ブギウギ:「この親あって鈴子あり」“梅吉”柳葉敏郎と“ツヤ”水川あさみ、両親の存在意義とは?

連続テレビ小説「ブギウギ」に出演する柳葉敏郎さん(左)と水川あさみさん(C)NHK
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連続テレビ小説「ブギウギ」に出演する柳葉敏郎さん(左)と水川あさみさん(C)NHK

 俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。前半のキーパーソンともいえる、ヒロイン鈴子の父・梅吉(柳葉敏郎さん)と母・ツヤ(水川あさみさん)の役作りや存在意義について、演出担当に聞いた。

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 ◇父・梅吉は「へなちょこながらも愛情深く人間くさい」キャラクター

 チーフ演出の福井充広さんは、鈴子の両親の設定を「この親あって鈴子ありという、面白おかしい夫婦を作りたいなと脚本の足立紳さんと話していた」という。

 柳葉さん演じる梅吉は、香川に生まれ、大阪の下町・福島で銭湯を営み、個性豊かな常連客たちの社交の場を作っている。映画と芝居とお酒とおいしいものが大好きな道楽者。情にもろい性格で、鈴子の夢を応援している父親。

 柳葉さんは1961年生まれ、秋田県出身で現在も秋田に在住している。やはり難しかったのは大阪ことばだったようだ。福井さんは「大阪ことばは、かなりレッスンを積んでいただいた。大阪のノリツッコミの世界に没頭していただくことなど、柳葉さんとお話をしながら(キャラクターを)構築していきました」と明かす。

 梅吉は「朝ドラのお父ちゃんにありがちなへなちょこなキャラクター」だが、「懐の深さといいますか、“義理と人情”が(ドラマの)一つのキーワードですから、その人情話を体現していただく上でも、梅吉らしい確固とした愛情を持って娘と接するお父ちゃん像にしていこうという話をした上で、柳葉さんには演じていただきました」と語る。

 演出の泉並敬眞さんも、梅吉について「可愛らしいというか、人間味がすごくあって、ダメ親父に見えるんですけれど、すごく優しくて愛情深いんです」と表現する。

 そこには「どことなく(脚本の)足立さんってこんなこと考えているのかなというか、足立さんを投影しているような空気を感じてしまうときもあります」と明かす。

 ◇母・ツヤは「小さな町の大きな肝っ玉かあちゃん」

 水川さん演じるツヤも梅吉と同じ香川生まれで、いつも番台に座っていて働いており、銭湯経営の屋台骨を支えている。しっかり者で、義理と人情を大切にしている。子どもたちのことを第一に思う優しい母親だ。

 水川さんは1983年生まれ、大阪府出身。福井さんは、水川さんについて「もともと大阪出身の方で関西のノリについては下地がおありですので、足立さんが書かれる台本の世界観には、すんなり入っていただけました」と語る。

 2週目までのツヤのキャラクターとして、ドラマ上注目すべきところは、「子供に対する目線、育て方」だという。「どんなことがあっても、子供の考えや行動を否定することなく、一度は認めてあげる、受け止めてあげる。これは脚本の足立さんがとても大切になさっている子育て論にもつながるようで、3週目以降のストーリーにも大きく関わってくる。その部分を水川さんに、優しく明るく体現していただいた」という。

 鈴子は「大口を開けてゲラゲラ笑う」キャラクター。それも「このお母ちゃんがいるから、なるほどそういうふうに育つよな、と視聴者に受け入れられる親子の関係が描きたかったので。水川さんには、本当にエネルギッシュに笑っていただいた」と福井さんは手応えを語る。

 泉並さんは、ツヤについては「家族だけじゃなくて、あの小さな町の大きな肝っ玉かあちゃんだなと」と評する。

 「はな湯」の場面は、強烈なキャラクターぞろいの常連客がわいわいとにぎやかに「結構なアドリブ合戦」を繰り広げているという。その現場で水川さんは、ツヤとして「まとめ役の肝っ玉母ちゃんをやっていただいた」と撮影を振り返った。

 「ブギウギ」は10月16日から第3週に突入。梅丸少女歌劇団(USK)に入って6年たったスズ子(趣里さん)の成長が描かれる。梅吉とツヤに愛情深く育てられたスズ子が、USKの中でどのように歩んでいくのか、見守っていきたい。

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