注目映画紹介:「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」シリーズ完結作 “それ”の恐怖再び! 待ち受ける運命とは…

映画「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」の場面写真(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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映画「IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」の場面写真(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

 スティーブン・キングの代表作を映画化したホラー映画「IT/イット」シリーズ完結作「IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。」(アンディ・ムスキエティ監督)が11月1日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。2017年に公開された「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の続編。27年後を舞台に、大人になった「ルーザーズ・クラブ」の面々が、再び“それ”と対峙(たいじ)する姿を描く。

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 「ルーザーズ(負け犬)」と自称していた落ちこぼれの子供たちは成長し、それぞれ活躍していた。27年前の1989年夏に起きた連続児童失踪事件と同様の不審な事件が頻発。マイクから連絡を受けたルーザーズの面々は約束を守るため帰郷することを決意する。しかし“それ”に打ち勝つ唯一の方法は、それぞれのトラウマに再び向き合うことだった……。

 日本語吹き替え版では細谷佳正さんがビル、高垣彩陽さんがベバリー、小野大輔さんがベン、神谷浩史さんがエディ、諏訪部順一さんがリッチー、三宅健太さんがマイク、平川大輔さんがスタンリーと、それぞれ成長したルーザーズたちの声を担当。多田野曜平さんが前作DVDに収録されている吹き替え版から‟それ”(ペニーワイズ)役を続投している。

 ヒットした前作同様の熱量と完成度で楽しませてくれる。大人になったルーザーズの人間ドラマを丁寧に描いていることが、結果として恐怖感にリアリティーを加えることに成功している。静寂後の大音量やカーテンを開け何もいないと確認した数秒後に出現するなど、恐怖演出はホラーものの定番パターンが多く見られるが、それでも独特の世界観とテンポ感でゾクッとさせられた。

 前作よりきちんとしたホラー作品になっており、ファンタジーやアドベンチャー的な要素も強まっている。大人になっても恐怖にとらわれた主人公の内面の葛藤が、ペニーワイズとの戦いに重なって見えた。上映時間が少し長い(2時間49分)が、クライマックスに向けての盛り上がり方は圧巻だった。(遠藤政樹/フリーライター)

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