薬屋のひとりごと
第13話 外廷勤務
12月27日(金)放送分
HJ文庫(ホビージャパン)のライトノベルが原作のテレビアニメ「魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい?(まどめ)」が4月4日からTOKYO MXほかで放送される。悪の魔術師として人々に恐れられているザガンが、白い髪のエルフの少女・ネフェリア(ネフィ)と運命的な出会いを果たす……という異世界ファンタジー×王道ラブコメ。ザガンは、不器用で口が悪いが、ネフィに好意を持ち、どう接したらいいか?と悩む。ネフィは、自分のことを「必要だ」と言ってくれたザガンに少しずつ心を開いていくことになる。ザガン役の小林裕さん、ネフィ役の市ノ瀬加那さんに「まどめ」について聞いた。
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小林さん タイトルからはラブコメ感をひしひし感じましたが、実際に読んでみたらラブコメは十二分にありつつもストーリーが思った以上に壮大でした。最初の段階でザガンは魔王ではなく、運命に導かれるようにさまざまな出来事に直面していきます。そして恋愛だけではなく家族愛を育んでいく描写もあり、物語としていろいろな楽しみ方ができるなと感じながら面白く読ませていただきました。
市ノ瀬さん サガンのモノローグと言葉のちぐはぐ具合、本当はこう思っているけど、うまく言えない不器用なところが愛らしいんです。2人のやり取りにキュンとして、甘酸っぱい気持ちになりました。第1話の収録の時、監督さん、音響監督さんに「ギャグとシリアスの切り替えが大事な作品」と説明されて、いろいろな要素があって、見応えのある作品です。
小林さん ザガンは、表面には人付き合いを全くしていなかったが故の不器用な面を出しますが、裏では全く違うことを考えています。人見知りが発揮され、戸惑っている心の声が本来の彼の姿だと思うんです。なのでモノローグを演じる時は表情に縛られず、セリフから感じとったものをストレートにやってみました。結果、表に出しているクールさとのコントラストが出て、面白くなればいいな、と。大変だったのは、モノローグとオンの芝居を別々に収録せずに、流れで収録したところです。スパルタだな!って思います(笑い)。
市ノ瀬さん どうしてもかぶるところ以外はそのまま収録していましたよね。
小林さん 役者力を試されているようで、面白く収録できました。
市ノ瀬さん 小林さんが低い声で演じているのが、私はすごく新鮮でした。コミカルだったりとか、真剣で格好いいところだったりを表現されていて、ネフィを演じていて安心感がありましたし、共に歩んでいきたい!と感じていました。自分の中でガチガチに固めるのではなく、小林さんのお芝居に影響を受けながら、演じさせていただきました。
小林さん ザガンは、皆さんが幼稚園や小学生くらいで経験するであろうことを全くやっていないので、大人になって子供のようなやり取りを真面目にやる気恥ずかしさがあったんです。駆け引きなど一切ない純粋な恋愛です。マイク前に立ち、後ろのみんなに見られていて、終わった後、どんな顔で振り向けばいいんだろう?となっていました(笑い)。基本的にそんなシーンが毎回あるんです。今後、イベントなどで、皆さんの前でやることになったら、断固として拒否したいです!
市ノ瀬さん ピュアなんですよね。そんな状況ある!?という展開もありますが、真面目にラブコメをしているんです。振り切っていて可愛らしいです。私は、恥ずかしさはありませんでした。男性と女性で視点が違うのかもしれませんね。
市ノ瀬さん 原作で「鈴を転がすような声」と表現されていて、ハードルが高まっていまして……。最初の頃は、どんな声なんだろう?と思いながら演じていたのですが、演じるうちに、自然と出たものを表現していこうとしました。彼女自身は、奴隷としてオークションで売られていたようなキャラクターなので、重い過去がある子なのですが、ザガンと出会うことで、本来の素直な感情が育っていきます。純粋に話したこと、してもらった行動など一つ一つを新鮮に感じるようなお芝居を意識しました。
小林さん 「鈴を転がすような声」は、まさにぴったりですよね。僕はこれまでも市ノ瀬さんとご一緒させていただいた機会があったのですが、声の柔らかさ、透明感がずば抜けている方なので、ザガンとして守ってあげなければ!という気持ちになりますし、耳も幸せでした。楽しかったです。僕は、お芝居の距離感を実際の距離感よりも近づけようとしました。ネフィは基本的にしゃべり方がか弱いので、実際の距離だとちょっとちぐはぐになりそうですし、ネフィに合わせて、しゃべろうとしていました。
小林さん 最初の頃は静かに収録していましたが、キャラクターが増えると、どんどん場の空気が和んでいきました。
市ノ瀬さん 作品とリンクしていて、お話がにぎやかになってくるにつれ、キャストもにぎやかになっていく印象がありました。楽しい現場でした。
小林さん 低音でクールな役をあまりやったことがなかったので、いっぱいいっぱいなところもあり、気配りする余裕がいつもよりなかったかもしれません。いろいろな経験ができる現場でした。
市ノ瀬さん 小林さんが主役でいることで、すごく安定感がありました。自然とまとまるような雰囲気で、ここまで掛け合いするのは初めてだったのですが、お芝居で引っ張っていただき、すごく感謝しています。
小林さん そう言ってもらえると救われますね(笑い)。
市ノ瀬さん ザガンに共感するんです。モノローグ、心の声と言っていることが違うのは、私もそうなんです。
小林さん 今も思っていることと違うってこと?
市ノ瀬さん 今は大丈夫です(笑い)。緊張している時に言ってしまったことが、違う意味になることがあるんです。ザガンのそういう不器用なところが愛らしいです。
小林さん 僕はザガンよりもネフィに近いかも。普段、怒らないこともあって、怒ると怖いらしいんです。
小林さん 感情的にぶちまけた時はありましたね。内容は秘密です(笑い)。
市ノ瀬さん プンスカしている時はあるかもしれませんが、前ほどそんなに怒らなくなりました。大人になったのかな?
小林さん 褒められるのが苦手なんです。褒められると、やめて!となってしまいます。
市ノ瀬さん 私も同じです。褒められると、恥ずかしいけど、家に帰ってから、こんなこと言われた、うれしいな!って脳内で復唱をするタイプです。でも、大人になってからは恥ずかしさが増しちゃっているかもしれません。
小林さん ラブコメの要素が濃縮されているので、ニヤニヤしてもらいたいですね。新しく出てくるキャラクターたちもそれぞれ抜けていたり、可愛らしいところもあって、いろいろなニヤニヤがあります。ファンタジーとして冒険がこれから繰り広げられていく予感もはらんでいて、ニヤニヤを楽しみたい方、冒険を楽しみたい方、皆さんに楽しんでいただけたらうれしいです。
市ノ瀬さん 2人の心の距離の縮まり方がすごくすてきな作品で、キュンとするところが詰まっていて、心が温かくなるし、いい意味でムズムズする初々しさもあります。すごく個性的なキャラクターばかりなので、ぜひ楽しんでください!
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