解説:大河“家康俳優”をおさらい “最新”は松下洸平 「まさか」「意外」の声…これまでは?

2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で徳川家康を演じる松下洸平さん
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2026年の大河ドラマ「豊臣兄弟!」で徳川家康を演じる松下洸平さん

 仲野太賀さん主演で、2026年に放送されるNHKの大河ドラマ豊臣兄弟!」。“天下人”の弟・豊臣秀長(仲野さん)を主人公とした3年ぶりの戦国大河で、先日、新キャスト10人が発表された。小栗旬さん、宮崎あおいさんの大河主演経験者が、それぞれ織田信長、お市という兄妹を演じることが大きな話題となったが、「まさか」「意外」との声が上がったのが、松下洸平さんが徳川家康役で出演すること。家康といえば前・戦国大河の「どうする家康」の主人公で、松本潤さんが役を務めたが、それ以前は? ここでは、大河ドラマで家康を演じてきた名優たちをおさらいする。

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 ◇「青天を衝け」では北大路欣也“家康”が「こんばんは」

 1963年に始まった大河ドラマ。“戦国もの”とされるのは「どうする家康」が21作目で、「豊臣兄弟!」が22作目となる。

 まだまだ記憶に新しい松本さん主演の「どうする家康」では、一人の弱き少年だった(ヘタレだった?)家康が、家臣団に守られながら成長し、共に乱世を終わらせるまでを描いたが、同作以上に家康の存在をユニークに取り扱ったが、幕末から近現代を舞台にした2021年の「青天を衝(つ)け」だ。

 “戦国もの”からは外れるものの、家康は主人公・渋沢栄一(吉沢亮さん)を見守る“歴史の語り部”として登場。このときは北大路欣也さんが、2011年の大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」以来、10年ぶりに家康役で“再登板”し、冒頭の「こんばんは」のあいさつに視聴者が「こんばんは」と返答するのも、一つのお約束になっていた。

 「青天を衝け」の前年(2020年)の「麒麟がくる」では、風間俊介さんが、“まだ何も成し遂げていない”青年期から家康を好演。2017年の戦国大河「おんな城主 直虎」では、阿部サダヲさんが、まだまだ気弱な中間管理職的な悩める家康を、持ち前のコミカルさと愛嬌(あいきょう)で体現し、好評を博した。

 「直虎」の前年(2016年)の「真田丸」にも家康はもちろん登場。同役を務めたのは内野聖陽さんで、主人公の真田幸村(信繁、堺雅人さん)の“最大最強の宿敵”でありながら、臆病で慎重な性格が強調された家康を演じきった。

 そのほか2010年代では、2014年の「軍師官兵衛」に寺尾聰さんが、1973年の「国盗り物語」以来、41年ぶり2度目の家康役で出演したことも話題になった。

 ◇“家康俳優”と聞いて思い浮かべるのは?

 北大路さんや寺尾さんと同じく大河ドラマで二度にわたって家康を演じたのが津川雅彦さんだ。作品は、1987年の「独眼竜政宗」と2000年の「葵 徳川三代」。“家康俳優”と聞いて、津川さんのことを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。

 ちなみに記念すべき大河“初代家康”は誰かというと、1965年の「太閤記」での尾上菊蔵さん。1969年の「天と地と」で松山政路さん、1971年の「春の坂道」で山村聡さんが“家康俳優”として続き、大河ドラマの歴史に名を刻んでいる。

 さらに児玉清さん(1978年「黄金の日日」)、フランキー堺さん(1981年「おんな太閤記」)、滝田栄さん(1983年「徳川家康」)、中村橋之助さん(1988年「武田信玄」)、丹波哲郎さん(1989年「春日局」)といったそうそうたる顔ぶれが並ぶ、大河“家康俳優”。以降も、郷ひろみさん(1992年「信長 KING OF ZIPANGU」)、西村まさ彦さん(1996年「秀吉」)、高嶋政宏さん(2002年「利家とまつ」)、北村和夫さん(2003年「武蔵 MUSASHI」)、松方弘樹さん( 2009年「天地人」)といった個性豊かな名優が家康を演じてきた。

 なお、計14作の大河ドラマに出演している“常連”で、昨年10月に76歳で亡くなった西田敏行さんは、自身11作目の大河となる2006年の「功名が辻」で満を持して家康になっている。

 ◇松下洸平は家康役オファーに「一瞬頭が真っ白」

 話を「豊臣兄弟!」に戻そう。

 何もなければ最新の“家康俳優”となる松下さんは、2024年の「光る君へ」に続く、2回目の大河ドラマ出演。2019年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」で一躍脚光を浴びて以降、数々の話題作に起用され、今や映像界に欠かせない存在となったが、過去の役柄含めて家康っぽさは、当たり前だが感じられない。先日の出演発表の際には、本人も「お話をいただいたときは驚きとうれしさとプレッシャーで一瞬頭が真っ白になりました」とコメントしていた。

 一方、今回の家康の説明には「信長亡きあと天下一統を狙う豊臣兄弟の眼前に最大最強のライバルとして立ちはだかる」とあり、改めて言うまでもないが、物語における最重要人物となることは間違いない。

 松下さんは「これまで多くの方が演じられてきた役ですが、皆さんがきっと『まだ誰も見たことのない家康』を目指し役作りなさっていたのではないかと思います。もちろん僕もその気概で挑みます」と意気込みを語っていたが、意外性を逆手に取り、「豊臣兄弟!」の家康として作中を生き抜いてくれることを、今からひそかに期待したい。

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