俳優の長谷川博己さん主演のNHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」(総合、日曜午後8時ほか)第25回「羽運ぶ蟻(あり)」が9月27日に放送され、光秀(長谷川さん)が信長(染谷将太さん)に、かつて斎藤道三(本木雅弘さん)が目指した「大きな国」について語るシーンが登場した。
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「大きな国」とは、光秀が道三から託された“遺言”。「長良川の戦い」直前、道三が光秀に残した「わしの父親は山城の国からきた油売りで、美濃に居つき大を成した。わしによう申しておった。美濃も尾張もない、皆一つになればよい。近江も大和も。さすれば豊かな大きな国となり、誰も手出しはできぬ。わし一代ではできなかったが、お前はそれをやれと。わしも美濃一国で終わった。しかし、あの信長という男は面白いぞ。あの男から目を離すな。信長となら、そなたやれるやもしれぬ。大きな国を作るのじゃ。誰も手出しできぬ、大きな国を」という話に由来する。
第25回では、長きにわたる斎藤龍興との戦に勝ち、ついに美濃を平定したものの、「何のために戦っているのか分からなくなった」と言う信長に、光秀が「かつて道三様に言われました。『誰も手出しはできぬ、大きな国を作れ』と……」と明かし、武士が誇りを持てる平らかな世にするための“大きな国作り”に向けて、2人が笑顔で意気投合する……という展開となった。
光秀役の長谷川さんは、「信長と今後について語り合うシーンは印象に残っています」と切り出すと、「光秀は『この人なら麒麟を連れてきてくれるかもしれない』と思っていた将軍・義輝が討たれ、この先、自分はどうすればいいのか迷っている。信長は信長で、終わりの見えない戦が続き、どこに向かっていけばいいのか分からなくなっている。そんなとき光秀は道三から言われた『大きな国を作れ』という話をします。信長とならそれがやれるかもしれない。地図を前に、『大きな国』への想像を膨らませながら笑い合う2人。光秀と信長が分かち合えた、いいシーンだったと思います。光秀は無邪気な信長の中にある人を動かす力を感じつつ、その姿を、兄のようなまなざしで見ていたのではないでしょうか」とコメントしている。
「麒麟がくる」は59作目の大河ドラマ。1991年放送の「太平記」などで知られる池端俊策さんのオリジナル作。ドラマでは謎めいた明智光秀の前半生にも光を当て、戦国の英傑たちの運命も描く、エネルギッシュな群像劇となっている。
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