クスノキの番人:東野圭吾作品が初の劇場版アニメ化 2026年公開 監督は伊藤智彦 A-1 Pictures制作

劇場版アニメ「クスノキの番人」の超ティザービジュアル(C)東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会
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劇場版アニメ「クスノキの番人」の超ティザービジュアル(C)東野圭吾/アニメ「クスノキの番人」製作委員会

 東野圭吾さんの小説「クスノキの番人」(実業之日本社)が劇場版アニメ化され、2026年に公開されることが明らかになった。東野さんの作品が劇場版アニメ化されるのは始めて。アニメ「ソードアート・オンライン」などで知られる伊藤智彦さんが監督を務め、「ソードアート・オンライン」「俺だけレベルアップな件」などのA-1 Picturesがアニメを制作する。

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 「クスノキの番人」は、2020年に書籍が刊行され、累計発行部数が100万部を突破している小説。「その木に祈れば願いがかなう」と伝えられる、ミステリアスな<クスノキ>とその<番人>となった青年の物語が描かれる。理不尽な解雇により職を失った青年・直井玲斗は、追い詰められた末の過ちで逮捕される。突然現れた弁護士に「依頼人の指示に従うなら、釈放する」と言われ、その条件をのんだ玲斗の前に現れたのは大企業・柳澤グループの発展に大きく貢献してきた柳澤千舟だった。柳澤千舟が玲斗に命じたのは、月郷神社にたたずむ<クスノキの番人>になることだった……というストーリー。<クスノキ>の謎は、玲斗の人生をも巻き込みながら思いもよらぬ真実へと導いていく。

 東野さんは「小説を書く手法は作家によってそれぞれだと思いますが、私の場合、まずは頭の中で映像を思い描き、それを文章化していきます。だから作品の舞台となる土地には必ず参考にした場所があり、登場人物たちにもモデルがいることが多いです。『クスノキの番人』も、そのようにして書き上げた作品ですが、いつも以上に空想力を必要としました。超自然的な現象が頻繁に出てくるからで、実写化するのは難しいだろう、と執筆しながら考えていました。アニメーションになれば素晴らしいのでは、との思いが出てきたのはそういう流れからです。このたび、その夢が実現することになり、心よりありがたく感じております。私の空想力をはるかに超えた映像作品となっているに違いなく、今から楽しみにしています」とコメントを寄せている。

 伊藤監督は「人はあっけなくいなくなるし、現状が永遠に続くことなんてあり得ない。ここ数年で自分が強く考えていることです。個としての人間はとても脆弱(ぜいじゃく)で、遺伝子を残すという方法でそれを乗り越えようとしているのが動物的な対策なのだと思います。自分も40歳を過ぎ、残される側から残す側の気持ちを分かるようになってきました。それは単なる遺伝情報ということではなく、技術や精神性などといったことに関してもです。この映画を通して『今の自分を形作っているものに感謝を告げる』。これが今回の自分の目標です。それは両親に、ということだけでなく普段関わっている人や昔お世話になった人、一瞬だけ現れてはいなくなった人もまるっと全てに。そしてこの気持ちを次の世代にバトンを送りたい、そう考えています」と語っている。

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