沢田研二:「キネマの神様」で志村けんさんの代役「やり遂げる覚悟」 38年ぶり山田洋次監督作に出演

山田洋次監督らが作成したメッセージビジュアル(C)2021「キネマの神様」製作委員会
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山田洋次監督らが作成したメッセージビジュアル(C)2021「キネマの神様」製作委員会

 新型コロナウイルス感染症のため3月29日に亡くなった志村けんさんが主演を務める予定だった映画「キネマの神様」(山田洋次監督)に、歌手で俳優の沢田研二さんが志村さんの代役として出演することが5月16日、明らかになった。沢田さんは「志村さんの、お気持ちを抱き締め、やり遂げる覚悟です」とコメントしている。

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 沢田さんが、映画に出演するのは14年ぶり。山田監督作品への参加は1982年公開の「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」以来、38年ぶり。

 沢田さんと志村さんは、かつて同じ事務所の先輩後輩という間柄で仲が良く、テレビ番組「8時だョ!全員集合」(TBS系)や「ドリフ大爆笑」(フジテレビ系)、ラジオ番組「沢田研二・志村けんのジュリけん」(文化放送)など共演も多い。

 映画は、1920年に松竹の前身となる松竹キネマ合名社が設立され、今年で100周年を迎えることを記念して製作。同年は、数々の名作を製作した映画スタジオの蒲田撮影所が開所した年でもある。原作は人気小説家の原田マハさんが自身の家族、経験を基に書き上げた「キネマの神様」(文春文庫)で、“家族”をテーマとした物語を過去と現在パートで描く。

 沢田さんは、無類のギャンブル好きで、妻・淑子(宮本信子さん)や家族に見放されたダメ親父(おやじ)のゴウを演じる。志村さんとダブル主演を務める菅田将暉さんが若き日のゴウ、永野芽郁さんが若き日のゴウが恋心を抱く食堂の娘を演じる。

 撮影は3月1日にクランクイン。同月末に過去パートの撮影が終了したが、4月から現在パートの撮影に入ろうとした矢先に、志村さんの訃報が入り、山田監督をはじめ、キャスト、スタッフは動揺を隠すことができなかったという。「緊急事態宣言」により現在、撮影は中断されている。

 沢田さんのキャスティングは、スタッフが撮影を無事に終わらせ、作品を完成させることが志村さんへの一番の供養になると信じ、コロナ禍の終息が見えない中、撮影が再開できる日を想像して進められたという。映画を映画館で安心して見ることができる日を願い、キャスト、スタッフが改めて一致団結し、作品の完成を目指しているが、撮影の再開については現在調整中。公開は、当初予定されていた2020年12月を見送り、2021年で調整をしている。

 また、山田監督やスタッフが、志村さんへの思いを胸に、前を向いていく思いを込めて作成されたメッセージビジュアルも公開された。

 志村さんが所属していたイザワオフィスの井澤健社長は「長年親交のあった沢田研二さんがご出演されると聞き、志村けんも大変喜んでいると思います。作品の完成を心待ちにしております」とコメント。

 房俊介プロデューサーは「人生のおかしさや悲しみ、夢や挫折を背負い、繊細な狂気をまとった主人公のゴウ。志村さんは、この役を演じることをとても楽しみにしておられました。残念でなりません。心からご冥福をお祈り致します。かねて志村さんと縁が深い沢田研二さんは、誰よりも志村さんの思いを抱きしめ、取り組んでいただけると思います。かつて『男はつらいよ』でご一緒した山田監督は『志村さんとは違うゴウちゃん。沢田研二さんならば、別なゴウちゃんの魅力を引き出してくれると確信しています』とおっしゃっております。周りを包み込む温かい色気、唯一無二の感性を持ち合わせた沢田研二さんと、新たな『キネマの神様』を描いていきたいと思います」とコメントしている。

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