3月31日にスタートする今田美桜さん主演のNHK連続テレビ小説「あんぱん」（総合、月～土曜午前8時ほか）。「アンパンマン」を生み出したマンガ家、絵本作家のやなせたかしさん（1919年～2013年）と、小松暢さん（1918年～1993年）夫婦がモデルの「愛と勇気の物語」で、主人公・朝田のぶを今田さん、のぶの幼なじみで後に夫となる柳井嵩を北村匠海さんが演じる。今田さんと北村さんが共演するのは、本作で6回目。初めて夫婦役を演じる2人の過去の共演作品を振り返ってみる。

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　◇初共演はバイト先の先輩と後輩役　「半沢直樹」スピンオフでも共演

　今田さんと北村さんが初めて共演したのは、2019年公開の映画「君は月夜に光り輝く」（月川翔監督）。北村さんが永野芽郁さんとダブル主演を務め、細胞異常により皮膚が発光する不治の病“発行病”を患うヒロインと、彼女の願いを「代行体験」する青年が絆を深めていくラブストーリーだった。

　北村さんが演じたのは、発光病を患うまみず（永野さん）の「叶えられない願い」を代行体験する高校生の岡田卓也。そんな卓也が、代行体験の一環としてアルバイトをすることになったメイドカフェの先輩で、卓也に恋をする平林リコを今田さんが演じた。

　2回目の共演は、2020年1月にTBS系で放送された吉沢亮さん主演の「半沢直樹スピンオフ企画『狙われた半沢直樹のパスワード』」。堺雅人さんが主演を務めた人気ドラマ「半沢直樹」のスピンオフで、今田さんは半沢の出向先となった東京セントラル証券の浜村瞳役で出演。憧れの上司として半沢を慕う役どころで、そのまま同年7月期に放送された本編第2期にも登場し、半沢をサポートした。

　一方、北村さんは、敏腕プログラマー・高坂圭（吉沢さん）の大学時代のプログラミング仲間で、過去に因縁のある謎の人物・黒木亮介役で出演。高坂や瞳とは、敵対関係にある役どころを演じた。

　◇「東京リベンジャーズ」シリーズで3回の共演

　その後に2人が共演したのが、北村さん主演の映画「東京リベンジャーズ」シリーズ（英勉監督）だ。2021年公開の「東京リベンジャーズ」、2023年に前後編2部作で公開された「東京リベンジャーズ2　血のハロウィン編　運命」「東京リベンジャーズ2　血のハロウィン編　決戦」と3作全てで共演した。

　映画は、「週刊少年マガジン」（講談社）で2017年から2022年まで連載された和久井さんのマンガ「東京卍リベンジャーズ」が原作。人生どん底のダメフリーター・花垣武道（北村さん）が、関東最凶の組織・東京卍曾（まんじかい）の抗争に巻き込まれて命を落とした高校時代の恋人・橘日向（今田さん）を救うため、タイムリープを繰り返して奮闘する姿を描く。

　同作で2人は恋人役を演じ、北村さんは弱虫だが内に秘めた情熱を感じさせるかっこいい主人公を、今田さんは誰もが守りたくなるような魅力的なヒロインを好演した。

　◇「あんぱん」では夫婦役　制作統括も2人の相性を絶賛

　5回の共演を経て、「あんぱん」では夫婦役を演じる今田さんと北村さん。今田さんは、相手役が北村さんに決まったときの心境について「本当にホッとして、何も心配することないなと思いました」と語っている。

　制作統括を務める倉崎憲さんも、「2人のシーンを見ると本当に抜群の相性だなと思うんですよ。モニターを通してツーショットを見ていても、これ以上の組み合わせはないというか、のぶが今田さんで嵩が北村さんという、この2人のキャスティング以外あり得なかったんじゃないかなと。非常に相性がいいですし、映像をずっと見ていたくなる」と2人の夫婦役に太鼓判を押した。

　今田さん演じるのぶは、行動力とスピード感にあふれ、人生の荒波をパワフルに乗り越え、持ち前の男勝りで勝気な性格から「ハチキンおのぶ」「韋駄天おのぶ」とも呼ばれるキャラクター。一方、北村さん演じる嵩は、ちょっと気が弱くて自信のない性格だ。

　そんなのぶと嵩の関係について、今田さんは「最初はのぶのエネルギーで嵩を引っ張っているように感じますが、のぶは嵩がいるから強くなれている部分もあるし、のぶが困ったら嵩がさりげなくスッと手を差し伸べてくれる。2人にしか分かり合えない何かがあるんですよね。性格は真反対だけど、あんなふうに支え合える関係、性別が違ってもこれほど分かり合える関係ってうらやましいなと思います」と明かしている。

　共演を重ね、すでに息ピッタリの今田さんと北村さんが、どのような夫婦像を演じるのか。「あんぱん」での2人の演技から目が離せない。