注目映画紹介:「ドクター・ストレンジ」カンバーバッチが人知を超えた力を持つ天才外科医に だまし絵のような映像体験

映画「ドクター・ストレンジ」のメインビジュアル(C)2016MARVEL
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映画「ドクター・ストレンジ」のメインビジュアル(C)2016MARVEL

 「マーベル」のアメコミヒーロー映画の第14弾「ドクター・ストレンジ」(スコット・デリクソン監督)が、27日から公開される。人気俳優のベネディクト・カンバーバッチさんが両手の機能を失ったことで人知を超える力を手に入れた天才外科医スティーブン・ストレンジ役で主演。現実世界と異次元空間を縫うように物語は進み、その異次元空間における摩訶(まか)不思議な映像表現に息をのむ。

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 自動車事故によって両手の機能を失った天才外科医スティーブン・ストレンジ(カンバーバッチさん)は、カトマンズにある謎の治療施設「カマー・タージ」のうわさを聞きつけ、一縷(いちる)の望みをかけてそこを訪れる。指導者エンシェント・ワン(ティルダ・スウィントンさん)の元で修業を重ね、人知を超えた力を手にしたストレンジは、やがて世界を破滅へと導く闇の魔術との戦いに身を投じていく……というストーリー。

 傲慢で自己中心的なドクター・ストレンジだが、どこか憎めないのは、演じるカンバーバッチさんの醸し出す雰囲気がなせる業だ。序盤の、魔術師エンシェント・ワンと、闇の魔術師カエシリウス(マッツ・ミケルセンさん)率いる一団の戦いの場面から圧倒される映像美だ。ニューヨークの高層ビル群が突然傾き、ワンたちが建物の壁を駆け上がるや、建物が折りたたまれ、異次元の世界に入り込んでいく。その奇妙な光景は、まるで万華鏡や飛び出す絵本、あるいは、エッシャーのだまし絵の世界に入り込んだようだ。エンシェント・ワンが空中に作り出す光輝く曼荼羅(まんだら)模様も美しい。27日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)

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