣き叫ぶこのシーンの彼の思いはいかなるものであったのか、これについては、染谷さんと時間をかけて話しをしました」と明かす。
「裏切った浅井に対する怒りから始まり、自分が負けるという屈辱感から湧き出る呪いのような思い、自分自身に対する怒りと同時に失望……、それらの思いが入り乱れながら、涙が絶叫と共にあふれ出る。幾重もの感情の波が押し寄せることを意識することによって、単なる泣き叫ぶという行為ではなく、感情の渦が駆け巡る、そんなアプローチによって作り上げられたシーンであります」と語った。
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