伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第56回(6月17日放送)では、主人公の寅子(伊藤さん)が、明律大学の同級生のよね(土居志央梨さん)と轟(戸塚純貴さん)と再会するシーンが話題を集めた。“戦友”と再会した寅子をどんな思いで演じたのか、伊藤さんに聞いた。
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第56回では、ついに家庭裁判所が発足。最高裁判所家庭局事務官と東京家庭裁判所判事補を兼務することになった寅子は、多岐川(滝藤賢一さん)とともに戦争孤児の問題に向き合う。視察に出かけた寅子は、上野の街でスリの少年・道男(和田庵さん)を追い、よねと轟に再会。よねは「こっち来んな」と寅子を拒むが、荷物を運んで来た轟は「佐田? 生きてたのか。よかった! 本当によかった!」と大喜びした。
伊藤さんは「寅子としては、2人と再会できてすごくうれしかったです」と語る。
「それと同時に、失った信頼をどう取り戻していくかという試練もあって。やっぱり彼女は、何においても女子部の存在が軸にありますし、特によねさんは一番の戦友でしたので。だから、『来るな』と言われても何度も会いに行くんですよね。演じている私ですら、もうやめたら!?と思うくらい。よねさんは彼女の中で大きな存在ですし、どこかでつながっていると信じているから、寅子はあきらめきれないんですよね」
また、印象深かったシーンについて、「戦争孤児たちがたたずんでいる道を歩くシーンはよく覚えています」と明かし、「道男を探している場面だったので止まらずに歩かなければいけなかったのですが、子どもたちがどんな思いでそこにいるんだろうと考えたら、立ち止まらずにはいられなくて。トラちゃんではなく私個人として、通り過ぎることが冷たいと感じてしまったんですよね」と話す。
「でもそれは表面上の優しさで、私自身の甘さだなって。もしこれが現実の世界だったら、立ち止まって何かするよりも、もっと広い視野でこの子たちを助ける解決方法を探らなきゃいけないと思うので。撮影中はそんなことを考えながら、もがいていました」と振り返った。
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