ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
1970年代を中心に人気を集めたロボットアニメ「超電磁マシーン ボルテスV」をフィリピンで実写化した映画「ボルテスV レガシー」が10月18日に公開される。「超電磁マシーン ボルテスV」は、1977~78年に日本で放送された伝説のロボットアニメ。フィリピンでは、日本以上に熱狂的な支持を受けているといい、実写版が制作された。海の向こうで何が起きているのか? 実写版を手掛けたマーク A. レイエス V監督に聞いた。
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「超電磁マシーン ボルテスV」は、主人公・健一ら剛三兄弟、峰一平、岡めぐみの5人が、合体ロボット・ボルテスVに搭乗し、地球に飛来したプリンス・ハイネル率いるボアザン星の侵略軍と戦う姿が描かれた。親子の離別、主人公をめぐる衝撃的な展開、異母兄弟との対決、圧政への抵抗や革命などが描かれ、ドラマ性の高さが海外でも高く評価された。
実写版は、フィリピンのテレサクセス・プロダクションズが制作し、地上波テレビ局・GMAネットワークで放送された。映画と全90話のテレビシリーズが制作された。テレビシリーズは2023年に全話がフィリピンで放送された。10月18日に公開される「ボルテスV レガシー」は、フィリピン版映画「Voltes V: Legacy Cinematic Experience」には含まれないシーンを追加し、再編集した“超電磁編集版”となる。フィリピンの制作陣が日本公開のために再編集を行い、全編をリマスターし、CGのクオリティーを向上させた。字幕版、吹替版が公開される。
日本でロボットアニメと言えば「マジンガーZ」や「ガンダム」シリーズなどの方がメジャーかもしれない。しかし、フィリピンでは「ボルテスV」が圧倒的に人気だという。
「フィリピンでは1978年に放送が始まったのですが、私はその時から見ていました。フィリピンでは一番人気のアニメです。フィリピンでは平日の午後に何かしらのアニメを放送していましたが、その中でも抜きんでた人気でした。ストーリーがほかのアニメと違うんです。『ボルテスV』は家族の物語です。フィリピンは家族を大事にする国なので、社会の価値観と親和性が高かったんです。1980、90、2000年代と何度も再放送されています。戒厳令下で放送が中止になったこともあります。その後、再び放送されることになり、民主主義の象徴にもなりました」
フィリピンでも屈指の“ボルテスVオタク”というレイエス監督は「長年、監督をやってきましたが、キャリアが熟してきた2000年代に“夢の企画”を考えました。それが『ボルテスV』の実写化だったんです」と語るほど「ボルテスV」の実写化は念願だった。
「ボルテスV」はフィリピンでは誰もが知る人気作のようだが、2020年代の作品にするためにアップデートしようとした。
「クラシックな作品ですし、ハリウッドのSF、アクション大作を見ている今の観客に訴求する作品を作らないといけません。フィリピン人にとって誇りに思える作品にしながら、日本の皆さんに見せて恥ずかしくないものにもしないといけない。CGや衣装のデザインなどにこだわって制作しました。ストーリーも膨らませているのですが、特にこだわったのがボアザン星人の話です。この星はどんな文化を持っているのか?などを膨らませています」
ボルテスVのデザイン、バトルシーン、変形シーンなどもアップデートしようとした。
「スタッフがみんなファンなんです。ファンが集まって作っているのだから、相当こだわっています。2次元を3次元にしないといけないので、難しさがあります。腕を一つ動かすにしてもアニメのように自由自在に動かすことはできません。CGを精密に作りました。合体のシークエンスを見た時は感動しました。精密なデザインなので、玩具化するのは大変だったと思います」
堀江美都子さんが歌ったオープニング主題歌「ボルテスVの歌」のカバーが流れるのも印象的だ。フィリピンの歌手が日本語でカバーした。
「最初はタガログ語や英語にしたのですが、フィリピンでは日本語のオリジナルが愛されています。カラオケでもトップ10に入るくらい人気です。それなら、別に変える必要はないのでは?となりました。日本語で覚えている人も多く、歌詞の意味も何となく分かっています。だから、日本語にしました」
2020年代の作品としてアップデートはしたが、変えていないところも多い。
「東映さんともやり取りをさせていただきましたが、『ここは変えてください』などと言われることはありませんでした。我々は『ボルテスV』をリスペクトしています。愛する作品を大きくアレンジしようともしませんでした。それを分かっていただけていたので、良好な関係を保ちつつ、制作しました」
レイエス監督らスタッフはアニメへのリスペクトを込めて実写化した。熱い思い、愛をぜひ感じてほしい。
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