ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「柱稽古編」。5月に放送をスタートし、鬼殺隊最強の剣士・柱が本格的に登場したことも話題になっている。柱の一人、蛇柱・伊黒小芭内(いぐろ・おばない)を演じるのが、人気声優の鈴村健一さんだ。鈴村さんは「柱稽古編」では、伊黒が蛇の呼吸を繰り出す戦闘シーンが描かれ、喜びを感じたという。鈴村さんに「柱稽古編」への意気込み、演技のこだわりを聞いた。
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「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を人間に戻すために鬼殺隊へ入隊する……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。
テレビアニメ「竈門炭治郎 立志編」が2019年4~9月に放送され、2020年10月公開の劇場版「無限列車編」の興行収入が国内歴代1位の記録となった。「遊郭編」が2021年12月~2022年2月、「刀鍛冶の里編」が2023年4~6月に放送された。新作テレビアニメ「柱稽古編」が、フジテレビ系で毎週日曜午後11時15分に放送中。
「柱稽古編」では、鬼の始祖・鬼舞辻無惨(きぶつじ・むざん)との戦いに備えた柱稽古が描かれる。第1話では、伊黒と風柱・不死川実弥(しなずがわ・さねみ)が共に鬼と戦い、伊黒が蛇の呼吸を繰り出すシーンも描かれ、迫力の映像が話題になった。伊黒は、「竈門炭治郎 立志編」の柱合会議、「遊郭編」の最終話、「刀鍛冶の里編」の恋柱・甘露寺蜜璃(かんろじ・みつり)の回想シーンに登場しているが、戦闘シーンが描かれるのは初めて。
鈴村さんは「ずっと“呼吸”をしないできましたから、いよいよ第1話で『蛇の呼吸』と言えたので、単純にうれしかったですね」と喜びを語る。伊黒の戦闘シーンでの本格的な登場、蛇の呼吸のシーンを心待ちにしていたという。
「僕のことを知らない人に『声優をやっているんです』という話をする時、『鬼滅の刃』で蛇柱を演じていると伝えると、『すごい!』となるのですが、僕の心持ちとしては『まだそんなにしゃべってないんだよな』とずっと引っかかっていて。そんな中、今回戦うシーンも描かれて、今後は『柱稽古編をご覧ください』と堂々と言えるなと。やっと胸を張って『鬼滅の刃に出ています』と言える。そんな気持ちでしたね」
第1話の伊黒の戦闘シーンは、個人的に「感慨深い」ものがあったと明かす。第1話には、鈴村さんが代表を務めるINTENTIONの若手声優の内田修一さんが、鬼殺隊の隊士役で出演していた。
「伊黒は、あまりフレンドリーなタイプではないと思うのですが(笑い)、それでも僕は一緒に戦えたことがうれしくて。僕は温かく見守る気持ちで現場にはいたのですが、伊黒にそれが乗らないように演じました。そのあたりも自分的には結構印象深い第1話でしたね」
伊黒は、ネチネチとした口調が特徴で、「竈門炭治郎 立志編」の柱合会議前の裁判シーンで炭治郎と禰豆子と対面した時も「信用しない」と連呼していた。「遊郭編」でも、戦いを終え、満身創痍(そうい)の音柱・宇髄天元(うずい・てんげん)に嫌みを言うような、癖のあるキャラクターだ。鈴村さんは「ネチっこいのは面白いですよね」と魅力を語る。
「『竈門炭治郎 立志編』の柱合会議前の裁判のシーンでは、僕は柱のメンバーが悪い人に見えたんです、『禰豆子のことを殺すべきだ』みたいなことを言っていたり、非情の集団のような印象がありました。その中でも伊黒は特にネチっこかった感じがして(笑い)。演じる目線では『これは面白い役をいただけた』と思って、伊黒を好きになりました。ストーリーが進むにつれ、『こんな一面があるんだ』と見えてくる」
そんな伊黒ゆえに、蛇の呼吸の表現も「難しい」と感じているという。
「呼吸のような必殺技的なものは、声を張るという方法が一番フィットしやすいと思うんです。ましてや戦闘シーンなので、敵もたくさんいて、音楽も盛り上がってるし、SE(効果音)もすごい。だから、それに負けないくらい声を張るのが必殺技のセオリーではあるのですが、伊黒の場合は、人柄を考えるとそういうふうには演じられない。ちゃんと力点を置きながら、でも声を張らない、という。決めるところは決めつつ、セオリーにはのっとらないせりふを表現しなければいけないので、結構難しくて。技を発する前に言葉を発するのは、ある種の“見得(みえ)を切る”部分もあるのですが、形骸化しないようにすることも大事。声を張らない、見得を切ることにだけに傾倒せず、常に日常につながっているように発声できるかどうかが、伊黒としては大事なんじゃないかなと。ちゃんとリアリティーが必要というか。形骸化しないための落としどころを意識して演じているつもりですね」
「柱稽古編」では、伊黒がほかの隊士や柱と関わる場面も描かれ、鈴村さんは改めてその魅力を“発見”したと感じているという。
「意外といろいろな人と関わるんだな、いろいろな人とコミュニケーションがとれるんだなということが見えてきたというか。実弥に背中を任せるようなシーンもあって、『信用しない』と言っていた割に『意外とちゃんと人のことを信用してるじゃん』と。恐らく、彼の中で誰を認めている・認めていないという線引きがあって、要は気分では動いていなさそうな気がするんです。きっと柱の面々に対しても、認めた瞬間というのがあって、信頼関係があるんだろうなと。演じる側の僕の目線からすると、そういうシーンが出てきて、ほっとしているというか、うれしいというか。僕らは台本から『役をどうやって広げるか』というものを拾ってくるので、描かれないところがあると、しんどい部分もあるんですよね。今は、ヒントをいっぱいいただけている感じがします。『あ、こういう人なんだ』という発見に近いですね」
最後に「柱稽古編」の見どころを聞いた。
「僕が台本を読んだ時も『これから何かが起きるんだろうな』と思いました。これから先とんでもないことが起きそうな空気感があって、みんなで『鬼滅の刃』のお話を一緒に楽しみたいですね」
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。※鬼舞辻無惨の「辻」は点一つのしんにょうが正しい表記となる。
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