海に眠るダイヤモンド
最終話後編(10話)記憶は眠る
12月22日(日)放送分
俳優の吉高由里子さん主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)で謎めいた宋の見習い医師・周明を演じている松下洸平さん。6月16日放送の第24回「忘れえぬ人」では、まひろ(吉高さん)と「早く宋に行きたい」と口にし、朝廷に宋との交易を受け入れるよう左大臣の道長(柄本佑さん)に手紙を書くよう求めるも、まひろにウソを見抜かれ、拒絶される姿が描かれた。松下さんが「周明の繊細でもろく、悲しい人物像があらわれた場面」などについて語った。
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周明役を通して松下さんは、まひろについて「自分の知らない世界に大きな好奇心を持ちながら、型にはまらない生き方を望むたくましい女性という印象を持ちました」と話す。
「まひろのどこか軽やかさのある人柄や宋の言葉を積極的に学ぼうとする姿勢に、周明の心には少なからず特別な感情が芽生えていたと思います。自分と同様につらい過去があるのにもかかわらず、明るく天真爛漫(らんまん)に振る舞う様子は、周明にはまぶしく、太陽のような存在に映ったのかもしれません」
宋人でもなく、日本人でもない周明は、そんなまひろを利用するしかなかった。
自分で割った陶器のかけらを手に、道長へ文を書くよう迫るも、脅しに屈しなかったまひろ。周明は別れ際、宋は日本を見下し、日本人など歯牙にもかけていないと明かし、民に等しく機会を与える国など、どこにもないと忠告めいたことを口にすることしかできなかった。
「そのシーンの最後に『つまらぬ夢など持つな』とまひろに吐き捨てますが、近づきそうだったものが自分の手から離れてしまったことで裏切られたと判断し、大切な人を傷つけるようにして去ってしまう。周明の繊細でもろく、悲しい人物像があらわれた場面だったと思います」
松原客館を去っていなかった周明は、まひろに対して淡い恋心を抱いていた。
「朱仁聡(ヂュレンツォン、浩歌さん)から『お前の心の中からは消え去るとよいな』と言われたとき、まひろに対して淡い恋心を抱いていたことに初めて気づかされるという演出をつけていただきました。実は演出担当の方々と議論する中で、『周明がまひろに恋心を寄せている様子をどこまで見せましょうか?』と何回か相談したことがありました。その瞬間を見せられる場面はいくつかあったのですが、彼女との人間関係が壊れてしまった後に『まひろのことを慕っていたのか……』と自覚する方がドラマチックではないかとの結論に至り、今回の芝居につながりました」
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