mono:三川華月×古賀葵×遠野ひかるインタビュー(2) 心地よい収録 熱量も!

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 インタビュー(1)の続き。「ゆるキャン△」で知られるあfろさんのマンガが原作のテレビアニメ「mono」が、4月12日からTOKYO MXほかで放送される。「まんがタイムきららキャラット」(芳文社)で連載中のマンガで、写真部と映像研究部が合併した“シネフォト部”の女子高生の日常が描かれる。主人公・雨宮さつき役の三川華月さん、霧山アン役の古賀葵さん、敷島桜子役の遠野ひかるさんに収録の裏側を聞いた。収録では、心地よさがありつつも、熱量を感じたといい……。

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 ◇それぞれの“すごさ”

 ーーそれぞれのキャラクターの魅力は?

 三川さん さつきちゃんが、自分も何か夢中になれるものを見つけたいと思うところから始まり、そこにアンちゃんがいて、桜子ちゃんも仲間に入って。物語の最初のきっかけとなったのはさつきちゃんなのかなと思っています。すごく主体性があるわけではない分、感受性は人一倍強い気がしていて、そんなさつきちゃんにみんなが集まってくる。一言でこういう子ですと説明するのが難しいのですが、とても人間味があって、私自身も共感しやすいところなのかなと思っています。

 古賀さん アンちゃんは、さつきちゃんが好きで、さつきちゃんを中心にこの子の世界が回っています。それくらいさつきちゃんにすごく魅力があるんです。さつきちゃんは元々、先輩に憧れ、先輩の写真を撮り続けて賞を取ります。自分がこれだ!ということを見つけると、すごく生き生きします。何かに夢中になるさつきちゃんが好きです。いこうぜ!というタイプではないけど、みんなが共感できる。見ている人が一番感情移入できるのはさつきちゃんだと思います。その一方で、演じるのは難しいと思うんです。アンちゃんも桜子ちゃんも特徴があるけど、さつきちゃんは自然体です。(三川さんは)それをちゃんと落とし込んで、さつきちゃんとして感情を表現されていて、隣にいても、すごい!となっています。感じていることがストレートに伝わってくるので、アンちゃんも感動できる。すごく素敵だなって思っています。

 遠野さん 一緒にお芝居をしながら、華月ちゃんの真面目さや実直さがストレートに投影されているのが伝わってきます。桜子ちゃんをシネフォト部に誘うシーンでは、「まさにさつきちゃんだ!」と感じました。心にスッと入ってくる言葉が耳に心地いいんです。

 古賀さん アンちゃんは、さつきちゃんを中心に生きている子で、脊髄反射で動いちゃうような行動力があったり、持ち前の明るさと元気さもあります。子供とも同じ目線になってしゃべることができますし、好かれるタイプですよね。アンちゃんのいいところであり、人懐こいところが素敵な女の子です。

 遠野さん アンちゃんが生き生きしていると、セリフを聞いているだけでつい笑顔になっちゃいます。台本を見ると、はっきりした言葉でしゃべっているけど、(古賀さんが演じることで)丸みが生まれるんです。面白いテンションで生っぽいのに、トゲがないように感じる。すごく不思議です。

 古賀さん 失礼でトゲがある感じじゃなくて、親しいからこその砕けた感じがあって、そういう言葉遣いになるんだと思うんです。

 遠野さん 桜子は一見つかみどころがない。それが魅力だと思っていて、独特の雰囲気、その個性が本当に好きです。表情にはあまり出ないからこそ、うれしかったり、ちょっと自慢げだったりと心の動きが見えた時、すごく愛おしくなる子なんですよ。お芝居でもそんな心の機微をちゃんと声にのせられるように心がけています。自分から積極的に行くタイプでもないし、みんなを引っ張っていくタイプでもないので、みんなと楽しそうにしているのをほほ笑ましく、見守りたくなるような子です。でも要所要所で高いポテンシャルを発揮して、周りを驚かせてくれます。そんなギャップも魅力的ですね。

 三川さん 桜子は、感情の起伏がそこまで大きくないけど、感情がないわけじゃない。そこをどうやって演じるんだろう?と思っていたら、本当に絶妙な温度感で演じられてて。特に部活に誘った時の返答、「いいよー。入る入るー。」がとても好きです。つかみどころがないけど、自慢げったり嬉しいんだなと分かったりする、そういうちょっとした起伏のお芝居がすごく素敵です。やろうとしてもできない! 遠野さんのふわふわしてるけど、ちゃんと芯があるという絶妙なバランス感が桜子ちゃんに生かされてるのかなって思ったりしています。

 遠野さん ありがとう! いい意味で肩の力を抜くことを大事にしています。こうしよう!としすぎないのが、つかみどころのないゆるさに繋がってるのかもしれないです。

 ◇もっとやるぞ!となる熱量

 ーー収録の様子は?

 三川さん 心地いいですよね。

 古賀さん 袴田商店というエプロンをしたスタッフさんが、話数に合ったおいしいものを用意してくださるんです。

 三川さん 休憩になるとみんなブースからいなくなる。

 遠野さん 再開する時も大体口に何か入っていて焦るよね。

 三川さん スタッフさんがみんな優しくアットホームなんです。

 遠野さん アニメーションになるにあたって、原作にはなかったシーンのアドリブを相談したり、自然と会話が生まれます。ふんわりとしつつ、皆さんの真剣さや熱量も感じます。

 三川さん すごく練られているんです。自由さもありつつ、それぞれがキャラクターとしてより生きるにはどうするのか?と話し合っています。

 古賀さん 見ている人は心が落ち着くだろうし、癒やされる作品で、キャストもスタッフさんもその雰囲気を自然に作ってくださっていますが、節々に熱量も感じるんです。その熱量を我々も浴びてるから、もっとやるぞ!となります。すごくいい空気感ですね。

 ーー三川さんは座長ですが……。

 三川さん さつきちゃんが主人公なので、流れ的に座長というかたちになるのですが、5人横並びで一緒に現場を作っていってる感じがします。変に緊張しちゃうことがない現場なので、座長という意識はそんなに持っていなかったかもしれません。みんなに見守られ、支えられているので、自分なりに精いっぱい頑張ろう!ってなるんです。

 ーー最後に作品を楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いします。

 遠野さん アニメになることでキャラクターがより生き生きと動き出すのを、私自身もとても楽しみにしています。きっと原作を読んでくださっている方も違う見え方が生まれてくるだろうし、みんながカメラで撮った写真を見て、実際に行ってみたくなるところがたくさん見つかるんじゃないかなと思います。楽しく、癒やされる、実家のご飯みたいに染み渡るようなほっこりを受け取っていただけたらうれしいです。

 古賀さん 見るだけじゃなくて、実際に行ってみて初めて分かるものが、すごくあります。自分の目で見て、肌で感じて、いいなと思うもの、行った先で出会ったものにときめきを感じていただけるはずです。作品と共に一緒にどこかにお出掛けしてほしいと思う作品です。しばらく会っていなかったお友達に久しぶりに声をかけてみるのもいいんじゃないかなと思ったり、懐かしい気持ち、新しい出会いをすごく感じさせてくれる作品だと思うので。そういうものを感じてもらえたらうれしいです。

 三川さん さつきちゃんは、自分が夢中になれるものが今まで分からなかったり、みんなが羨ましいと思っていたりしたけど、徐々に夢中になれるものを見つけて、いろんなmonoに出会えて、さつきちゃんなりに成長していきます。 みんなもそれぞれ新しい発見をしたり少しずつ変化したりするので、そういうキャラクターの心情や成長などにも注目してみていただけたらうれしいです。

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